小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「カントリー・ガールズの活動休止に見る、アイドルたちの新たな分かれ道」

カントリー・ガールズの活動休止、メンバーが引退や休業のニュース。
もともと学業もあって活動が抑えがちだった山木梨沙ちゃんの引退、小関舞ちゃんの卒業はそれでもひとまず流れを受け入れる余裕は残ってたんですが、さすがに船木結ちゃんの転身には驚きました。
まだ17歳でバリバリ芸能活動もしていたところで、新たな世界を追求するためにハロプロ卒業&芸能活動休業。
昨日の夜までこの展開を読んでたハロプロファン、本当に誰一人いなかったんじゃないかと思います。

それでもこの衝撃の発表に、私がひとつだけ納得を覚えてきている部分があって、それはアイドルたちにとっての最新の幸福がここ数年で「ずっと続けていられること」から「何度でもやり直せること」に変わってきているんじゃないか、ということ。
私的な心境でその大きな変わり目として刻まれているのは(やっぱり)2016年のSMAPの解散になるのですが、
あれはSMAPをゴールラインに設定して永遠を積み上げてきた平成アイドル界にとって、その価値観が根本から砕け散った事件だった、と思うんですよ。

あとこれも実質的にSMAPの影響がかなり大きかったと思うんですけど、平成は特にアイドルが総マルチタレント化していった時代で、アイドルと呼ばれる人たちはどんなことに興味や活動の足を伸ばしても、(少なくともファンには)概ね肯定してもらえるようになった。
今のアイドルは基本的に「なんでもできる」。
だけどそのモデルケースだったSMAPは(様々な事情を含めて)「ずっとはできない」ことを示して、頂きから消失してしまった。

(そして奇しくもこの図式、女性アイドルでいえば「なんでもできる」の象徴だった道重さゆみやBerryz工房や℃-uteが2014~2016年頃にかけて、やはり(様々な事情を含めて)「ずっとはできない」ことを示したケースにもなっていたわけですよ)*1

そこで後に続くアイドルたちの人生観、今回の主題に照らし合わせて書けば「幸せな明日の選択基準」が、
アイドル界にいろいろあった数年後のここにきて、目に見えて変わりつつあるのは、ちょっと納得いく部分があるんですよね。

ただアイドルたちの人生観が急激に変わっていく一方で、アイドルビジネスは今も従来通りの「永遠」を売りにしているので、そこに裂け目が生まれてしまっていて、今回みたいな発表があるとファンはその裂け目の中でとても苦しい気持ちになる。

ファンがこの苦しさから一番早く解放される特効薬というのは「自衛」なのかもしれないけど、それで終わらせることがアイドルカルチャーの今後にとって絶対に正しいことではないから、やっぱり基本的にはアイドルビジネスそのものが、時流と向き合っていくべき話であると個人的には考えています。

(そしてその上で、願わくば「なんでもやってきた」彼ら彼女らが「何度でもやり直せる」象徴になる、そんな未来があったら、同じく正解のない時代を生きているひとりのアイドルファンとしては心強いし、嬉しい。そこには私たちが見続けられる新たな夢のかけらが存在していると思うから)

<2019.10.20 追記>
ENTAMEnextにて、改めて書きました↓
entamenext.com


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*1:この辺、今回の船木結ちゃんも含めたここ1年のアンジュルムメンバーにとっては、和田彩花ちゃんが「なんでもできる」「ずっとはできない」のスイッチになってる可能性もある