最新シングル『わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団』がオリコンウィークリーチャートで3作連続1位を獲得し、ついに”倍返し”の始まったモーニング娘。。
芸能界でも再びファンが急増し、マツコ・デラックス、ユースケ・サンタマリアなどが<今のモー娘。推し>を公言している。
そんな中、モーニング娘。が再び注目されるまで、静かに彼女たちをアシストし続けていた芸能人がいる。
SMAPの中居正広だ。
モーニング娘。と中居といえば思い出されるのはやはり「うたばん」(TBS)での共演だが、2010年3月に番組は惜しまれつつ終了。
その後モーニング娘。のメンバーはかなり入れ替わり、さらにはAKB48の大ブームがテレビ業界にも到達したため、テレビが結んでいた二者の縁はここで一見途切れたかのように見えた。
しかしうたばん時代を知らない中高生新メンバーが3分の2を占めるようになり、まだフォーメーションダンスも完成していなかった2012年4月、モーニング娘。はとある番組に呼ばれた。
それが通称黒バラこと「中井正広のブラックバラエティ」(日本テレビ)である。
当時のモーニング娘。には新垣里沙・道重さゆみ・田中れいな*1など、知名度の高い、またうたばんの出演経験も豊富な先輩メンバーが複数在籍していたが、なんと「黒バラ」ではその先輩メンバーをあえて外し、新規加入の9~10期メンバーだけで出演。*2
9~10期にとっては初めての本格的バラエティ出演、しかもいつも頼りにしている芸歴10年前後の先輩メンバーは全員いない状況……
……だったが、この番組で9~10期メンバーは予想外の大健闘。
特に共演の女性アイドルグループ・Fairiesと行った即興ダンス対決では安室奈美恵やSPEEDの直系の後輩*3であるFairiesに対し、ダンスが得意な鞘師里保(9期)と石田亜佑美(10期)が、MC中居のムチャブリにも対応した見事なパフォーマンスを披露。
この日の出演は既存のモーニング娘。ファンだけでなく、番組を見ていた一般視聴者にも強いアピールになった。
そしてしっかりと爪痕を残した新生モーニング娘。の面々は、もう一度「黒バラ」に呼ばれ、レギュラー出演者との運動会企画に参加。
すると今度は美少女ながら実はかなり負けん気の強い工藤遥(10期)が、出川哲朗との見事なケンカ芸を披露し、彼女は同い年の佐藤優樹(10期)と共に出川哲朗との新たなロケ企画にも出演する。
その間にモーニング娘。は50枚目のシングル『One・Two・Three』で息を吹き返し、ついにフォーメーションダンスが世間で注目され始めるのだが、
残念な事に、『中井正広のブラックバラエティ』は2013年3月に放送終了してしまう *4。
しかし実はその後も、新生モーニング娘。は中居正広の冠番組に呼ばれ続けていた。『ナカイの窓』(日本テレビ)『中居正広のミになる図書館』(テレビ朝日)などである。
ここでも知名度の高い先輩ではなく、加入からまだ日の浅い生田衣梨奈・鞘師里保(9期)にそれぞれ出演オファーがあり、彼女たちは貴重な経験を重ねる事ができた。
もちろん、中居がモーニング娘。へ特別に肩入れしているわけではないだろう。
現にモーニング娘。最大のライバル・AKB48は、SMAPの看板番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ)に何度もゲスト出演し、さらに『火曜曲!』(TBS)ではレギュラーとしてMCの中居と約1年半共演をしている。
ただ確かなのは、他アイドルに差をあけられなかなかテレビに出られなかった苦しい時期、中居の番組が現モーニング娘。にどれだけ貴重なチャンスを与えてくれていたか、である。
そして彼女たちはそのチャンスを決して逃すまいと奮起し、その頑張りに呼応するかのように新規のファンが増え、結果としてオリコン3作連続1位をとるまでに巻き返してきた。
思えばモーニング娘。の躍進には、いつも中居正広がいる。
彼女たちの再ブレイク前夜、13時間を超える大型歌番組『音楽の日』(TBS)の出演時、まだ新生モーニング娘。の変化を知らない全国の視聴者に向けて
「いろいろとメンバーが入れ替わりますが、今はこのメンバーが一番ですか?」
と”今のモーニング娘。”を発信した司会者も、やはりこの人だったのだ。
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