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ロックンロールの傷跡
衝動と共鳴する革新的サウンドやパフォーマンスで、戦後世代の若者の心を見事に掴んだロックンロール。
しかし1957年10月、『Long Tall Sally』や『Tutti Frutti』などで知られるロックンロールの先駆者、リトル・リチャードが引退を発表した頃から、早くもブームの衰退は始まっていた。
1958年にはやはり『Whole Lotta Shakin' Goin' On』でブレイクしていたジェリー・リー・ルイスの人気が、女性スキャンダル発覚の影響で失速。
続けて『Rock and Roll Music』や『Johnny B. Goode』などで知られるチャック・ベリーも女性絡みの問題を起こしてしまい、彼に至っては警察に逮捕されてしまう。
さらに1959年にはバディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、ビッグ・ボッパー、1960年にはエディ・コクランといったロックンロールの若きスターたちが、事故により命を落とすという悲劇も立て続けに起きる。
そしてロックンロールブームの象徴であったエルヴィス・プレスリーもまた、同様にこの運命の激流からは逃れられずにいた。
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