なんか昨日やたら、「クールジャパン」的な話題を目にしたんです。
「クール・ジャパン基金、「目利き役」が事業判断」(YOMIURI ONLINE)
「収益性の高まるSNSアプリ、その中でも日本は独自の道を進んでいるという話」(yahooニュース)
「カワイイで世界つながれ 札幌市大生「国リボン」制作」(朝日新聞)
今や国民的対外産業として盛り立てられつつある日本のポップカルチャー。
その中にはもちろんアイドルも入っているわけですが、実際のクールジャパン戦略は、あまりいい評判を聞きません。
そこでふと、「アイドルでまじにクールジャパン」を展開していくとしたらどこが向いてるのかなぁと思いました。
(セレクトは、知名度的にいま国外輸出するとなると……の3組)
【AKB48】
本題に入る前に、日本のアイドルに求められてる要素って、やっぱ「”カワイイ”を記号的に発信してる感じ」なのかなと思うんですよ。
んでAKBで記号ったら、やっぱ「制服」じゃないですか。
確かにAKB48はいま絶大な支持を集めていますが、私たちが制服をアイコンとする女の子にかわいさを感じるのはぶっちゃけ、「制服の奥に潜む背徳感」込みですよね。
その愛玩は日本人独特のものでもあり、それを具現化するとストレートに制服が邪魔をするやスカートひらりになるんですが、それは一歩国外に出ると、すっぱり「性的搾取」と言われてしまう。
→「AKB48と「かわいい」と児童ポルノ」(togetter)
だから安易にこういうビジュアルで、日本では今AKBが人気だから…とバスを走らすのはまったく得策じゃない気がします。
じゃあAKBがどういう系統で売り出せばクールジャパンに近いのか、ってシングル一覧眺めてみたんですけど…
キラーシングルは制服と水着と桜ばっかりなんだよな。(そしてそこから離れられない)
そういえば、全然関係ないような切り口だけど、フライングゲットでキンタローがブレイクしたじゃないですか。
あの着眼点ってずっと印象に残ってて、それは大エース・前田敦子の名シーンに誰もがなんとなく重ねていた「少年漫画」的なコミカルさを、すがすがしいくらいのキャラナイズで具現化したってところなのかなって。
で、思い返せばAKB48全体が割と「少年漫画的アイドル」って要素を持ち合わせるグループで、対外的にわかりやすく、なおかつAKBの持ち味って本当はその辺だったような気がする。
というのをひっくるめると、どうしても制服という記号で勝負するなら、AKBはマジスカ学園的なアプローチしていった方がまだ受けるのでないでしょうか。
【ももいろクローバーZ】
現在人気のあるアイドルグループだと、正直ももクロの方が圧倒的に向いてるような気がします。2012年にはフランスのJapanExpoにも出演している。
ここはもう現状何も言うことがなくて、詳しい人を入れて真剣に取り組んだら、海外向けカルチャー発信の波も引っ張れるんじゃないでしょうか。
ももクロ「セーラームーン」新アニメの主題歌を担当だZ(ナタリー)
「美少女戦士セーラームーンチャンネル」(公式・武内直子のコメント)
セーラームーン方面もすでに開拓してるようなので、あと鳥山明に似顔絵を描いてもらえれば完璧なのでは…
【ハロープロジェクト】
便宜上ハロプロでひとくくり。
実は日本で鎮静化している間、海外で秘かに浸透し続けていたのがハロプロ。
モーニング娘。は経済産業省がクールジャパン室を設置する1年前にアメリカの「アニメ・エキスポ」で7500人、 *1翌年にはフランスの「JapanExpo」で4000人の有料ライブを成功させています。
(しかもコンサートスタッフのカメラスイッチング技術に驚いたフランスのケーブルテレビ局は特集番組を放送)
他にもBerryz工房は2008年から毎年韓国、タイ、アメリカなどでコンサートを開催、Buono!はなんとパリのムーラン・ルージュでライブ開催。
案外海外で人気が根強いのは、このハロプロ勢だったりするわけです。
日本国内でハロプロ人気が一度収束したのは、ハロプロ黄金期のビジュアルに直結する00年代文化が時流の変化で古臭く捉えられるようになった影響も大きいと思うのですが、海外においてはこれが盤石の「カワイイ記号」となり、その辺が無意識にマッチしたのかもしれません。
「kawaii japan」で検索した画像イメージと、ハロプロの色使いは案外近かったりします。
*1:翌年のAKBは無料開催で3000人