小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「アンジュルム・和田彩花の「手放す勇気」」

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アンジュルム・和田彩花が4月5日、自身のブログでグループ卒業を発表。
ハロプロでは2014年にモーニング娘。の道重さゆみが、また2016年には℃-uteの矢島舞美やBerryz工房/カントリー・ガールズの嗣永桃子がそれぞれ25歳を控えたタイミングでグループから卒業しており、和田の卒業時期も、ちょうど彼女が25歳を迎える2019年の春となっている。

和田彩花は以前、ファン向けの会員限定メールで25歳という年齢について「人生を考えるとただの数字ではない」と表現していたことがあった。
これはハロプロのような女性アイドルに限らず、実は男性アイドルも少なからず意識してきた年齢である。
日本の男性アイドル史を紐解くと田原俊彦や少年隊、光GENJIのメンバーは、いずれも25歳を迎えるあたりで自身の変化を口にし、活動方針の変更やグループからの卒業を決めていた。
また近年のアイドル史においてとりわけエポックメイキングな存在となったSMAPも、それまで身近な生活や恋愛ソングを歌うことが多かった中、普遍的な人間愛がテーマの「世界に一つだけの花」をシングルリリースしたのは、最年少の香取慎吾がちょうど25歳を過ぎた時期だった。

彼ら彼女らの行動・発言を見るに、アイドルの25歳とは、限界ではなく「成熟」という言葉が的確なのだろうと思う。
そして今回のアンジュルム・和田彩花の「成熟」とは、最後のオリジナルメンバーであった自身が、約10年間慈しんできた大切な存在の手を、自ら放すことだった。

「新しい形を自分たちの手でみんなで作っていくことに意味があり、大切な経験となります。良い意味で私を忘れて、みんなで「アンジュルム」をつくってもらいたいです」
皆さまへ | 和田彩花オフィシャルブログ「あや著」Powered by Ameba)

そして、もうひとつ注目したいのは、卒業と同時に語られた彼女の今後の展望。
和田はグループを離れた今後について、「30代になったとき1人でステージで歌って踊っていることが次の目標です」「そして、できればアイドルで居たい」と語っている。
彼女が成熟とともにもうひとつ手を放したもの、それは他者が決めた限界なのだろうと、彼女のつづった卒業報告を読んでいて感じた。
「30代で」「アイドルでいたい」、これは言い換えれば「成熟からの」「創造」。

「ここから本当のスタートを切ることができます。自分の表現とはどういったものなのかワクワクします。
そして、みんながいろいろな事を抱えながらそれでもキラキラ輝けるように。たくさんの方に勇気を与える、いつでもそのとき輝く女性であり続けたいのです」
皆さまへ | 和田彩花オフィシャルブログ「あや著」Powered by Ameba

まだまだ女性アイドルに対する理解が進んでいるとはいいがたい現代の中で、25歳を迎える彼女はこれから、今度は自分だけの人生で、新しい作品を世界に映し出そうと考えているのだろう。
人々の心を震わせるものとは、いつの世も慣習の安息を手放し、非常識を常識にひっくり返す勇気を持ったものから生み出され、育まれていくもの。
そしてそれが、年齢や性別に関わらずしっかりと受け入れられる環境こそ、平成以降のアイドル文化にとっても、きっと本当の意味で「成熟」を迎える大きな鍵となる。


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