約3か月ぶりに現場レポです!
2016年5月3日に開催された、モーニング娘。'16の全国ツアー・北海道夜公演に参加してきました!
前回、前々回と使用してきた札幌のわくわくホリデーホールが現在設備工事により休館中*1ということもあり、今回は2014年春のEVOLUTIONツアー以来2年ぶりとなる、ニトリ文化ホールでの開催。
このニトリ文化ホールはキャパが2300、実はあの中野サンプラザ(キャパ2222)とほぼ同じ規模になっているんですが……海を隔てた地方会場という条件にも負けず!
沢山のファンが、もう一つの”ハロプロの聖地”にて、モーニング娘。のステージをしっかりと見届けました。
※細かい部分に触れるため、セトリネタバレがっつりあります。嫌な方はライブ参加後に読んでいただくことをオススメします!
* * *
一人で行ったモーニング娘。'16コンサートツアー春~EMOTION IN MOTION~
(1)鞘師里保が卒業した後も続いていく、モーニング娘。の物語
昨年の秋ツアーを最後に絶対的エースだった鞘師里保が卒業、12人となったモーニング娘。たち。
世代交代の始まった2011年以降、モーニング娘。は完全に鞘師を軸としたグループバランスになっていただけに、まさかのスピードで訪れた”鞘師卒業後のモーニング娘。”は一体どんな形になっているのか?
それは私だけでなく、きっと多くのモーニング娘。ファンが進行形で共有している大きな関心事だと思います。
……そこで鞘師の抜けたモーニング娘。が新ツアーのオープニングに選んだ一曲、『One・Two・Three (updated)』。
これ、ものすっごいシビれました。
しかも実際に目の前にいる新しいモーニング娘。が、物足りなさをまったく感じさせない。
よく卒業者が出ると「補うように他のメンバーが伸びる」という話が出ますけど、今のモーニング娘。の姿は補うというよりも、もともと同じメンバーとしていい仕事をしていた面子が責任と自信をもって前に出だした、そんなイメージ。
ちょっと古い話ですけども、今回のツアーのスタイル、個人的には2004年のThe BEST of Japanツアーのモーニング娘。に近いように感じてます。
このツアーの時は直前にやはり絶対的エースだった安倍なつみが卒業しているという状況で、在籍メンバーが1期飯田、2期矢口、4期石川吉澤辻加護、5期高橋小川紺野新垣、6期藤本亀井道重田中、計14人。
さらに付け加えると前年には長年歌の要だった保田圭も卒業しているため、やはりこの頃も「で、どうなるんだ??」という今に近い疑問符が沢山存在していたんですけど、いざ蓋を開けてみると、やっぱり”いい仕事をしていた面子が前に出た”、そんなライブだったんですよね(具体的に言うとそれまで後ろを支えていた矢口、高橋、藤本あたりがそのまま自然に脇を固める形で、グループが全体で前に出た)。*2
エースフィーチャー型のモーニング娘。だけをイメージしていると、こういう時はどうしてもネガティブイメージに接続されてしまいがちなんですが、実はそうじゃない時期もモーニング娘。ってすでにあったりしますし、さらにいえば私はこの2004年のThe BEST of Japanツアー、歴代でも上の方にランクインするくらいの好きなライブです。
かつてのモーニング娘。がそうだったように、12年後のモーニング娘。'16も、彼女たちなりの未来にちゃんと顔を向けている。
こうして彼女たちの物語は、止まることなくまだまだ続いていきます。
(2)そして今のモーニング娘。のライブ、ちょっと「〇〇っぽい」
あと今回のツアーで、そういったグループの系譜とはまったく異なるところで一つものすごく新鮮に感じたのが、ライブ中盤のメドレー内・ダンスパフォーマンス。
「ダンス」と書きましたが、実際はもっと「パフォーマンスショー」といった言葉の方が近いです。
帽子や照明を使った、モーニング娘。の12人によるパフォーマンスショー。
ああいうステージを少なくともモーニング娘。のコンサートで見るのは初めてで、しかも予想以上に全員がしっかりやってて、思わず普通に「かっけー!」とつぶやいてしまいました。
そしていきなりアイドルが挑戦しちゃったというよりは、彼女たちにはここ数年のフォーメーションダンスという下地があって、そこからの発展ということも理解できるので、なおさら純粋に面白いなぁと。
関係あるんだかないんだか、なんともまだ言葉にしにくいところなんですが、実はあれを見たときにもう一つものすごく思ったのが、なんか要所要所の演出とかが、ちょっとジャニーズぽいなと。
今回ステージに用いられているエレベーターもそうだし、そして上記のパフォーマンスとか、ちょっとジャニーズっぽい。
これ地味に90年代からSMAPとモーニング娘。のライブを同時進行で見てきて、初めて思った感想です。
ここにきて、まさかの初体験。「今のモーニング娘。のライブ、ちょっとジャニーズっぽい」。
SMAPは他グループに比べると濃度はまだ薄い方だろうと思うのですが、それでもやっぱり、”アイドルの歌と踊り”だけだったステージが、少しずつ”エンターテイメントショー”になっていく、そういうタイミングがあったわけです。
そのスイッチを押したのは、やはり活動年数。
年月を重ね、さらなる進化を追及すると、やはりその先にはショーアップという一つの扉があるわけで。
入れ替わりはあるものの、モーニング娘。というグループ自体は今18年目を迎えていて、歴代メンバーによって全体のレベルがどんどん引き上げられていきました。
歌が上手くなり、ダンスが上手くなり、いまやトークもアドリブでしっかり回せるグループになっている。
この今は2010年代のメンバーのスキルが突出しているというよりは、やはり進化の積み重ねがあってグループとして成り立った、そういう形での結果だと思います。
その上で、これからのモーニング娘。はさらに自らのアップデートを追及していかなければならない。
と考えたときに、このタイミングであの演出が取り入れられることは、結構しっくりもくる。
……まぁこの辺の未来図って、やっぱり入れ替わりのある環境だと簡単には続いていかなかったりするものですが、それでもこれからのモーニング娘。を想像した時に、このやり方はあんまり遠くもないのかなと。
あくまでも参考程度の感触ですが、この目新しさはちょっと覚えておこうと思いました。
* * *
羽賀朱音(12期)
現時点では最年少でグループの妹・あかねちん。でもこの子の本番はやはり、資質的に最年少を脱した後でしょう。
トークもそうだし、歌も実はだいぶ魅力的な大人声だったりするので、後輩が入り、17歳くらいになってきた時のあかねちんが今から楽しみ。
年齢がリンクしたタイミングで一気に存在感を放ちだすタイプの女の子かなと思います。秘蔵っ子。
牧野真莉愛(12期)
加入まもなく中3で迎えた2015年は内面の大人っぽさと子供っぽさ、それを出すバランスが結構極端な印象があったのですが、活動時間も蓄積され高1となった2016年は、かなりコントロールが効いてきました。
パフォーマンスはもちろんキャッチフレーズを作ったり客席をよく見ていたり、結構視野の広い子でもあるので、そこはこれからも大切に育んでほしいです。
野中美希(12期)
元々踊れない子ではなかったんですけど、一つ前のツアーと比べても、今段違いにダンスがよくなってます。映える!!
モーニング娘。としての経験が備わってきたところに鞘師の卒業もあり、結果野中のダンスが活きるようになってきた。
見てる人は絶対に見てるから、自分を信じて突き進んでください!
あと将来的にはぜひともライブの煽り担当に育ってほしい!
尾形春水(12期)
毎度、先輩たち顔負けのトークスキルを披露してくれるはーちん。彼女の関西弁のテンポはやっぱりハロー!全体でも貴重なので、そのまま意識してしっかり伸ばしてほしい!
あと最近思うんですけど、この子は一見陽気で、でも中身がすごく大人。
表情が”後輩”を脱したら、どうなるんだろう?
雰囲気のあるメンバーなので、ぜひそんな未来を見てみたい。
小田さくら(11期)
もはや圧倒的な存在感で、ライブステージの最前線に君臨しつつあるさくらちゃん。
当たり前なんだけどここに来て、常々似ていると言われてきた先輩の高橋愛ちゃんとは違う”歌姫”の姿になってきたのが、やっぱりモーニング娘。って面白いなぁと思います。
このままモーニング娘。として20歳を迎えた姿が、ぜひとも見たい!!
工藤遥(10期)
すっかりフロントメンバーの一人としてカウントされるようになってきたくどぅー。
どこかの曲のフォーメーションで工藤、佐藤、小田がトライアングルになってた瞬間があって、そこにはグループの新たな未来をものすごく感じさせられました。
やっぱり立場が人を作るという言葉そのまま、今のチャンスは必死に掴んでほしいと思います。未来がかかってる!!
佐藤優樹(10期)
今回のツアーでめちゃくちゃびっくりしたのは、あのまーちゃんに…色気が備わった!!!どっから持ってきたのそれ!!!ほんと驚いた!!!
5~8期の時代だとパフォーマンスに色気がプラスされてくるのって大体18歳前後だったんですけど、今の子はさらに早いから進化ってすごい……
この子の凄さは、そのまんま2010年代のモーニング娘。の凄さです。
そして北海道的には、「EMOTION IN MOTION」が5回目のまーちゃん単独凱旋公演!!
すっかり大人っぽくなってきたまーちゃんですが、ダブルアンコールの挨拶だけはずっと地続きのまーちゃんのままで、それを見ると毎回来てよかったなぁとしみじみ思います。
北海道公演は大人の彼女も、子供の彼女も、両方フルパワーで観れる場所。
石田亜佑美(10期)
長らくシンメであり、目標でもあった鞘師が抜けての初ツアー。
全員いろんな変化がある中で、もしかしたら一番変わったのは、やっぱりこの子なのかもしれません。
ダンスだけじゃなく歌もバシっと気持ちよく前に出てくるようになった。
成長とそれ以上の湧き上がる闘志で、ここに来てさらに存在感を増してきた。すでに去年の彼女とは全然違う。
飯窪春菜(10期 / サブリーダー)
道重さゆみの卒業以降、現在も唯一の成人メンバーとなっている彼女。
昨年はそこを意識した”大人担当”の表情が多かったですが、精神年齢が高めだった鞘師が抜けて全体的に少し幼さが舞い戻ったモーニング娘。'16の春ツアーでは、逆に彼女が幼さに寄ることで、現在のグループの黄金比みたいなものができてます。
何気に大きなピュアバランサー。
生田衣梨奈(9期 / サブリーダー)
サブリーダーになって、生田はほんっとに変わりました。それはグループ内の立ち位置だけでなく、パフォーマンスにおいても、前に出てくる勇気と後ろから支えるパワーを一気に身につけた。
例え後列にいても、過去のその意味と、今のその意味はまったく違います。もはやどこに置いても立派な戦力になれるメンバー。
そろそろフィーチャーシングルがあってもいいのでは?
譜久村聖(9期 / リーダー)
この子もリーダーになって本当に変わって、今やモーニング娘。の大事な屋台骨。
フクちゃんがいい所でバッと前に出てきた時、いつも「あぁ私、モーニング娘。見てるな」って心から思う!
品の良さと躍動的なその動きから得られる安心感、これは今何物にも代えがたいなと思います。
いつかミチシゲイレブンの続きでミズキングダムツアーを…!!
鈴木香音(9期)
9期メンバーの鈴木香音ちゃんを私が直接見れるのは、この北海道公演が最後になります。
一番最初に彼女のステージを見たのは2011年5月7日の中野サンプラザ。
この時はもちろんまだ北海道でモーニング娘。のライブが開催されるなど夢のまた夢で、でもプラチナ期が好きだった私はどうしても”その先のモーニング娘。”も見ておきたくて、東京までライブを観に行きました。
そしてその中でめちゃくちゃ印象深かったのが香音ちゃん。
オーディションのダンス審査でその先には伸びしろがあることを確信していて、でも当時の香音ちゃんはまだ思いっきり未経験のまま猛者のど真ん中に放り込まれたような状態で……
だからこそ、興味を持ちました。この子の成長こそが、これからのモーニング娘。の成長だと。
そして終演後には、この子と出会った今日のステージを忘れないようにと、日替わりを慌てて買いにいきました。
写真を見ると当時のワクワクを、今でも思い出せます。
あれから5年。
ファンタジーDXの時の想像とは少し違った形になった、”その先のモーニング娘。”。
9期で一番最初に鞘師が抜け、そこから続けて香音ちゃんが抜けていくということは、やっぱり寂しいです。
本当はもうちょっと、9期メンバーが4人で引っ張るモーニング娘。も見てみたかった。
だけど今回のツアーで特に「踊れ!モーニングカレー」と「泡沫サタデーナイト!」を歌っている香音ちゃんは本当に素晴らしくて、最高に輝いていて。
その迷いのない笑顔を見て、あぁ9期最年少のこの子がモーニング娘。として最後にちゃんと成長しきれたからこそ、グループは、そして9期の4人は、それぞれ新たなステージに進んでいくんだなとはっきり感じました。
香音ちゃんの”その先の夢”も、きっと叶いますように!
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