☆2014.8発売
☆スマイレージの17thシングル(両A面)
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スマイレージと北海道の縁についてはこちらで詳しく書いているので、ここではもう少し、歌そのものの話を。
「すすきの」という単語で最初に連想されるのは、やはり色っぽい歓楽街のイメージだと思うんですが…
でも実際の所、地元ですすきのは、あくまでも「繁華街の延長線上」。
そもそも百貨店やファッションビルの立ち並ぶ大通地区から徒歩10分以内の距離にあり、カラオケやゲームセンターもあるので、日中のすすきのは中高生も普通に歩いたり、遊んだりしています。
夜も、男性は確かにいわゆる”夜のお店”に消えていく場合も多いですが、同じくらい飲食店も多い場所なので、女性も飲み会やディナーなどでばんばん利用する。
そして地元民や”夜のお店”の客層以外、一般の旅行客にとってもすすきのは案外親和性のある街っぽく、先日も老舗のジンギスカン屋で一杯やっていた所、若いカップルがるるぶ片手に入店していました。
特に札幌周辺で晩御飯を考えると、遅い時間まで北海道らしさが味わえるという飲食店街はすすきのに絞られてくるので、
観光でも、例えそれが若い年代でも、普通に訪れる理由が決してないわけではなく。
…ここまでの前置きをもって何が書きたいかというと、
1 もしも『嗚呼 すすきの』の主人公が北海道出身の女の子だったら
『嗚呼 すすきの』のMVロケ地は茨城空港。
茨城発新千歳行は11時台と20時台がありますが、20時台発だとJR札幌駅に着いた時点で22時30分と、”女の子が一人”という状況ではちょっと説得力がないので、
たぶん主人公は11時台発の飛行機に飛び乗ったのでしょう。
13時前に新千歳へ着き、そこからJRで14時頃、札幌駅へ。
* * *
(飛行機に飛び乗れる金銭的余裕とスケジュール環境からの推測で)大学生である彼女は、高校まで住んでいた札幌に一人戻ってきた。
しかし恋人との今後が頭を占めており、実家や友達に連絡する事など考えもついていない。
久しぶりの地元。
離れるとファッションビルよりも見慣れていた景色の方が愛しく感じるもので、ふと札幌の駅前通を歩き出す。
道庁の前を通り、大通公園へ。
夏の大通公園は多くの人で賑わっている。ふと立ち止まる主人公。
周りには楽しそうな人たち。友達と、家族と、そして恋人たちの姿も。
「ああ なぜあんな事言ったの私」
意地を張っていた彼女は楽しそうな恋人たちの笑顔を見ていられず、さらに駅前通を進む。
気づけばすすきの。高校まで友達とよく遊びにきていた場所。
通っていた”すすきのマック”*1に入り、すすきの交差点を行き交う人たちを眺める。
思い返せば恋人から遠く離れた札幌。住み慣れた街。本当だったら私もこの中にいるはずだった。
だけど今の自分には新しい出会いがあった。きっとこの街にいたら出会えなかった人だった。
その時ある言葉が彼女の中で溢れ出す。
「嗚呼 すすきの 一人来たけど 寂しすぎる いい天気なのに」
2 もしも『嗚呼 すすきの』の主人公が(恋人との)北海道旅行の記憶を頼りにやってきた女の子だったら
未明まで恋人と喧嘩していた主人公は、意地になって茨城空港に。
とにかく遠い所へ行ってしまおうと、11時台発の茨城発新千歳行で北海道へ。
13時前に新千歳へ着き、そこからJRで14時頃、札幌駅に到着。
主人公が北海道行きの飛行機に乗った理由は、北海道旅行が2人にとって大切な思い出の1つになっていたからだった。
記憶を手繰り寄せながら歩き出す。
2人で写真を撮った道庁。付き合って初めて撮ったプリクラは札幌テレビ塔でのものだった。
その後時計台へ。あの時一緒にアイスを食べた、花畑牧場のカフェはもう無くなっている。*2
思い出を辿ると、気づけば2人でご飯を食べたすすきのまで来ていた。
ふと立ち止まる。思えばあの時は恋人が隣にいない日がくるなんて思ってもいなかった。
2度目の北海道。変わらずお店もこんなに賑やかで、人も多いのに、彼だけがいない。
住み慣れた地元と違う涼しい風が、急に主人公のそばを吹き抜ける。
その時ある言葉が彼女の中で溢れ出す。
「嗚呼 すすきの 一人来たけど 寂しすぎる いい天気なのに」
* * *
うん、ちょっと想像してみたんですけど、
やっぱこのシチュエーション、札幌駅や大通公園じゃダメだったと思うんですよ。
今の札幌駅だとまず洗練されすぎてて、離れた恋人に思いを馳せるにはちょっと地域色が薄い。
かといって大通公園だと天気のいい日はなおさら、切ないというより元気だとか幸せだとかの表情の方がよく似合うんです。
それを考えると、北海道で離れた恋人への愛情を思い返すには
やはり人が多くて、地域色も濃く反映されているすすきのが一番ピッタリくるんじゃないかと思った。
photo by MIKI Yoshihito (´・ω・)
サマーソングって聞くと、ポップでノリノリな曲が思い浮かびますが、、
「嗚呼すすきの」は、北海道の涼しさと曲の切なさの世界観が、マッチした新しいサマーソングなんだな。と思いました( 「すすきの」 / スマイレージ 和田彩花オフィシャルブログ)
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