小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった」

2013年のヒット曲にみる「これが日本の音楽業界の現状です」(コスプレで女やってますけど)


すっごいぜ!


私はアイドルファンですが、アイドルファンだからこそ、音楽作品の売上アップは自分にとって真剣な死活問題だと捉えております。
(売れなくなったらアイドルなんていつ解散引退にもってかれるかわからないから)



私が今年一番ズカーンと衝撃を受けたのは、ナタリー編集長・唐木元さんの、この言葉でした。

みんな中学校の教室を思い浮かべてほしいんだけど、たしかに光GENJIやおニャン子の話はみんなしてたよ、芸能だから。
でもギター持ってきて練習してたのはたぶん1人か2人でしょ。
休み時間にマンガ読んでる子だって教室に1人か2人。
昼休みに小説読んで過ごしてた子も1人か2人だよ。
そういう教室に1人か2人しかいないジャンルっていうのはニッチだし、僕らはその子に語りかけるメディアだから。
ゆえにニッチなジャンルは放物線を描けない。だから大きな資本が手を出さないんです。
商売になりづらいから。
(東京編集キュレーターズ:「ナタリーがニッチ分野で成長し続ける理由、唐木元さんに全部聞きました。」


アイドルファンなんだけど学生時代はずーっとバンドもやっていたという経緯もあり、「音楽はニッチなジャンル」という言葉に最初はかなりビックリした所があったのですが、何回か読み返すたびに、でも実感として確かにそうかもなぁって。

以前たにみやんさんの「音楽業界はどうヤバくてどうヤバくないかの話」*1などを読ませていただいた時に思ったのですが、なんで90年代にあれだけCDが売れてたのかって、もしかしたら単純に社会の中で音楽がアクセサリー的意味づけをされてただけだったのかなって。
んで00年代以降は単純に世間のアクセサリー的流行が、ネットや携帯(課金ゲー)に移っていった。
だからCDは売れなくなった。っていうか音楽が元々そうだったニッチの位置に戻った。
そういう事なのかなーって。
あくまでもまだぼんやりとしてる見解ですけど。

人は自分の生活に関係ない嗜好品には、金を出さない。
だから90年代までアクセサリー的流行としてCDを集めてただけの人は、youtubeを手にした時点で、嗜好に戻っていく音楽とだんだん距離が離れつつある。

そして若い子はなおさら、自分が今育っている世間の現状がそのまま音楽に対する物差しになりつつある。
「曲の音質がCDより悪くても、別に気にならない」
「CDを買う意味が分からない」

音楽業界の出すCDが死んでるのではなく、今までのやり方だともう生きてる事がこの子まで伝わってない。


ただ今って、それでもCD売上がピークだった時からさほど時間が経っていないから、過渡期でもあるけど、呼びかければまだ世間の人が振り返ってくれそうな道の途中でもあるんですよね。
そういう呼びかけの一つが、NHK教育における「亀田音楽専門学校」だったり「広瀬香美のボーカルレッスン」だったりなのかなぁと思ってるんですけど…


私もこのブログで女性アイドル楽曲に関して、楽曲レビューを毎週書いてるんですけど、それは趣味が半分と、もう半分は例え個人ブログでも、インターネットならもしかしたらどこかでCD売上に1枚でも繋げられるかもしれないっていうのがあって。
だから個人的には想定読者層はなるべく遠く、音楽雑誌を絶対読まなそうな人たちまでイメージを飛ばしながら *2「どうしたら興味のない人が1000円を1回出そうと思ってくれるか」、その辺から大きく外れないことを意識して書くようにしています。


そういう時代になっちゃったんだから、暗いと不平を言うよりも、もうすすんで模索するしかない。


<追記>
「アイドルばかり聴かないで」


アイドルばかり聴かないで

アイドルばかり聴かないで

  • アーティスト:Negicco
  • T-palette Records
Amazon


<今年読んだ他サイトの記事>
「ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった」のか(たにみやんアーカイブ)
「90年代みたいな夢はもう辿れない」横山健のシビアなシーン分析と、レーベルが目指すもの(Real Sound)
「音楽を売る」ということの先にあるもの(日々の音色とことば)
Youtubeにない曲は存在しないも同然~曲でお金をとる時代の終わり(BLOGOS)
個人の力で「iTMS総合1位」にまで上り詰めた「tofubeats」が楽曲を無料配信する狙いとは?(日経トレンディネット)

*1:後日追記:この記事の後、たにみやんアーカイブさんで「ふつうの人はCDなんてもう買わなくなった」のか、という分析記事が公開されました。リンクを記事下に追加しています。

*2:例えば平日の地方都市でスーパーに買い物きてるおじいちゃんとかおばさんとか