私はハロプロキッズ出身2グループの中では、どちらかというと℃-ute派です。
それまで幼すぎて深い興味を持てていなかったキッズのメンバーから
℃-uteが2006年5月に投下した「大きな愛でもてなして」に、脳天を直撃されました。
以降、モーニング娘。と同じくらい℃-uteを応援し続けていて、
だからこそここ最近、ずっと思ってる事があります。
「Berryz工房と℃-uteの差」
* * *
Berryz工房と℃-uteのメンバーはご存知の通り、同期生です。
芸歴もスキルも出発点は一緒であり、
本来なら同等に認められてもおかしくない2グループだと思います。
しかし、ここ数年の2グループにはハッキリと、大きな差があります。
著名人が公言する推しは圧倒的にベリ。
TV番組に出されるのもベリ。
ファンの空気が前向きなのもベリ。
℃-uteは売上こそ上回っているものの、
ベリに比べるとここ1年は完全に行き詰っている感がある。
実力がある、結束力もある、なのに外部に結びつかない。
周囲の空気は圧倒的に「Berryz工房」。
なぜ℃-uteの現状はそうなってしまったのか?
* * *
℃-uteは確かに下積みが長く、苦渋をなめてきました。
その苦労はまさに℃-uteの根幹であり、2006〜07の快進撃は、
まさにメンバーとファンの言わば「反骨精神」が生み出した結果だと思います。
そしてその反骨精神の真ん中には、「いつも鈴木愛理がいた。」
* * *
小さい頃からアップフロントミュージックスクールに通っていた彼女は、
人一倍ステージへの意識が強い女の子でした。
素人だらけのキッズオーデで一人、カメラ目腺でBOAを熱唱した時。
キッズ初の選抜ユニット「あぁ!」でセンターをはった時。
彼女は確かにギラついていた。ギラつきまくっていた。
そしてそれは℃-uteの初期にも確かにあった。*1
一番顕著なのは「都会っ子純情」でしょう。
センターで「その全部愛しい」と歌いきった後
「are you ready?」と問いかける鈴木愛理の表情は、
まさに℃-uteを知らない世間に対する宣戦布告のそれでした。
そしてその曲が、日本レコード大賞・最優秀新人賞をとったのはもはや説明不要。
だけど、本題はここから。
最優秀新人賞の直後、事務所は℃-uteの次のシングルで
「LALALA 幸せの歌」をリリースすると発表しました。
一番売り時のシングルに、すでに先の紅白歌合戦で、
しかもハロープロジェクト全体で歌ってしまったテーマ曲。
失策だなんだかんだと私たちはやりあいながら、
それ以降も事務所は定期的にCDリリースを発表し続け、それなりの露出をさせ、
℃-uteの時間は何気なくすぎていきました。
有原栞菜脱退、梅田えりかの卒業という衝撃もありましたが
その時も私たちは騒動に関してやりあい続け、スタッフはCDを作り、
その間も℃-uteの時間は何気なくすぎていきました。
そしていつしか5人の℃-uteが当たり前になり、今も何気ない時間の途中。
何気ないあまりに、見失っていたものがあります。
「鈴木愛理はいつから牙を抜いてしまったんだろう?」
* * *
上で「℃-uteの初期にもギラつきが…」と書きましたが、
実際映像作品などに関しては、
鈴木愛理は早い段階から余分な感情を隠せるアイドルでした。
だから今インディーズ時代のPVを見なおしてみても、愛理は普通にふにゃふにゃ微笑んでいるし、
「かわいらしく、素直に」というアイドルの基本を逸らす事をしていません。
でも鈴木愛理には確かに、選ばれしエリートゆえの熱いプライドがありました。
しかし私たちや事務所は周囲の騒がしさに気をとられるあまり、
一方で無意識に、鈴木愛理に「優等生」である事を求め続けた。
いや、もしかしたらメンバー自身ですらそうだったのかもしれない。
歌ができて、ダンスができて、天才で、騒がしい事をしない、
いわば「張りぼての優等生」。
そして私たちがよそ見をし続けている間に、
鈴木愛理はいつしか、あの情熱をどこかに置いてきてしまった。
「期待に応えて」
* * *
今℃-uteに漂っている何ともいいようがない閉塞感は、
ここに原因があるのではないでしょうか。
矢島舞美が、中島早貴が、岡井千聖が、萩原舞がいくらギラついていても、
それだけではグループには届かない。
鈴木愛理こそが℃-uteの反骨精神の象徴だったから。
それを考えると、色んなことが見えてくる。
あそこでSHOCK!をあてがわれた意味。*2
Danceでバコーン!が売れた理由。
Kiss me 愛してるでファンの結束力が高まったわけ。
全ては熱源が同じところにあった。
* * *
私は岡井千聖が前に出された時が、℃-uteの本気だと公言してきました。
それから数年、もう一つ生まれた確信があります。
「鈴木愛理が闘争心を取り戻した時、℃-uteは完成する」
そして私はもう一度、
そんな℃-uteを、応援したいんです。
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