小娘のつれづれ

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【無料】子どもでも大人でもない「若者」の誕生

※記事一覧:「アイドルの源流を探る」目次


さて、本題である。
まずは○○における調査データ(前章)にもう一度目を通すと、「若い男性で構成されたボーカルグループ」(ボーイバンド)「若者向け」「若い芸能人」(アイドル)とあるように、特にアイドルとボーイバンドにおいて、ジャンルの独自性を高めている共通の要素は「若者」の存在であることが解る。
いわば、このジャンルの源泉ともいえる若者たち。
ではそもそも、「若者」はいつ、一体どのように生まれていたのだろうか?

■第一章 アイドルの「出発点」(1880~1945)

子どもでも大人でもない「若者」の誕生

現代の私たちが認識している「若者」は今から150年ほど前を起点として共有されるようになった、比較的新しい概念である。
実のところ、18世紀頃までは明確な社会的目安がほぼなかったために、現代日本ならば未成年とされる18歳未満の者たちも当時は”小さな大人”、 大人と同じ労働力を有する者と見なされることがごく当たり前だった。
しかし時代が19世紀まで進み、近代国家が世界各地に構築され始めると、今度はその屋台骨である国民への教育が喫緊の課題となる。
その対応策として19世紀後半に登場したのが各国の近代義務教育制度であり 、義務教育というふるいにかけられた”小さな大人”たちはまずここで、「子ども」なる新たな社会的カテゴリーに分類されるようになった。

そして、社会に「子ども」が登場すると、今度はそれを受け入れる大人たちの中で当然「そもそも子どもとは一体何なのか?」という疑問が沸きあがる。
こうした流れを受けて、1880年代に心理学の分野では児童心理学が登場。
そして研究がある程度進んだ1904年、今度はアメリカの心理学者スタンレー・ホールが子どもよりもう少し上、10代特有の成長と変化に注目し、心理学書『青年期』を発表する。
いわゆる若者の発達を研究対象とする青年心理学は、このスタンレー・ホールの『青年期』とともに、その歴史の幕が上がっている。
つまり現代の私たちが認識している「子どもでも大人でもない者」=「若者」の概念も、実際にはこの1904年の『青年期』から、やっと社会的な拡散が始まるのである。


(この記事はここまでが全文の、実質的無料記事です)


参考文献:*1
note.com

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drifter-2181.hateblo.jp

*1:※編集の都合上、こちらのみ、noteリンクでの掲載にさせていただきます

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