公式発表から遅れること1時間後、お風呂上がってそろそろ寝ようとしていたところで、スマホにこのニュースの第一報が表示されているのに気づきました。
近頃のハロー!プロジェクト、決して何もなかったわけじゃなく、いろいろありましたけど、それでも私の中ではとびきりの衝撃です。
こぶしファクトリー、3・30解散https://t.co/fRx3SdHiIC
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) 2020年1月8日
#こぶしファクトリー
正直まだ心がぼーっとしていて、本能だけで今この文を打っています。
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こぶしファクトリーは、一言で「めちゃめちゃハロヲタ心がときめかされる」、そんなアイドルグループでした。
直接的な入り口は当時在籍していた小川麗奈ちゃんのビジュアルが超どストライクだった*1というところにあるのですが、その他にもうひとつ、大事な要素として彼女たちは「非常にハロプロらしい成長を見せてくれる」、そんなグループだったんです。
すごくわかりやすい例は2015年3月にインディーズシングルとして発売されていた「念には念」(後にアルバム「辛夷其ノ壱」に収録)と、そのたった半年後(2015年9月)にメジャーデビューシングルとして正式発売された「念には念(念入り Ver.)」の差でしょうか。
特にサビの野村みな美さんパートが特徴的なんですが、すっかりハロプロ=高い歌唱スキルが当たり前になってきていた2015年に、成長の行く先を繊細な歌い上げではなく”低音で重く効かせる”方面に向けたのがすごくグッとくるものがありました。
しかも当時はメンバーの多くがまだ中学生、という状態で。
こぶしファクトリー『念には念(念入りVer.)』(Magnolia Factory [Be Double Sure (with ”NEN” Ver.)]) (Promotion Edit)
そしてまた、続く2ndシングルの『押忍!こぶし魂』がほんと最高に良かったんです。面白かった。
『BoogieWonderland』(Earth,Wind&Fire)ごりごりで、衣装はメンバーカラー+ヒョウ柄の応援団で、なのに突然キャッチーに胸を突いてくる「時が経っても決して忘れないように この瞳でスクリーンショットしたい」のパワーワード。
(どっちが良いとかではなく)近しい姉妹グループといえるつばきファクトリーの、後に出たメジャーシングル作品と並べ比べてみると、8人こぶしの色はいかに明るく、振り切れていたかということを再認識します。
ちなみに『押忍!こぶし魂』のMVは好き過ぎて当時死ぬほど再生したし、なんなら今でもたまに見てます。
こぶしファクトリー『押忍!こぶし魂』(Magnolia Factory [Osu! Soul of Kobushi]) (Promotion Edit)
あとは結成1年ちょっと、中高生だけのグループで1stアルバム収録の『懸命ブルース』をモノにしようとしてたことは今からでも評価されていいと思うし、あと後にプッチベスト18に収録された『闇に抜け駆け』も良かったなぁ。
良かったんだよなぁ…
【アプカミ#94】27:10〜 懸命ブルース / こぶしファクトリー (Live at 柏パルーザ 2017/10/8)
ひなフェス2017 こぶしファクトリー 『闇に抜け駆け』
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2015年に結成された8人組アイドルグループ・こぶしファクトリーは、ハロプロのアイドルとして、あまりにも完璧なメンバー構成だったと思います。
スタート時の強度はもしかしたら同じく8人で始動していた、初期℃-ute以上だったかもしれないと思うほど。
しかし周知のとおり、8人組だったこぶしファクトリーはメンバーの相次ぐ脱退を経て、2018年からは5人組アイドルグループとしてリスタートすることになりました。
完璧な8人からわずか半年ほどで5人での活動、あまりの急展開に、当時も言葉見つからなかったけど、
やっぱり今もまだ結成2年、当時16~18歳だったメンバーの心情を想像すれば、一体なんと言ったらいいのか……
それでもアイドルとしての5人は、まるで「心配なんてしてくれるな」と言わんばかりに、いつも前向きで、ファンの気持ちを奮い立たせるような、そんな歌を懸命に歌っていました。
そんな彼女たちだからこそ、直後に提示されたアカペラという未知の挑戦にも、逃げずに取り組み、いつしか誰もが認める極上の武器にすることができたのだと思います。
こぶしファクトリー『これからだ!』(Magnolia Factory[Starts from now!])(Promotion Edit)
こぶしファクトリー『きっと私は』(Magnolia Factory[I must be…])(Promotion Edit)
正直。私はこぶしファクトリーはまだまだ、これからも5人で継続的な活動をしていくものだとばかり思っていました。
それはファンとして見てきたコンサートのステージ、つい先日行われたカウントダウンライブを通じても、そう信じて疑っていなかったし、
実は2019年の夏のハロコンで、一度だけご挨拶をさせていただく機会があったとき。
こぶしの5人が「自己紹介代わりに一曲披露させてください」って、見事なアカペラを披露してくれたのを見ているんです。
その光景はもうなんというか、とんでもなく「かっこよかった」の一言です。
だって本当は言葉だけで十分なのに、あえて「歌う」ことを選択するのは、瞬時に対応できる力量だけじゃなく自分たちの音楽活動への誇り、
そして細やかな努力の姿勢がメンバー全員で揃って共有できているっていう、何よりの証明であった気がして。
しかも、あの時こぶしのみんなが歴戦の大人たちの前で臆せず披露していたアカペラは、
メンバーが減って苦しい時期でも諦めずに応援してくれていたファンがいなきゃ、おそらく5人の中に存在できていなかったものでもあるんです。
見えないところでも、彼女たちはファンの応援を支えにして活動していました。
ステージへの応援は嘘や幻じゃなく、ちゃんと現実の力になり、彼女たちの歌声に重なっていました。
そして、そんなこぶしファクトリーの姿を目撃したからこそ、
あぁ5人の明日はこれからまだまだ新しく開けていくだろうな、大丈夫だよなって、思っていたんですが……
こぶしファクトリー《アカペラ》念には念(念入りVer.)
こぶしファクトリー『ハルウララ』(Magnolia Factory [Haru Urara-Beautiful Spring])(Promotion Edit)
いや、それでもやっぱりこぶしファクトリーは、ずっと前向きだった、で終わりたい。
どんな悩みや葛藤があっても、彼女たちは表でも裏でも決して陰りを見せることなく、優美で力強くあり続けてくれました。
アイドルとして輝き続けてくれたこと、その事への敬意は、やっぱり揺らがない。
(最後に:5人中4人が今後も芸能活動を続けるという予定の中、和田桜子ちゃんが芸能界から引退するというのは本当に本当に残念です。彼女のリズムセンスは現ハロプロの隠れた至宝だったと思います、心底惜しい、だからせめてラストステージまで、これからいっぱい見て聴いてあげてください)
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*1:小池さんの髪型と衣装が一番好き