小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「日本初のブラックアウト(大規模停電)体験談と備えておいてほしいもの」 #北海道胆振東部地震

地震直後から北海道在住の方々がそれぞれの被災記録を残しているのを見て、自分も落ち着いたら何か書き残そうと思っていたら、最初の揺れからすでに2週間近く経ってしまいました。
せっかくなのでここでは直後の被災記録とともに、その後全国ニュースではあまり触れられなくなった市民生活についても残しておきたいと思います。

1・夜中3時の強い揺れと停電

(2018年9月6日 午前3時7分)
ja.wikipedia.org

地震発生の1時間前にやっと就寝して寝入っていた私は、地震発生時、耳元のスマホから流れる爆音の緊急地震速報にあわてて飛び起きました。
間もなく強い揺れが始まり、ほぼ同時に廊下に出て電気をつけたのですが、家は揺れとほぼ同時に停電状態になりました。

北海道胆振東部地震・なぜブラックアウト(大規模停電)は起きたのか?

参考:「全道停電まで緊迫の18分間 泊原発への電力供給維持に手を尽くす?」(北海道新聞・2018.9.13)
参考:「北海道”ブラックアウト”の衝撃」(NHK・2018.9.13)
参考:「日本初の“ブラックアウト”、その時一体何が起きたのか」(資源エネルギー庁・2018.11.2)

・3時7分 最大震度7の激震
・3時8分 震度7を記録した厚真町内にある道内最大の火力発電所、苫東厚真火力発電所の2基に損傷が発生し、北海道における電源の4割が失われる
=一部地域で停電が発生するが、その分電力需要が減ったため、全体のブラックアウトまでにはまだ至らず

・3時11分 北海道の電気需給バランスが崩れたため、本州から最大量の電気(60万kw)を送電開始
・3時15分 先に停電した一部地域の中で、送電が再開される場所がでてくる
(※しかしこの間にも補助電源となるはずだった風力発電所が著しい周波数低下で、水力発電所が送電線の切断で、次々にストップしてしまう)

・3時25分 苫東厚真火力発電所で唯一運転の続いていた1基が、損傷深刻&電力の著しい周波数低下などに耐えきれず自動停止
 =北海道内の電力需要を大きく支えていた発電所が完全にストップしたため、電力供給の連携体制が崩壊→他の発電所も連鎖停止→本州からの送電も停止→全域停電に
 
※覚えておいてほしいこと
・災害によるブラックアウト時、停電は2段階~にわかれてやってくる

2・役立ったTwitterのアドバイス

(2018年9月6日 午前3時台)
幸い大きな被害のなかった我が家でしたが、地震発生とともに停電してしまったため、テレビで情報を得ることができません。
ただまだこの時は携帯の電波が生きていたため、スマホ経由(4G回線)のYahooニュースやTwitterで、震度や震源など最低限の情報は入手することができました。

そしてこの時点で、Twitterではすでに災害経験者によるアドバイスが発信され始めており、混乱の最中、実際に役立ったものがいくつかありました。
ここではその内容をご紹介しておきます。

「とりあえず水出るうちに水貯めとけ」

揺れと停電のパニックで水確保なんて正直頭からすっ飛んでしまっていたのですが、このツイートで思い出せたことにより、我が家はすぐに水の汲み置きができ、その後の自宅避難生活での安心感に繋がりました。
また地域水道自体は無事でも、特にマンションは(停電の影響により)くみ上げのポンプが止まってしまうことで、断水状態になるケースが多かったようです。
マンションにお住まいの方は万一に備え、普段から非常用の水の確保をしておいた方が良いかもしれません。

「通電火災を防ぐためにブレーカーは落としとけ」

このツイートはかなり早い段階で、ローカルテレビ局や市町村の公式アカウントから回ってきました。火災の被害が大きかった阪神淡路大震災の教訓からだと思われます。
ちなみに今回の北海道地震でも、復旧時に通電火災(未遂)と思われる出動はあったようです。
実際に電気復旧後、自宅の近所で消防車が大集合しているのを見ました。

【阪神淡路大震災から学ぶ】時間差が怖い「通電火災」とは - YouTube(ウェザーニュース)

「停電したら冷蔵庫はなるべく開けるな」

少し落ち着いた後、ラジオ経由で全域停電とわかった時点で気になったのが冷蔵庫の中身でした。
そして地震直後の時点で、すでに「冷蔵庫はなるべく開けるな」という投稿がシェアされ始めていたのを覚えています。

深夜の停電だったので、とりあえずその情報通りに冷蔵庫を開けないままにしておき、
日の出で部屋が明るくなってきた後はクーラーボックスを用意して、常温に戻っても大丈夫な飲料水だけをすぐに取り出し、またなるべく開けないように気を付けていました。
ガス調理ができたので食材を何度か取り出すことがあったものの、結果としては冷蔵庫をなるべく開けないことで【冷蔵は1日半】【冷凍は1日程度】ある程度低温のまま保存することができました。(※あくまでも我が家の場合です)

3・地震発生から1時間30分、その時コンビニは

(2018年9月6日 午前4~6時台)
日の出により周囲がうっすら明るくなり始めたのは、地震発生~停電から1時間30分ほど過ぎた頃。
家には普段から少しずつ買い置きしていた備蓄食料こそあったので、緊急的な買い出しの必要はありませんでしたが、家族に急遽仕事が入ったため、移動時の飲料水を確保するためにコンビニへ。
自分は買い物こそしなかったものの、店の様子が知りたかったので、一緒についていきました。

北海道ブラックアウト時の【各コンビニ営業情報まとめ&個人レポ】

(※並びは北海道内の店舗数順です)

<セイコーマート>
・停電時も9割以上の店舗が店を継続(※24時間営業ではないところも多いため、初動が比較的落ち着いてとれた可能性あり)
・以前から災害時の備えとして、車から電源を確保するためのマニュアル、また電気や通信回線がダメでも使える小型会計端末が全店舗に配置されていた
・ガスに被害がない場合はホットシェフ(店内調理施設)が運用できたため、温かい食品を販売する店舗もあった

参考:「<北海道地震>「セイコーマート」95%が営業できた理由は」(毎日新聞・2018.9.17)
参考:「「セコマ」に学ぶ防災力 伝説のコンビニが災害時のため備えていること」(AERA.dot・2022.7.16)

<セブンイレブン>
・非常用電源が全店に配置されており、停電しても2時間ほどはレジでの対応が可能なため、そのまま店を開けていたところが多い
・非常用電源が切れた後は店舗によって判断が異なるが、手計算で営業を継続するお店もあった

参考:「コンビニ/北海道地震の停電で、各社店舗も停電」(流通ニュース・2018.9.6)
参考:「停電時のサービス停止のお知らせ」(セブンイレブン公式HP)

<ローソン>
・停電時は安全確認のため、一時休業する店舗もあった(安全確認がとれた店舗から随時営業再開)
・停電時はレジが使用できなくなり、簡易端末での対応に
・北海道胆振東部地震の際は日中のみ営業、日没以降は休業する店舗もあった

参考:「ローソン/北海道地震で600店が停電、日没後は一時休業も」(流通ニュース・2018.9.6)
参考:「北海道で発生した地震への対応状況について」(ローソン公式HP・2018.9.6)

<ファミリーマート>
・停電時は店舗によって対応が分かれた模様(一時休業/営業継続)

参考:「コンビニ/北海道地震の停電から回復、復電店舗増加で営業再開」(流通ニュース・2018.9.7)
参考:「平成30年北海道胆振東部地震」への対応状況について」(ファミリーマート公式HP・2018.9.10)

<個人レポ>
自分が実際に見てきたのはセブンイレブン(通常24時間営業)とセイコーマート(早朝~夜営業)の2店舗ですが、停電から1時間30分後、朝4時30分の時点でも店舗には5~8人ほどの人の出入りがあり、時間が過ぎるにつれて、さらに客数は増加。
停電から4時間後、朝7時台には水やカップ麺などの常温保存可能な食料品が品薄になっていた他、冷蔵必須の生鮮食品系は衛生面への配慮から、すでに販売中止になっていました。

なお停電時は当然ですが、キャッシュレス決済・クレジットカード決済が基本使えなくなります。銀行ATMも動きません。
災害への備えという意味では、現金(なるべく小銭含む)も多少もっといた方が絶対にいいです。

参考:「キャッシュレス決済は停電で簡単に死ぬため、現金を持っておきましょうという経験者からのお話「現金は防災グッズ」」(togetter)

4・電車もバスも電波も止まってしまった街

(2018年9月6日 午前7時台~)
本来なら通勤・通学ラッシュであるこの時間。
しかし全域停電という状況の中では、当然会社や学校どころではありません。多くの人が自宅待機となり、信号の消えてしまった通りではすでに警察官による交通整理が始まっています。

北海道ブラックアウト時の【鉄道運行情報まとめ】

参考:「国土交通省 災害・防災情報「平成30年北海道胆振東部地震」」(以下全て同じ)
<JR北海道>
【当日】全線運休
【2日後】一部で運転再開
【3日後】多くの路線で運転再開(一部運休継続あり)

<札幌市営地下鉄>
【当日】全線運休
【2日後】午後から順次運転再開
【3日後】全て運転再開

<札幌市電>
【当日】全線運休
【2日後】午後から順次運転再開
【3日後】全て運転再開

※地震当日のニュース映像
道内はJR全線不通 空も欠航相次ぐ 交通機関混乱(18/09/06) - YouTube

北海道ブラックアウト時の【バス運行情報まとめ】

<路線バス系>
【当日】全線運休
【2日後】一部で運転再開
【3日後】被害の大きかった地域以外は全て運転再開

<高速バス系>
【当日】全線運休
【2日後】一部で運転再開
【3日後】全て運転再開

北海道ブラックアウト時の【高速道路情報まとめ】

<被災:1路線(震源に近い場所)>
【当日】通行止め
【3日後】通行可能に

<点検による通行止め:数路線>
【当日】午前中には順次通行可能に
※道道・市道では…土砂崩れや路面隆起、橋梁損傷など16区間が被災

北海道ブラックアウト時の【飛行機運航状況まとめ】

※強い揺れがあった地域の空港
<新千歳空港(震度6弱)>
【当日】閉鎖(ターミナルビルでの漏水発生など、旅客の安全確保ができなかったため)

<札幌丘珠空港(震度5弱)>
【当日】運行(滑走路に異常なし)
<函館空港(震度5弱)>
【当日】運行(滑走路に異常なし)

北海道ブラックアウト時の【フェリー運航情報まとめ】

<全路線>
【当日】平常運航(停電に見舞われたものの、非常発電やランプウェイ、自走式タラップ経由で乗下船が実施できたため)
※港湾では…苫小牧港で沈下や亀裂、室蘭港で出火、余市港で車両転落1件あり

ブラックアウトから数時間時の【スマホ電波レポ】

停電発生から数時間が経過した頃、一部地域では携帯が繋がりにくくなり、圏外になるユーザーがすでに出始めていました。
(停電が長引くと、基地局の非常用電源が順次切れていくため)

北海道のブラックアウトは早朝の発生だったことで多くの世帯が出社・登校できず、結果家に留まる形になりましたが、これが通勤・通学後であればもっと混乱が起きていたはず。
というわけで日中の携帯不通に備え、「普段から災害時の避難先の打ち合わせは必ずしておく」ことを強くオススメします。

5・本格的な買い出しの始まり、どこもかしこも長蛇の列

(2018年9月6日 午前8時台~)
電車やバスの運休による自宅待機の指示が大方行き渡ったであろう頃から、町では一斉にスーパーやドラッグストア、ホームセンター、家電量販店への本格的な買い出しが始まりました。
とはいえ全域が停電していた地震当日の午前は店内照明が使えないなどの事情もあり、多くのお店で入場制限・店外販売・手計算などの応急対応に。そこへ沢山の買い出し客が集まったことで、各地あっという間に長蛇の列が作られていきました。

我が家は普段から少しずつ買い置きしていたものがあったので、地震直後こそ買い出しには行きませんでしたが、それでも停電が長引くに連れ、備蓄不足を実感したものは結構あります。
ただでさえ不安が続く避難生活、心身の疲弊をなるべく防止するという意味でも、事前の備蓄充実はほんとに重要ということを学びました。

買っといてよかったもの(日中編)

水:何するにも必須
Amazonランキング:ミネラルウォーター
ごはんパック:湯せんで調理可能
Amazonランキング:ごはんパック
通常のお米:カセットコンロで調理可能
Amazonランキング:白米・胚芽米

※被災時の炊き方
「電子レンジ以外の調理方法」(サトウ食品)
「【震災から7年】非常時に役立つ「災害時のご飯の炊き方」4選」(クックパッド)

■クーラーボックス:停電時の必需品、インドア派はマイバッグとして普段使いもできる布製を
Amazonランキング:クーラーボックス
■カセットコンロ:一度災害が起きるとリアル店舗は当分品薄、ネット通販は高値になります(体験談)
Amazonランキング:カセットコンロ
■カセットボンベ:同上
Amazonランキング:アウトドア用ガス燃料

■モバイルバッテリー:今から買うなら大容量のものを
Amazonランキング:携帯電話・スマートフォン用モバイルバッテリー
■シガーソケット用・カーチャージャー:車ある人は必須レベル
Amazonランキング:シガーソケット用・カーチャージャー

■非常用トイレ:家族構成が2人以上の場合は必須レベル
Amazonランキング:仮設・簡易トイレ

※非常用トイレはポリ袋+新聞紙・オムツ・ペットシートでも代用品が製作可能です
「災害時のトイレをそなえよう! / 災害時に備えよう!」(東京ガス)

普段から”少し多めの買い置き”を心掛けたいもの

カップ麺・パスタ
Amazonランキング:麺類・パスタ
レトルト食品
Amazonランキング:レトルトカレー
Amazonランキング:レトルトシチュー
Amazonランキング:レトルトスープ・味噌汁
Amazonランキング:レトルトおかず

※被災時の作り方
「水でカップ麺が作れる!? 災害時に役立つ非常食の豆知識4選」(ウェザーニュース)

栄養補助スナック
Amazonランキング:栄養補助スナック
缶詰
Amazonランキング:缶詰・瓶詰
備蓄用保存パン
Amazonランキング:備蓄用保存パン
その他非常用食品
Amazonランキング:非常用食品

100均で買っておくだけで心の平穏が訪れるもの

■保冷剤:クーラーボックス用
■ウォータータンク:断水時の給水対策
■からだふきシート:断水でお風呂に入れない場合のボディケア用
■ドライシャンプー:断水でお風呂に入れない場合のヘアケア用
■アルコールティッシュ:断水時の衛生面のケア用

6・電気復旧ならず、そして日没

(2018年9月6日 午後2~5時台)
普段から使っているカーチャージャーでスマホの電池残量をときどき復活させながら、Twitterで情報収集をしていたところ、午後2時頃から「電気がついた」とのツイートがチラチラと増え始めました。
どうやらこのあたりで完全停止状態になっていた北海道内の発電所のうち、一部が再稼働し始めていたようです。(※地震発生から約11時間後)

それを見て我が家も淡い期待を秘めながらブレーカーを上げたものの、この時点では電気復旧ならず。
後で知ることになるのですが、電気の復旧はかなり細かい区域に分かれて行われているようで、家族・友人レベルで復旧が最も速かったのは近くに避難所と大きな病院がある家でした。

そしてTwitterごしの歓喜の声の中、復旧しないなぁと少し焦り始めた午後4時頃、スマホ経由でネットが見れていた我が家もついに接続激重に。
4G回線がアンテナ1本表示になり、YahooニュースやTwitterがほぼ繋がらなくなりました。
電話の際は自動的に3G回線に切り替わるため、なんとか受発信可能を継続していたのですが、
ここで家族が急遽仕事に行かねばならなくなり、日没を目前に急に一人(と飼い犬一匹)、家に取り残されることになります。

それまでは4G回線のスマホと車載テレビで情報収集が出来ていた私ですが、
4G回線が失われ、さらに仕事で車が出払ってしまうとテレビ(+USBカーチャージャー)も一気に無くなってしまうことに。
それでもこの時点では、懐中電灯やサイリウムがあるからなんとかなるさと、やっぱりどこか呑気に考えていたのです。

7・放り出されたブラックアウトの夜

(2018年9月6日 午後6時台~)
本格的な日没を迎え、真っ暗になった我が家と一帯。
生まれて初めてブラックアウトを経験し、思ったのは「ブラックアウトの夜=真っ暗な夜の森林に放り出された状態」なんだなぁということです。

The Bewitching Hour*1

灯りもなくお店すらやって無い状況、当たり前ですが外が暗くなると人の気配は消え、無音状態になります。
夕方からスマホはネットが激重で、緊急時の電話連絡にしか使えない状態。
それなのにこともあろうか私はラジオを欠き、手元にはとりあえずで買っていた数個の懐中電灯とサイリウムのみ。

結果から言うとブラックアウト(夜の長時間の停電)が実際に起きた場合、灯りと音の不足を軽視すると、たった一晩で簡単に精神は死にます(断言)。

災害じゃなくても過去に火災・落雷・事故・漏電・故障で大規模停電が起きた例はいくらでもあるので、「真っ暗な夜の森林に放り出された状態」に耐えられなさそうな人は、何事もないうちにちゃんと買いそろえておきましょう、自戒もこめて。

買っておけばよかったと心底思ったもの(夜編)

電池式のポータブルラジオ:radiko頼みになってる人ほど買いそびれる備え、停電すると詰む
Amazonランキング:ポータブルAM/FMラジオ
LEDランタン:乾電池で動く&最低でも200ルーメン~あると精神衛生上とても良いです
Amazonランキング:キャンプランタン
懐中電灯:最低でも家族の人数分、大事なのは大型か小型かではなく、LED+明るさ+連続使用時間です
Amazonランキング:懐中電灯
各種乾電池:なんにせよ絶対に備蓄しておきましょう
Amazonランキング:乾電池

※ちなみに懐中電灯+ペットボトルで簡易のランタンが作れます
「ペットボトルで簡単ランタン」(警視庁)
※なお近年ヲタクなら家に何かしら一つはあるペンライト、個人的使用感は公式ペンライト2~3本=暗めのランタン1個分でした。でもあって損は絶対にないです
参考:「ペンライトの電池持ち時間 - 色別の電流値測定結果レポート」(プロムナード/個人ブログ)

8・ただ復旧を待つだけの永遠

(2018年9月7日 午前4時台~)
あまりの心細さに、先に電気が復旧した親戚から急遽ラジオを貸してもらい、たった一つだけ鮮明に入ったFM局の音楽を聴くことでやっと眠ることができた、そんな夜明け。
地震初日の午後~地震翌日の朝にかけて、停電していた約295万戸のうち約146万戸(約5割)が電気復旧。
この頃になるとSNSやLINEでも「電気がついた」という報告がだいぶ届くようになっていましたが、我が家は残念ながらこの時点でも復旧していませんでした。
ガスと水道が使えるだけに、日中はまだ割と安心して過ごせるものの、ついに電気の戻らないまま夕方を迎えると「あぁもう一夜あの心細さに耐えねばならないのか……」とだんだんげんなりしてきます。

初日は元気に外を走り回っていた近所の子供たちも、2日目はすっかり表にでてこなくなりました。
地震初日の地域生活を支えたコンビニも、この頃になると在庫が枯渇したのか多くのお店が休業状態に。街全体の空気がどこか疲れだしてきます。

結局夜になっても電気は戻らず、しかも家族はやはり仕事のため、我が家は1人(と犬1匹)での2夜めの停電生活に突入。
ただ1夜めと決定的に違うのは、最初からラジオがあること、あと移動用に使っていたキンブレをこの日から部屋の固定ライトとして採用したこと。

音と明るささえ補えれば、こんなに気持ちは違うものなのかとビックリするくらい、気力が復活しました。
またこの日はラジオから流れてくる音楽が明るい歌詞のものばかりで、これも精神的にかなり助けられたところがあります(ちなみに自分はリクエストしたくてもできない状況だったので、電気復旧してる人や他県リスナーが心境先読みしてリクエストしてくれていたの、本当にありがたかった)。

全体的にはいまだ暗いままなので、ベットに寝転ってラジオを聞き、懐中電灯で照らしながら読書。
それでも時間を持て余し、時折窓を開けて外の様子を確認していると

地震から2日めの午後10時頃、近くの通りの街灯がついているのを確認!!
同時に携帯の電波も急に復活し、4G回線で再びいつも通りネットが見られるように。

数十メートル先のアパートはすでに室内灯が煌々と復活しており、それを見るだけでもめちゃくちゃ希望を感じることができました。

9・電気復活

(2018年9月8日 午前0時台~)
家族も仕事から帰宅し、再び車載テレビで情報を確認しながらそろそろ寝ようと階段を昇り降りしていた深夜0時頃、急に照明が一瞬バチッとつき、その数秒後、我が家もついに電気が復旧。

ちなみに9月8日朝(※地震発生から約48時間後)の時点で、停電していた約295万戸のうち約293万戸(約9割)が電気復旧。
ただ依然として電力供給は不安定な状況にあったため、地震発生から10日以上は全域で節電が必須となりました。

10・数日間のブラックアウト後、市民生活には一体どんな影響が出ていたのか

(2018年9月8日~)
大きな被害のなかった場所や人たちは、9割方電気が復旧した地震発生2日後から、表向きには通常通りの生活を送ることとなります。
しかし2日間に渡るブラックアウトというのは、その後も生活に長い影響をもたらすことになりました。
なぜかというと全域での長時間停電が起こった場合、生産も物流も、電気復旧まではほぼ全てが完全にストップするからです。
また生鮮食品や冷凍食品などは、品質が保てないために、早い段階で既存在庫が廃棄処分になってしまいます。

枯渇したもの/品薄が長引いたもの

【食料品&飲料水】
ブラックアウト発生から2日後の時点で、近所のスーパー・コンビニでは軒並み生鮮食品、乳製品、パン、お米、インスタント麺、冷凍食品、飲料水が枯渇しました。
その後さらに2~3日経つと少しずつ在庫は復活していきますが、品薄が長引いたのが牛乳・乳製品各種・ごはんパック・納豆
またブラックアウト発生からの2日間でほぼ店内在庫を売り切ってしまう形になるコンビニではレトルト食品も当分欠品したままになります。

【乾電池&モバイルバッテリー】
ブラックアウトから2週間近く経っても、いまだ街中の店舗では乾電池・モバイルバッテリーが品薄、もしくは購入に個数制限がかかる状態になっています。

11・最後に

私は正直、停電初日のトラウマで今も豆電球をつけ、ラジオを聴きながら寝る日々が続いています。
それでも今回の北海道地震の余震は夜中によく起こるので、めちゃくちゃ心臓に悪く、なかなかスッキリと気が晴れない日々がまだ続いています。

たった数日の停電のみでこれなら、避難所生活を送っている方は、どれだけ心細く、どれだけ疲れるのだろうと今回本当に思いました。

記事の最後になりますが、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震も含め、それぞれの地域の災害復興には多くの支援が必要です。
余裕のある方、備えが済んでいる方はぜひ、募金やふるさと納税へのご協力をお願いします。

☆ふるさと納税で災害支援|ふるさと納税サイト ・ふるさとチョイス
www.furusato-tax.jp
☆日本赤十字社オフィシャルサイト「緊急救援・被災者支援」
www.jrc.or.jp
☆公益財団法人子ども未来支援財団オフィシャルサイト(旧名:東日本大震災復興支援財団)
minnade-ganbaro.jp

*1:イメージ