小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「”5人の仲間”とともに。V6・岡田准一がアイドルであり続けることの誇り」

2015年8月22~23日に日本テレビ系列で放送された24時間テレビ。
番組の中で、メインパーソナリティを務めたV6・岡田准一さんのこんな印象的な言葉がありました。

「僕が役を演じることで、僕が5人の仲間と歌うことで、その仕事は誰かの心に届いているでしょうか?」

 (岡田准一 / 日本テレビ「24時間テレビ」 / 2015.8.23)


これは岡田さんが2014年に亡くなった俳優・高倉健さんに向けて書いた手紙の一節。


http://www.flickr.com/photos/84713287@N00/3469305764
photo by LucasTheExperience


近年は俳優としての活躍が目覚ましい岡田さん。2014年にNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で初の主演に選ばれ、そして2015年には第38回・日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞も受賞するなど、日本を代表する俳優としてその名が挙げられることもかなり増えてきています。
実は成長とともに役者業にも目覚めていく中で、”アイドル”という自分の肩書に戸惑いを感じる時期もあったことを過去に告白している岡田さん。
しかし時が経ち、彼はかつて自分を気にかけ、人づてに自分へのメッセージも託してくれたという天国の高倉さんに向け、その足跡を辿る旅で得た発見も元に、こんな自身の思いを伝えていました。

「健さんによって思いを繋がれた、沢山の人たちに会う事ができました。その方々は、様々な境遇、様々な仕事を持った人たち…そして知りました。」
「どんな仕事でも、どんな使命でも、そこに人を思う心があればその仕事は誰かの心に必ず届く」

 (岡田准一 / 日本テレビ「24時間テレビ」 / 2015.8.23)


「アイドルであることに誇りを持ってくれ」20年の葛藤とそこで得た”強さ”

2015年に発売された雑誌のインタビューの中で、岡田さんは自身が所属し今年がデビュー20周年となるアイドルグループ「V6」との歩みを振り返り、こんな話を打ち明けています。

「メンバーから”アイドルであることに誇りを持ってくれ”と言われたこともありました」

 (岡田准一 / anan / 2015年8/5号)

後に明かされたそのメンバーとは、三宅健さん。
V6結成時はまだ14歳、それからの20年の中ではグループに対しての”反抗期”もあったという岡田さん。
事務所に入って1年も経たないうちにデビューが決まり、何もわからないままにスタートしたグループ最年少の彼の成長を誰よりも近くで見守ってきたのもまた、グループの仲間たちでした。

「(デビューから今までの中で一番変化したなと思うメンバーは)やっぱり岡田じゃないですかね。変化というか何も知らないところから入って、吸収力が凄かった」

 (坂本昌行 / 日本テレビ「LIVE MONSTER」 / 2014.10.19)

「あれだけ主演張っててさ、大河もそうだしさ、映画もそうだしさ、大きい作品がきてさ、全部乗っかるわけじゃん。全部数字(視聴率)とかも言われるわけじゃない。すごいプレッシャーだよね」

 (長野博 / NHK「SONGS V6~僕らが歩んだ20年~」 / 2015.8.1)


24時間テレビで岡田さんが手紙を読む前、番組のVTRでは、生前の高倉健さんが岡田さんを「最近気骨のある俳優が出てきて嬉しい」と評していたことが明かされます。
思いがけずその事実を知り、目を潤ませる岡田さん。
しかし彼がその言葉に出会えたのも、やはり沢山の人の支えがあってこそでした。
家族、スタッフ、観客、一人一人が大切に演者へ繋ぎ、注ぎ込んできたその思い、

そして俳優・岡田准一の人生にとっては、かつての名優たちもそうであったように、肩書こそ違えど確かに”仲間と歩んできた時間”もまた、存在していたのです。

「(日本アカデミー賞の)この場所に立てる岡田というのは誇りに思います」

 (井ノ原快彦 / 第38回日本アカデミー賞の受賞が決まった岡田准一へ送ったメール / 2015.2.27)

「俺はね、想像できないから、その岡田が背負ってるものとか…だから大変だなと思うけど、こうやって集まってるときくらいは、何も考えずに笑っててほしい」

 (森田剛 / NHK「SONGS V6~僕らが歩んだ20年~」 / 2015.8.1)

「小さい頃から母親に「あなたは男だからこれから家族を作っていくんだ」ってすごい言われて、(14歳で上京して)メンバーに会って2年3年ぐらいは、坂本くん”お父さん”で、長野くん”お母さん”とか、なんかずっと家族とダブらせて、「あぁこれが東京に来て新しく作る家族なのかな」みたいな…感覚があったんだけど、途中からやっぱ「それは違うんだ」って自分で思い始めました。

 V6っていうのはやっぱり…変な言い方をしたら他人です。やっぱり何かを生みだしたり作っていかなきゃいけない。

 でも何かで”死ぬ時に自分の名前を5人覚えてくれてたらそれだけで生きてきた価値がある”っていう本を読んで、「もしかしたら俺ってもう”5人”いるんじゃないかな」

 僕にとってはメンバーだったりV6っていうのは、大切で大きい存在です」

 (岡田准一 / TBS「学校へ行こう!MAX」 / 2005.11.1)


第38回・日本アカデミー賞の受賞スピーチで、岡田さんは第1回の受賞者でもある高倉健さんについて「人が人を思うことの大切さを伝えてくれた」と話しています。
「人が人を思うことの大切さ」。その意味が肩書ではなくその人の在り方に存在しているものだとすれば、岡田准一の生き方が伝えるべき使命は「役を演じること」、そして「仲間とともに歩み続けること」

だからこそ岡田さんは手紙を通じ改めて自分の生き方を、託され次に伝えるべきその”心”を、高倉さんに報告したのではないでしょうか。

高倉さんに「勉強して来なさい」と託された昭和の名優・志村喬さんの役者としての在り方にも触れる中で、岡田さんはふと、こうもつぶやいていました。

 「本当に強い人は、優しい」

 (岡田准一 / 日本テレビ「24時間テレビ」 / 2015.8.23)


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