「6-4 日本/テレビと若者特有の欲求が導いた「歌って踊れるコーラスグループ」への拡張」を公開しました。
ここまでの直近2回(6-2~6-3)がだいぶハイカロリーだったこと、またそれらの記事に合わせた切り取り方で発生した文章量の差も考慮した結果、今回に関しては無料公開記事とさせていただきました。
(※ただアイドル史単位では、地味にすごく重要な部分でもあったりする)
クール・キャッツやシャープ・ホークスについては、後々の更新でまた触れる部分もありますが……
とりあえず、この2グループを「歌って踊れるコーラスグループ」のくくりで紹介してくれる現代の記事はあんまりない、
特にネット検索じゃほとんど存在してない、というわけで、本文中で触れられそうにない詳細情報について、先にここで補足しておきたいと思います。
クール・キャッツ
当時の芸能誌によれば、グループ結成は1963年3月。
結成理由は「ウエスト・サイド物語」の影響となっていて、また将来の目標に関しても複数の記事で「ミュージカル出演」と語っているなど、その骨格は初代ジャニーズとほぼ同じになっています。
ただし初代ジャニーズとの最大の違いは、クール・キャッツは「タップダンス」を売りにしていたことでした。
(この点に関して、『週刊明星』昭和40年3月7日号には「同じコーラスのグループでも”ジャニーズを動とすればクールは静”」との紹介あり)
ちなみにライバル関係の初代ジャニーズとクール・キャッツですが、実は双方のレコードデビュー間もない1964年には、ミュージカル仕立ての音楽バラエティ番組「明日があるさ」(日本テレビ系)で共演をしていました。
その年の『平凡』には2グループが全員参加の貴重な”座談会”記事も掲載されています。
シャープ・ホークス
結成間もないシャープ・ホークスが初めて『週刊明星』に登場するのはやはり1963年6月頃。
こちらは「歌って踊れる」に加えて「メンバーが全員ハーフ」であることをアピールポイントとしていて、また結成時は男性4人+女性1人の男女混合グループでした(後に女性メンバーが抜けて男性グループに)。
当時の雑誌紹介文にある”日本人離れした風貌”という言葉通り、Gパンをかっこよく履きこなしながら歌い踊る姿は、やはり同時代の青少年コーラスグループとは少し異なる独特の野性味を感じさせるものでした。
ちなみにこのシャープ・ホークスでレコードデビューを果たしていたのが、あの安岡力也さんです。
(以降はまた本文で)
参考文献
『週刊平凡』1964年6月11日号/『週刊明星』1965年3月7日号/『平凡』1964年12月5日号/『週刊明星』1963年6月9日号
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