小娘のつれづれ

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「アンジュルムの「打倒モー娘。」発言に見る20年目のハロー!プロジェクト」

数々の人気アイドルを輩出し、近年もバラエティ進出や再評価による追い風でますます勢いを増しながら、2018年にはついに誕生20周年を迎えようとしている、女性アイドルの名門・ハロー!プロジェクト。

そんな記念すべきビッグイヤーを前に現在、ある2グループが激しい”トップ争い”を繰り広げていることをご存知でしょうか。

  • ハロー!プロジェクトのマザーシップ・モーニング娘。

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1997年のグループ結成からハロプロの顔として、20年に渡り女性アイドルシーンの第一線で活躍し続けているモーニング娘。。2014年からはグループ名末尾に年表記が追加され、現在はモーニング娘。'16として活動しています。

一時はメディア露出の減少によりなかなか新規ファンを獲得できず、苦しい時期が続きましたが、その間にパフォーマンススキルが飛躍的に向上。またそこから多人数グループであるメリットを生かしたフォーメーションダンスも生み出し、ハロー!プロジェクト全体の再活性化にも貢献しました。
安倍なつみや後藤真希、最近では高橋愛や道重さゆみといった数々のレジェンドからの途切れぬ遺伝子をウリに、現在もハロー!プロジェクトの揺るがぬ代表選手であり続けています。

  • 泡沫サタデーナイト!(2016)


  • 苦労人の大器晩成型アイドル・アンジュルム

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そんなモーニング娘。一強時代のハロー!プロジェクトに今、大きな風穴を開けようと挑みはじめているのが、結成7年目のアイドルグループアンジュルム。元々は2009年にスマイレージの名前で誕生、メンバー構成等の大幅な変更に伴い、2014年に現グループ名へと改名しました。

デビュー時には日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞するなど大きな注目を集めながらも、オリジナルメンバーの相次ぐ卒業などに次第に苦戦を強いられ、一時はホールツアーが開催不可能になるほどのドン底を経験。
しかし改名と卒業加入システムの導入をきっかけにグループを取り巻く雰囲気が一変、特に再デビュー曲となった『大器晩成』は大きな話題となり、そこから人気が大幅アップ。現在では数度の日本武道館公演を成功させるなど、明日のハロー!プロジェクトを担う期待の一番手グループとしてその存在感を日々強めてきています。

  • 上手く言えない(2016)


  • ハロー!プロジェクトにおける両者の”目指すもの”の中身


この2グループの「競争構造」を考える上で押さえておきたいのは、アイドルとしての軸がそれぞれどこにあるかという事。
実はアンジュルムにはもともと歴代モーニング娘。に憧れを抱いていたメンバーが多く在籍しており、特に2007年~2010年頃のプラチナ期(高橋愛をリーダーとし、グループ史上最長の同一メンバー構成によってパフォーマンスのレベルが急激に上がった時代)は、リーダーの和田彩花が「尊敬する目標でありライバル」と公言するほどグループに大きな影響を与え続けています。

実際に改名以降のアンジュルムも9人体制だったプラチナ期と並走するかのようにずっと同じ人数構成を崩さず、なおかつ現ハロプロでは”もっともアグレッシブな楽曲とライブパフォーマンス”、まさにプラチナ期のモーニング娘。を想起させるようなスタイルを、基本姿勢として据える形になってきました。


  • リゾナント ブルー(モーニング娘。/2008)

  • 次々続々(アンジュルム / 2016)


その一方で、ではプラチナ期の直系に当たる現モーニング娘。は一体どこに視線を向けているのかというと、彼女たちが目指すのは”プラチナ期のその先”。
現在モーニング娘。に所属している11人のメンバーは全員が前リーダー・道重さゆみと活動を共にしていますが、プラチナ期のモーニング娘。メンバーで、さらに最後の現役メンバーにもなった道重が後輩たちと追及し続けていたのは「今あるべきモーニング娘。の姿」でした。
これはレベルアップしていくステージパフォーマンスの一方で、知名度の高い初期モーニング娘。の影響力にずっと翻弄され続けたプラチナ期の苦しみを知る道重ならではの着想です。

そして歴史を受け継ぐ故の”進化”がいわば宿命ともなっているモーニング娘。にとって、それはグループがこれからも走り続ける上での絶対目標でもあり、実際にプラチナ期以後のモーニング娘。は決して前時代を踏襲するのではなく、常にその時その時の新しいグループ像を表現することに心を砕いてきています。

  • The Vision(モーニング娘。/2016)


  • セクシーキャットの演説(モーニング娘。/2016)


  • 「打倒モー娘。」に見る20年目のハロー!プロジェクトとは


最近のCDリリースイベントにおいてついにアンジュルムが「打倒モー娘。」の目標をブチあげたことは、各所で大きな反響を生みました。


「これをチャンスとして私たちがハロプロを引っ張って、ハロプロで1番になりたい」

新体制アンジュルム、打倒モー娘。宣言「ハロプロで1番に」 | ORICON NEWS


刺激的な発言のその先にあるものは、ずばり20周年を迎えようとしているハロー!プロジェクトに再び訪れる大変革です。
前代未聞の長期事業となりつつあるハロー!プロジェクトにおいてまず最初に訪れた衝撃は、90年代の発足以来ずっと序列一番手の先輩グループであり続けていたモーニング娘。が卒業加入の入れ替わりにより、2014年をもってついにBerryz工房(2004年結成)℃-ute(2005年結成)の実質的な後輩グループへとその立ち位置を変えたことでした。

ある意味聖域でもあったモーニング娘。の初のポジションチェンジはこの時、モーニング娘。にとっても他のグループにとっても、今までになかった新たなチャンスを生み出しています。例をあげると若返った形のモーニング娘。はメンバーの活動年数と実年齢に見合ったフレッシュさを、また全員が成人に達したBerryz工房や℃-uteは、ハロー!プロジェクトの最年長グループであるという成長の証を見事に活動へフィードバックし、ハロプロの長い歴史に新たな1ページを刻みました。

  • 永久の歌(Berryz工房/2014)

  • 夢幻クライマックス(℃-ute/2016)


そして2002年にハロー!プロジェクトキッズとして加入し初期のモーニング娘。や松浦亜弥などからバトンを引き継いだ、ある意味”ハロプロ第二世代”の象徴だったBerryz工房と℃-uteが、2017年6月の℃-ute解散をもって続くようにグループの歴史を自ら閉じようとしている今、20年目のハロー!プロジェクトを支えるものこそ”次の世代”の競争なのです。

℃-uteが抜けるとCD売上的にもハロプロ内の一、二番手となるモーニング娘。とアンジュルム、しかもアンジュルムのリーダー・和田彩花に関してはモーニング娘。の現リーダー・譜久村聖よりもハロプロ在籍期間が長いという逆転現象が生まれている状況で、アンジュルムはハロプロの歴史が築いた”実力”で、モーニング娘。はハロプロの歴史が築いた”進化”で、それぞれテッペンを取りに行く。
そこにはきっと今までの20年をもってしても誰も実現することのなかった、新たなハロー!プロジェクトの可能性が確かに広がっているはずです。


少し勢いが落ち着きつつある女性アイドルシーンですが、ハロー!プロジェクトにおいては今後も激しい切磋琢磨が機能していく見込みがあるだけでなく、さらにモーニング娘。やアンジュルムの後にも、これから初の日本武道館公演を行うJuice=Juice、嗣永桃子をプレイングマネージャーとするカントリー・ガールズ、ハロプロ研修生出身の実力派メンバーが多数在籍しているこぶしファクトリー、そして来年メジャーデビューの決まったつばきファクトリーなどが、しっかりとその実力を蓄えています。

前人未到のハロー!プロジェクト20周年を、一番輝かしい光で彩るのは果たしてどのグループなのか?
その歴史の証人となるのは、もしかするとあなたかもしれません。


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