小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「こういうタッグが何気に次の時代を作るかも?チャオ ベッラ チンクエッティ『どうしよう、わたし』」

☆2016.1発売
☆チャオ ベッラ チンクエッティ(旧名:THE ポッシボー)の改名後第二弾シングル
* * *

すごい。こんな日ってやってくるんだな…

とついつい感慨深くなってしまうのは今作が、10年前にハロプロエッグから出発したチャオ ベッラ チンクエッティ(旧名:THE ポッシボー)が4人で初めてリリースするシングルであり、しかもその作詞をエッグ同期生の福田花音(元アンジュルム)が手がけているから。
そして作・編曲はBerryz工房「あなたなしでは生きてゆけない」やスマイレージ「あすはデートなのに、今すぐ声が聞きたい」など数々のハロプロ楽曲に携わってきた、AKIRAさんです。

作詞家・福田花音にとってはこれが2作めの作品発表となりますが*1、今作はもうノッケから、くすぐったくなるくらいの女の子世界。
「君と話す 顔が熱い」「本当に君は気付いてないの?まじなの?」などの純な内面をこれでもかというほどにバンバン積み上げていき、それを「モヤモヤする」という若者感覚で一気に片づける。
しかもよく聴いていくと友達以上恋人未満チックな展開を繰り広げるこの2人は最後に幼馴染ということが判明するんです。
「一線越える」という重さと「幼馴染」というピュアさ、これの共存は案外難しい。
でも絶妙な位置関係で一つの世界に盛り込んだところが、作詞家・福田花音の面白いとこだなぁと。

そしてこれを酸いも甘いも噛み分けてきた、10年選手の熟練アイドル・チャオ ベッラ チンクエッティが表現するからまたニクい。
たぶん年齢的にも実際のチャオベラはもう少し大人の女性の感覚を持ち出していて、だけど彼女たちは不変の”アイドル”でもあって、そういう立ち位置の女性4人が同性の綴った「友達関係」の「刺激」を歌い上げる、このチョイスから生まれる豊かさたるや、という。

つまり何が言いたいかと申しますと、今の女性アイドルシーンって同性ファンが見聞きしてて意外なほど「女性が作り女性が表現する女性の歌」がドロップされてないなって。
いやほんとはちょこちょこあるんだけど、女性の感情をバンッと射抜く表現世界はいつもアルバム収録だったり、隠れた名曲扱いになっていたりする。
しかも演者と同年代の感覚を引き合わせることはなおさら、本当は凄いものを生みだす可能性があるのに、なかなか気づかれていない。

だからこの曲、興味深いんだよなぁ。こういうタッグが何気に次の時代を作るんじゃないかと思います、わたし(30代女性)。


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*1:デビュー作はアンジュルム在籍時に自身のソロ曲として発表した「わたし」