小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「アイドルジャンルのマルチプレイヤーという可能性を夢見て。福田花音『わたし』」

☆2015.11発売
☆アンジュルムの20thシングル(トリプルA面)
* * *

さて、2015年11月リリースのアンジュルムの20thシングル、最後にご紹介する収録曲はタイトル「わたし」。
こちらはこのシングルをもってグループを卒業するアンジュルム福田花音の卒業ソング、そして同時にこれから本格的に活動が始まっていく作詞家福田花音にとっては、記念すべきデビュー作にもなっています。

月並みな感想で申し訳ないのですが、純粋に作詞家・福田花音の才能は羨ましい。
文章にもいろんな切り口がありますけど、歌詞の場合は性質的に込めすぎてもダメだし引きすぎてもダメで、この子はその配分をきっと感覚でやりのけられる天性の器用さが備わってるんだと思います。
デビュー作「わたし」の歌詞も等身大のことばの中にアーティスト(この場合はアイドル)に表現させたい世界観や一人の人間として表現したいメッセージがちゃんと客観的な目線の元で散りばめられていて、作品として心地良さを感じさせる。…これ、絶対万人ができうるものではないんだよなぁ。

あとこの子が今後の作詞活動においても強いなと思わせてくれるのは、アイドルとして育ったその感性だけでなく、自身がしっかり歌えるし踊れるんですよね。
同事務所にやはり自ら歌って踊って楽器も弾ける「森高千里」という偉大な先人がいらっしゃいますけど、森高さんはアーティストとしてのマルチプレイヤーで、福田花音はアイドルがぐっと身近になった21世紀の始まりにアイドルジャンルのマルチプレイヤーになるのかなとか、結構すごい可能性に踏み出してるという見方もできる。

アイドルとしても器用な名パフォーマーだったので、演者としてのステージが今後なかなか見られなくなるというのはやはり惜しい気持ちもありますが、でもいずれ後輩が彼女の作詞曲を歌うことが実現して、それを観客席から作家として見ている福田花音の姿があったなら、それはそれで夢のある未来だなってファンとしても思えます。

肩書きが変わって環境が変わっても、アイドル福田花音を応援していた沢山の人たちがいたこと、そしてこれからの福田花音の幸せな人生を自分のことのように祈ってる沢山の人たちがいることを、きっと忘れないでね。

卒業おめでとう!


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