小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「一人で行ったモーニング娘。'15 コンサートツアー秋 ~ PRISM ~@札幌」

2015年10月24日、わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)にて開催されたモーニング娘。’15の全国ツアー・北海道公演に参加してきました!

2011年に北海道出身の佐藤優樹ちゃんが加入したことで6年ぶりに復活したモーニング娘。の全国ツアー・北海道公演ですが、考えてみると2013年は秋ツアーのみ、2014年は春ツアーのみという開催状況でした。
「1年分のライブツアーを地元北海道の開催分だけで語れるような環境っていつぶりに起きたことなんだろう?」と思いちょっと調べてみたところ…なんとグループが年2回の春秋ツアーを行うようになった2004年以降、初めての出来事だったということが判明。*1
2公演通して満員の客席、男性だけでなく女性や小さい子供も沢山参加して楽しんでいた今回のライブでしたが、メンバーやファンが見たあの光景って、実はグループが初めて見た新しい歴史だったんだなっていうことを、今ゆっくりと噛みしめています。

※今回は思うところがあって、先に今回のライブ内容について書き、その次にここ最近の活動状況もひっくるめたメンバーごとの感想なんかを書いていきます
※細かい部分にも触れるため、セトリネタバレがっつりあります。嫌な方はライブ参加後に読んでいただくことをオススメします!

【一人で見たモーニング娘。'15 コンサートツアー秋 ~ PRISM】

モーニング娘。'15 コンサートツアー2015秋~ PRISM ~ [Blu-ray]

(1)あえて”全部乗せ”で今の13人を楽しんでもらう「PRISM」

今年の春ツアー「GRADATION」は前リーダー・道重さゆみが卒業して初めて、そして12期を迎えた体制としても初めてのコンサートツアーだったので、個々の特色を知ってもらうこと、見つけてもらうことが主軸にあったんじゃないかと思います。
そのイメージに比べると今回の秋ツアー「PRISM」は全体曲がとにかく多いイメージ。

具体的に書き分けると、楽曲ごとにメンバーを選抜することでわかりやすく個性を提示してた「GRADATION」に対して、「PRISM」はあえて13人全員をステージに乗っけて、同時多発的な個性の化学反応を自由にお客さんに見出してもらうっぽいシステムになってるんですよね。
メンバーを区切るのではなく、あえてそのまま6-7のフォーメーションとか、6-6-1のフォーメーションとか、はたまた3-3-3-4のフォーメーションとか…良さでもあり悩みどころでもある13人という人数の多さを、モーニング娘。'15は今回”多面体”という表現で面白い個性の切り出し方にスライドさせてるんです。
もちろん歌にしても、歌唱人数が多いから自然と多種のコンビが形成されていて、組み合わせごとの個性、見せ方、面白さが1フレーズごとにきらきらめくられていくのがすごく楽しいし毎度発見をもたらしてくれている。

たぶん今回の「PRISM」は、同じ公演を見た人でも、左から見てたか右から見てたかでかなり感想が違っているはずです(実際私2公演をちょうど左右から見た形でしたが、同じ曲でもまったく違うステージに映る場面が多々ありました)。
推しメン特化型の人は春ツアースタイルの方が好みという感想もあるかもしれませんが、箱推しとかメンバーの関係性に楽しみを見出してる人は、秋ツアーはとくに面白いんじゃないかなー。

(2)「随分懐かしい曲をやるんだなぁ」と感じたセットリストとその意味

あと秋ツアーの特徴として気になったのが、「随分懐かしい曲を固めてやるんだなぁ」ということ。
具体的には『悲しき恋のメロディー』『愛され過ぎることはないのよ』『Ambitious!野心的でいいじゃん』のあたりでしょうか。
広い意味では『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』『Moonlight night ~月夜の晩だよ~』『SONGS』もそうかなぁ。*2

この辺の曲ってリアルタイムを通ってるファンにとっては<吉澤リーダー期><プラチナ期>のメンバーの濃厚な記憶が残ってるんですよね。
特に『愛され過ぎることはないのよ』から『Ambitious!野心的でいいじゃん』に繋がっていったときはまじでびっくりした!
リアルタイム以降あまり披露されてこなかった楽曲なので、現役の声を聴きながら同時に脳内で当時聴いた先輩たちの歌声がぴったりシンクロするというめちゃくちゃ不思議な経験を一人してました。そんくらい実質的には時空を超えてる選曲。
そして9期10期にとって『悲しき恋のメロディー』は新垣リーダーの、『この地球の平和を本気で願ってるんだよ!』は高橋リーダーの、それぞれ濃厚な記憶でもある。

ここからはあくまでも個人的な感想ですけど、在籍期間がかぶっていない歴史をなぞった春に比べて、秋が少し踏み込んだセトリになったのは、いよいよ9期以降のモーニング娘。が本格的に出航していく、そういう気概のようなものの表れなのかなとも思いました。
ずばっと言ってしまえば今の13人が今のモーニング娘。として記憶を塗り替えていくこと、91011期にとっては道重リーダーが作ってくれた”この10人のモーニング娘。”をいよいよ勇気を携えて”この13人のモーニング娘。”に塗り替えていくこと、そんな気迫が、セトリにはあったような気がしました。

(少し話逸れますが)

今のモーニング娘。に大きな愛情を注いでくれたさゆは芸能活動を休止して結果的にもうすぐ1年が経とうとしていて、休止理由っていうのは公表されてませんが、きっと色んな考えや思いがあって、今に至っているんだろうと思います。
彼女にはこれからも一人の人間としての人生があって、それが今後芸能界と再び重なるのか、もう重ならないのかは現時点ではまったくわかりませんが、とりあえず何か彼女にしてあげられることが今のモーニング娘。にあるとしたら、それは彼女が帰れる場所をずっと残して、守っていくことなんだろうなって。

「今のモーニング娘。が一番いいね」っていう言葉は、かつてモーニング娘。の道重さゆみが一番大切にしていた言葉で、だから彼女が抜けてもその夢が続いていくことで、モーニング娘。の道重さゆみの夢は終わらないし、道の分かれた道重さゆみが帰ることのできる場所でもあり続けてくれる。
なんかそういうことを最近よく考えていて、だからいつでも私は今のモーニング娘。を応援したいなって思うし、沢山思い出をくれたOG1人1人にとっていつでも暖かく帰れる場所である、グループにはそういう愛の形であり続けてほしいなって思います。

* * *

羽賀朱音(12期)

初めての参加となった春ツアーではとにかく表情の硬さが印象的でしたが、ひと夏越えて、今度は笑顔全開になっていた羽賀ちゃん。
時にマジなトーンの曲すら一人だけ笑顔になっちゃってた部分もありましたが(笑)、最近の羽賀ちゃんはモーニング娘。の中で楽しく過ごせてるんだろうな~っていう笑顔が一つの魅力にもなってきているんで、少なくともファン的にはそれはそれであり。
まだ13歳だもん、この辺はこのタイミングで外野が萎縮させなくても、次第に良い形で吸収できるものだと思います。
あっあと、この子はやっぱりトークに光るものがある!
北海道の昼公演で2人MCを担当していたんですが、年齢の割にちゃんと成立した話し方できるのが今後の伸びしろを予感させる。

牧野真莉愛(12期)

マリアちゃんも、春ツアーに比べて今回は笑顔が勝っていたなー。
この子のポイントはもう出来上がっている大人なビジュアルでありながら、中身はすんげー子供のままというところで…そこは良さでもあるんだけど、かつてつんくPが評していた「大人にスライドする頃」をどう過ごしていくかっていう分岐点のままでも今だあると思う。
とはいえもう来年には高校生、2年後にはいきなり内外備わった次世代エースに育っているかもしれません。
ちなみにさゆパートはすでにほぼ最強まりあになってました!(あの瞬間、場内カメラに抜かれるマリアちゃんの表情はちょっと鳥肌立つくらい良かった)

野中美希(12期)

今のグループの目新しさの1つは、この子の加入によって英語圏の明るさ・輝きが注入されつつあること。
新曲『One and Only』、むちゃくちゃ良くないっすか!?
あえてハロステじゃなく札幌公演の生披露で初聴きしたけど、あの楽曲の空気感って今までのモーニング娘。には全くなかった新しいものだし、それを引っぱってるのが出だしで英語詞をネイティブにやりのける野中チェルの存在感であることは絶対間違いなく。早く海外のファンにも生で聴かせてあげてほしいです。
あと一つだけ…ズッキとの2人MCで(おどおどしたいつもの美希ちゃんをみんなに見てほしいという理由で)モノマネの無茶ぶりをされた時、超とまどいながらも「チャンスをいただいたということなので…やります!」って言い切ったとき、超モーニング娘。イズムを感じました。最高!

尾形春水(12期)

メンバー紹介VTRの透き通るような肌に思わず昼夜2回とも見入ってしまった尾形はーちん。
彼女は前回の春ツアーの時点ですでに表情はすごく良くって、ただ(経験値の差で)ダンスが悪目立ちしてた部分があったのが惜しかったんですけど、今回の秋ツアーではちゃんとグループのレベルに溶け込めるようになってきました。近くから見ても遠くから見ても大分順応してて成長を感じた!
北海道公演の直前で12期による『初めてのロックコンサート』が削られてしまったのが残念ですが(超見たかった)、『Oh my wish!』のあの決めセリフが生で見れたのは超満足。あのセリフ回し見てると、勘のよさそうな印象が残ります。

小田さくら(11期)

元々新メンバーの時から先輩に引けをとらないスキルを携えていて、いまやすっかりパフォーマンスの屋台骨となっている小田氏(すみませんこの呼び方好きです)。
そのあたりではもはや盤石になりつつあると言える彼女、その一方で、この1年の彼女にとっては後輩ができたことで、新しい人間的魅力がファンにも伝わる所にもでてきたのが大きな変化かな。
具体的にいえば北海道公演での2人MC、長野から東京に出てきた最年少羽賀ちゃんを全般猫かわいがりする3歳年上の小田さくらには今までの北海道ライブでは見られなかった新しい発見があった。なんぞあれ可愛すぎか!!(※DVDマガジン76もそんな小田氏が沢山見られるのでオススメです)

工藤遥(10期)

くどぅーに関してはこの1年ことあるごとに成長したとここでつづってますが、それにしても『TIKI BUN』からたった1年で、センターを堂々務められるほどこんな大きく内面が育つとは、ちょっと想像していなかったかも。
実は、はるかケンカちょー強いんです」イメージからの加入後、意外にふにゃふにゃした子だったんだなってことを私たちは知ったわけですけども、実はやっぱりガッツのある女の子だったのではないか、10期オーデの「1年半もエッグとして活動してたんだから」のあの11歳のパンチ力は今ついに具現化されているのではないかと、ばっちゃんはしみじみ思っています。

佐藤優樹(10期)

今回で4回目の単独凱旋公演となったまーちゃん。
最近はまーちゃんも大人びて外仕事だとしっかり空気を掴めるようになってきているので、むしろ最近の北海道公演のMCは昔と変わらないまーちゃんワールドが見られる貴重な場になりつつあります。
彼女も感激していたけど、やっぱり会場いっぱいのエメラルドグリーンの波は綺麗でしたね。
そしてソロの『明日を作るのは君』は、過去最高に素晴らしいパフォーマンスだった!!
過去色んなまーちゃんソロが北海道であった中で、一巡したから表現できるようになったシンプルなメッセージソング。
表情一つにもすごく丁寧に感情を乗せていたし、たった一人でモーニング娘。のステージを素敵に歩む彼女の姿は、思わずほんとに涙出ました。
ドレスもすごくすごく可愛かったなぁ。

石田亜佑美(10期)

今いい形でグループの潤滑油になってるのがあゆみん。DVDマガジンでもメンバーの言及があったんですけどオンオフの切り替えが素晴らしい人、そしてもともとさっぱりした内面も持ってる子で、この子が少し年上のポジションで今のグループにいてくれて、本当によかったなと思ってます。
歌は時に外すことはありますが、私は今の勢いで突き抜けるあゆみんの存在感が何より好き!
そしてその当たりの強さこそが、これからの若いモーニング娘。にはほんとに必要な要素だとも思っています。
だから頑張れ石田!そのまま突き抜けろ石田!

飯窪春菜(10期 / サブリーダー)

さゆが抜けた後、この子もパフォーマンス面でぐぐっと魅せるようになってきました。
とにかくはるなんは客観的に自分のことを読み込めるタイプで、ここぞという時に大人っぽい表情をもってきて(メンバー紹介VTRとか)、ここぞというときにパチンとはまる動作を当ててくる(さゆからもらった加工パートとか、あとテレビ出演時のラブマ)。
こういう勘の良い子は客席で見てて気持ちがスカッとします。
あとMCの内容もそれまでと変えてきて、個人的には今verは絶妙な笑いをすくいにいっててスキ!
外仕事が増えてきてる彼女だからこそ、ライブでは逆に内を意識したトークをするくらいがバランスとれててちょうどいいのかもしれません。

鈴木香音(9期)

最初に書きます。たしかにズッキはフォルムが変わった!しかし正直、夏のハロコンでは痩せすぎて遠目だとまじでどこにいるか見分けるのが困難だった!!だから今回は最初から最後までしっかり視認可能でありがたかった!!

ただ唯一心配だったのがその辺が結構変わったことで、正直ライブ始まるまでは「色々抱え込んだりしてないかな?」ってことだったんですけど(ナイーブな一面がある子なので)、本人がロビーの展示でテーマに掲げていた通り、最初から最後まで全部曇りのない笑顔でステージに立っていて、私は何よりそれが嬉しかった。
あとフォルムネタだけじゃなんなのでもう1つだけ書かせてください、今回のコンビ歌唱でいい味だしてるなと思ったメンバーの1人が私は鈴木香音ちゃんでした(サブポジでいい仕事する子なのでこういうライブ構成ではほんと魅力が光る)。

鞘師里保(9期)

やっさん(すみませんこの呼び方好きです)と北海道は実は今年1つエピソードがあって、今夏彼女は体調を崩して、開演直前だった北海道ハロコンと北海道キャンペーンを全て欠席するという出来事がありました。
もちろんファンもなんとなくそれが頭にありながら、やっと会えるな~と思いつつ今回のライブに行ったわけですけども、最後のMCで昼夜2回とも彼女自身が「今回の公演をすごく心待ちにしていた」「あれをきっかけに待ってくれてる人たちの暖かさを改めて知って、だから今日北海道でライブができてすごく幸せだった」みたいなことを話してくれた時、むちゃくちゃ嬉しかったです。本当にじわっと涙腺に来た…!

道重卒業の不安を抱えていた春ツアー、体調不良があった夏を越えて、今のやっさんは何より内面のバランスがいい感じにとれてきて、嬉しいなって日々思っています。
外面のパフォーマンス見てても2015年秋の彼女は全てが格段に良い。真面目な外面とフリーダムな内面という相反する要素を年齢を超える努力で両立させてきたやっさん、頑張れないかもってもし思ったら…いつでもメンバーやファンによりかかってください。
あと、今回はあの後みんなでご飯食べれたみたいで本当に良かったー!!

生田衣梨奈(9期 / サブリーダー)

今回の北海道公演見て正直「…なんでこの子今まで歌パートなかったんだっけ…?」って思ってしまいました。音痴とか根底からふっとんでた。最近の生田凄くない!!??
もちろんアクロバットの影響はあるんだけど、それ以上にアクロバットで本人の自信が一気に突き抜けたという凄さ。
『今すぐ飛び込む勇気』の歌パートのテンションがライブにもいい影響をもたらしていて、立派に歌唱戦力の1つを担えて来ています。
あとガキさん出身ヲタとしてはどうしても書き残しておきたいのが「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」のガキさんパート移譲。
あの瞬間リアルタイムの高まりが蘇ったーー!!!

譜久村聖(9期 / リーダー)

リーダー就任からまもなく1年が経とうとしているフクちゃん。いつもこの流れだとリーダーとしての立場のみに言及してしまいがちなので、今回は1メンバーとしての彼女にも触れておきたいと思います。
…なんかフクちゃん、最近また歌上手くなったよね?
本人もブログで「最近の中で1番上手く歌えた気がしました」って言ってましたけど、リーダーとしての重責を背負いつつ、でも同年代のメンバーが一丸となってグループを支えてくれていることで、まだ同じように若いフクちゃんがしっかり個人でも能力を成長させられること。
ここに今のモーニング娘。の一番の良さが表れているように感じました。

* * *

今のモーニング娘。は、歴史的にもかなり人数が多い方の時期に入るんですけど、でも過去と違って不思議と過多なイメージを抱かせないのは、やはりチームワークの部分でまとまりがいいからじゃないかと思います。
年代が統率とれてるっていうのもあるけど、フォーメーションダンスでの再評価を機にモーニング娘。の目指すところがもう一度一つになったのはかなり大きかったのでは。
以降、例えば最新の『One and Only』なんかは大分個々の存在感が光るパフォーマンスに近づいてきましたけど、バラけてもちゃんと一人一人の表情がでてきてるし、そんで集まるとやっぱガッと熱量高くなって。

いつかまた北海道で、性別も年齢も関係なく一つになれる、あの熱気に出会いたいって願ってます。

モーニング娘。'15のみんな、北海道に来てくれて本当にありがとうー!!


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*1:詳細:2004年開催なし / 2005年 秋のみ(小春ちゃんいらっしゃい) / 2006年 開催なし / 2007年 春のみ(SEXY 8 ビート) / 2008~2012年 開催なし / 2013年 秋のみ(CHANCE!) / 2014年 春のみ(エヴォリューション) / 2015年 春秋2開催(GRADATIONN&PRISM)

*2:差し変わったという『初めてのロックコンサート』があったらもっとだったかも。マコ!