小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「山本彩という革新性。NMB48『Must be now』」

☆2015.10発売
☆NMB48の13thシングル
* * *

リリースペースが足踏み状態だった前年までとは一変、これでシングルが支店トップの2015年3作めとなる、NMB48。今回の選抜メンバーは過去最少の9人となっており、初披露前にプロデューサーの秋元康が「新しい試み」と発言していたことでも、その内容に注目が集まっていました。

新しい試みかもしれません。NMBの新たな可能性が、また、見つかるような気がしたので…。こういう形で、いろいろなメンバーの個性を引き出したい、チャンスをあげたいということでしょうか。

言ってしまえば48グループのシングルではかなり珍しい”ダンス選抜”で、メンバーもそのあたりのスキルをかなり重視して揃えて来てるだけに、この曲を取り上げるなら本来はダンスについての感想をばーっと書いちゃう方が正しいのかなと思いますけども、

…なんだけど私がこの曲で書きたかったのは、どうしても「ボーカル」。「山本彩を全般メインボーカルとして据えていること」。これですよ!!!

劇場公演はともかく、テレビなどメディアで流れる48グループのシングル曲は、最大10年の歴史をもってしてもいまだ基本ボーカルがユニゾンであり、非ファン層が楽曲を思い出した時にほぼ歌声と顔が一致しないという音楽作品として最大の弱点も持ち合わせていたわけです。
生歌の出来不出来以上にそもそも心臓部が形を成していない、だから生放送の歌番組だとインパクトが弱まってしまう。
それが2010年代アイドルの持ち味と言ってしまえばそれまでですけど、でもやっぱり、この部分は一番どうにかならないのかなぁと、長年思っていました。

しかしそこに彗星のごとく現れたのがNMB48からやってきた山本彩さん。
彼女はグループ加入直前までメジャーのガールズバンドで活動していたという経緯もあって、とにかく歌が映える。ただ上手いだけじゃなく、個性も自ら声に色付けできるし、リズム感も抜群なんですよね。
その流れで最近一番びっくりしたのがAKB48の最新シングル「ハロウィン・ナイト」。
基本他の歌パートがやはり流れるようなユニゾン歌唱で構成されている中で、”踊り明かす愛のモンスター”の部分にさしかかった時ここ10年の48グループのシングルで初めて歌手の顔が浮かんだ。それが山本彩さんだったんです。

だからこそ、NMB48の今回の「Must be now」に関して、ほんとはボーカルを顔の見える形で固定してきたことを一番尊い事柄として見るべきなのではないかと。本店が担当するNHK連続テレビ小説・あさが来たの主題歌「365日の紙飛行機」がじきに同じ人、同じフォーマットで歴史を上書きするとしてもだ、この転換点の根幹はNMB48というグループにあったことを、私はちゃんと覚えておきたいと思います。


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Must be now (通常盤Type-C)

Must be now (通常盤Type-C)

  • アーティスト:NMB48
  • Laugh Out Loud Recor
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