小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「映画館から見たモーニング娘。’14 コンサートツアー秋 『GIVE ME MORE LOVE ~道重さゆみ卒業記念スペシャル~』FINAL ライブビューイング@横浜」

先週の水曜日、私は横浜のみなとみらいにいました。

本当は現地で見ようと思っていた道重さゆみの卒業コンサート。
でもチケットがとれず、すごく悔しかったけど、これも運命なんだと思いました。
ただ、モーニング娘。の大切な1日を、自分にとってもできるだけ大切な時間として共有したい。
それを考えた結果、用意していた飛行機のチケットでそのまま、私は横浜に行く事にしました。

横浜はその日のモーニング娘。に一番近い場所、そして4年前の私が、行くことのできなかった場所でもあります。

* * *

横浜ブルク13には沢山のファンが、やはり同じようにグループの大切な1日を共有しようと集まっていました。
着席して少し経ち、スクリーンに映し出される横浜アリーナ。
オープニングアクトのJuice=Juiceがマイクを持った時、その腕にはピンクのリストバンドがありました。
それを見た瞬間、やっと実感が湧いたのを覚えています。
あぁ、本当に今日は道重さゆみの最後の卒業ライブなんだな、と。

Juice=Juice、そしてスマイレージのオープニングアクトを見届けた後、ライブビューイングでは開演直前のバックステージが映り始めました。
上々軍団が映った瞬間だけは、正直ちょっと気持ちが和みましたw
でもいよいよモーニング娘。'14がそのステージ裏に到着し…

メンバーはすでに感極まっていました。
映画館に向けてのメッセージを、笑顔で話す道重さゆみ。
その後ろでは涙を拭ったりこらえたりしながら、その背中を見つめるメンバーがずっと映っています。

その時の10人は正直、今まで一度も見たことない、その瞬間だけの表情をそれぞれしていました。
だけどスタッフの声がかかって、手を重ねていく時、女の子たちはどんどん変わっていきます。
そして最後の気合い入れ。

手が離れた瞬間、カメラに映ったのは間違いなく、歴史と進化を背負った18年目のモーニング娘。たちでした。

* * *

一曲目の『TIKI BUN』。
4年前の同会場公演・ライバル サバイバル千秋楽と違い、シンプルにメンバーが花道を歩いて行く演出だったからこそ、今はあの頃の未来なんだと、すごく感じ入るものがありました。
そして『わがまま 気のまま 愛のジョーク』『What is LOVE?』『時空を超え 宇宙を超え』というオリコン1位をとった”今のモーニング娘。”のシングルメドレー。

意識が少し変わったのは、『Do it! Now』のイントロが流れた時でした。
『Do it! Now』は後藤真希の卒業シングルであり、MVでモーニング娘。の過去と未来が描かれた作品であり、そして6期メンバー道重さゆみにとっては、モーニング娘。になるための一番最初の課題だった曲。

古くからのファンはきっと、色んな記憶があのイントロで呼び覚まされたと思います。
そして同時に、それまで隣で一生懸命コールをしていた道重Tシャツの女の子の手が止まったのを見て、私はモーニング娘。という存在が歩んできたそれまでの道のりの長さを、すごくリアルに感じました。

* * *

私がさゆの異変に気付いたのは、『恋愛ハンター(updated)』の時でした。
途中でダンスをせずに、何か足元を気にしていたさゆ。
ただその時は、私はブーツに何かあったのかなと思っていました。
彼女には実際に一度、ブーツの靴紐が絡まってしまうトラブルもありました。
ただそれくらいなら、今の彼女ならリカバーできるだろうと思っていました。
思っていた。

『ラララのピピピ』が始まり、カメラが彼女の表情をアップで抜いた瞬間、私はステージの彼女になにがあったかをやっとはっきり知りました。
隣で見ていた旦那曰く、私、思わず声に出してたそうです。
「さゆ、足つった!」

映画館のスクリーンには、非情にも全てが映し出されていました。
痛みをこらえながら必死に笑顔を見せようとする道重さゆみ。
音楽が流れ続けることを、あれだけ辛く思った時はありません。

でも、結論から言うと、私はただただ祈り続けることしかできませんでした。
映画館の私は異変に気づいても、声援すら届けられない。
現地のファンは逆に大会場ゆえ、きっとまだ多くの人がその異変に気づいていない。
道重さゆみの最後のステージに、結局ファンは誰一人助けの手を差し伸べられない。
だから、祈るしかなかった。
道重さゆみを助けられるのは、ステージの9人しかいない――


そこからの11月26日のモーニング娘。'14には、ファン1人1人の中でそれぞれ、忘れられない感動をもらった瞬間があったと思います。
動けない道重さゆみをバックに9人がセンターステージで立派にパフォーマンスしきったこと。
新リーダー・譜久村聖がそんな彼女の元へ、共に歌う為に全力で長い花道を走っていったこと。

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私の中で一番感動した横浜アリ-ナのモーニング娘。'14の姿は、
さゆが移動についてこられなくなり、確実に全員がさゆのトラブルに気づいたであろう後も誰一人、
カメラに不安な表情を見せたり、後ろを振り向いたりするメンバーがいなかった事です。
今までの彼女たちなら、きっと動揺を隠せませんでした。
実際に不安な表情を見せたり、つい客席から視線をそらしてしまう9~11期の姿を、私は今まで何度も見ています。
でも横浜アリーナのステージで9~11期は、どんな事があっても決して振り返らずにファンだけを見ていた。

そこにはまさに進化し続ける、最高にかっこいい未来のモーニング娘。がありました。
私がこの日ライブビューイングでよかったなと思ったのは、さゆが移動しなかった事で結果的に、満員の横浜アリーナで堂々とパフォーマンスをしている9人の背中を、メインステージの道重さゆみと近い目線で、リアルタイムで見られた事です。

9人がセンターステージで立派にステージを勤めるあたりから、
それまで悔いもにじんでいたさゆの笑顔が、だんだん穏やかに、
そしてすごく誇らしげになっていくんですよね。

今までのモーニング娘。も、そんな表情を見せて皆卒業していきました。
やっぱりあの日の道重さゆみを助けられたのは、あの9人しかいなかった。

* * *

さゆにトラブルがあってからのライブは、本当にあっという間でした。
途中からもう、余計なことは一切考えてなかった。
ただただ、目の前で過ぎるその一つ一つの光景を、忘れないようにずっと見ていました。

今思えば、さゆの卒業コンサートは、本当にさゆらしかったなって思います。
なんか、すごく人間ぽかった。
笑うこと、辛いこと、泣くこと、嬉しいこと、全てがありのままに存在する空間。

そしてそれを作ったのはメンバーだけじゃなく、ファンも含めてのあの空間なんです。
ライブビューイングのスクリーンには時折メンバーの向こうに、沢山のファンの顔も映し出されていました。
男性女性、いろんな年齢の人がステージを見ていました。
笑顔の人。嬉しそうに手を振る人。泣いてる人。
きっとモーニング娘。道重さゆみはこの光景が、ずっと愛おしかったんだろうなって思いました。

何もできなかった女の子と、そんな女の子を好きになったちょっと変な人たち。
アイドルとファンの4329日目に残ったのはかけがえのない愛、そして、互いの生まれてきた意味でした。

さゆみのこと、見つけてくれて、出会ってくれてありがとう。
モーニング娘。になって、みなさんと出会えたから、道重さゆみが存在する意味があったと思えました。
モーニング娘。になるために生まれてきたんだって、生まれてきてよかったなって思えました。
さゆみのファンの人たちが、ほかの誰でもない……みんなでよかった。変な人たち、サンキュー。

【コメント全文】道重さゆみ、「さゆみのファンの人たちが、ほかの誰でもない、みんなでよかった。」 | BARKS

* * * * * *

道重さゆみさんへ。

あなたが卒業してから数日経ちますが、日常の中でふと、「さゆ今なにしてるのかな」って思うときがあります。

この12年でモーニング娘。が変わったこと。それはファンとの距離だと思います。
6期が加入した頃のモーニング娘。は、もっともっと遠いアイドル。
握手会どころかブログもありえない時代でしたよね。
でもモーニング娘。の道重さゆみは、そんなシステムが生まれる前から、いつもファンの近くにメッセージを送ってた。

ここは北海道です。
きっとさゆは私の名前も、顔も知りません。
でも私の生活の中には、いつも大好きなモーニング娘。がいて、
そしてこの12年のモーニング娘。には、いつもあなたがいました。
家族ではない。友達でもない。
だからこそきっと、ずっと私はモーニング娘。を想って、大好きでいられ続けるのだと思います。

変な自分。でもそれでよかったんだって、あなたのことばでやっと思えました。

最後に…

私はモーニング娘。を好きでよかった、幸せでよかったって、最後に胸を張って言えるような人生が目標です。
だからこれからもめいっぱいモーニング娘。を好きで、めいっぱい生きます。
だからさゆもモーニング娘。を離れても、めいっぱい好きで、そして幸せになってください。

そして人生のまたどこかで、会えたらいいな。


<2014.12 追記>
「GIVE ME MORE LOVE ~モーニング娘。'15~」

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