小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「80年代生まれのアイドルプロデュースの巻」

昨日までとガラっと話変わるんですけど、アイドルの話。


最近周りの同年代のバンドマンが、急に2つのアイドルグループに転がっていってるみたいで


でんぱ組.inc(←メロコア系の人たち)

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BiS(←エモい感じのが好きな人たち)

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この2つ、ほんとやたら名前聞くようになったんで、なんだろなーとぼんやり思っていたんですけど


この2グループ、よく掘り下げていくと実は共通点があって
プロデューサーがどちらも80年代生まれらしい。


でんぱ組.inc / 福嶋麻衣子さん(83年生まれ)

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BiS / 渡辺淳之介さん (84年生まれ)

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* * *

「その頃は、ちょうど『ニコニコ動画』が流行りはじめたあたりで。
 いろいろ聞いていたら、わけのわからない音楽が流れてきたんですよ。
 すっごい萌え萌えの声でめちゃめちゃエロい歌詞を高速でずっとラップしているような。『巫女みこナース』 とか。
 その表現がキャッチーでポップで突き抜けていて、
「あたし今まで何悩んでいたんだろう。禅じゃなかった」って、すごい衝撃を受けました。」


  株式会社モエ・ジャパン福嶋麻衣子さんインタビュー(ガジェット通信)


「高校1年のときに初めてバンドを組んで。
 まずはみんなが好きなHi-Standard、Dragon Ash、RIZE、
 GOING STEADYなんかのコピーをやることになったんです。」


「それまでは自分がオーバー気味にプロデュースしていかなきゃって思っていたんです。
 でも、実際の自分はそこまで面倒見れないし、営業も音源制作も同時進行なんてとてもできない。
 だったら本人たちにやらせようって。
 研究会ならそれもいいじゃん。そうすれば俺も彼女たちもいろいろ考えられるなって。
 あとはもう、疲れちゃったんですよね。
 プー・ルイに「ニルヴァーナ好きって言え」とか言うのが(笑)。」


渡辺淳之介(BiSマネージャー) INTERVIEW(OTOTOY)


…これな!


なんつうか、今みたいにカルチャーが融合しまくる直前に思春期を通過した最後の世代、90年代後期~のヲタ趣味を熟成させていた層と、ハイスタとかのコピーやってたあの頃のロックキッズ層が、15年くらいの時を経て「アイドル戦国時代」という怪異なステージでそれぞれトバしあってる感

2013-06-30 23:46:34 via Janetter


* * *


でんぱ組やBiSって、アイドル全体で見ると、かなり濃いめのカテゴリに入るんですよ。


でんぱ組は、ヲタクカルチャーにどっぷりつかった「ザ・アキバ系アイドル」。
BiSは、全裸PVだのスク水ダイブだの色々ひっくるめて、「オルタナティヴ・アイドル」。


秋元康やつんくが25年独走する「王道アイドル」とはまったく違う位置に立ち、
川上マネージャー*1 が戦国時代の狼煙としてぶっこんだ「プロレスアイドル」と比べても、もっと濃い味で、遠い所にある。


…そういう2グループ、しかも一見だと相当交わらないイキフンに感じるこのアイドルたちが、
実は『80年代生まれのプロデュース』という線で結ばれる所に
かなりのワクワクを感じたのは、私が同じ83年生まれだからでしょうか。
いや多分にそうなのかもしんない。


* * *


私ら80年代生まれを簡単に紹介すると、
今みたいにカルチャーが融合しまくる直前に思春期を通過した、最後の世代なんですよ。
さっくり書くと、『ボカロ以前』の最後世代。
中学生の時、ヲタ趣味愛好者と、バンド愛好者が、表だって交わりあう事はほぼなかった。


しかし80年代生まれの面白い所はそのまっただ中で、一斉にネット時代の幕開けを迎えたという点。


前世代の強固なカルチャー土壌で育ちながら
ヲタだろうがロックキッズだろうが皆一斉に、次世代の多様なカルチャーステージに足をつっこみ
しかも解禁時がもうそこそこ大人に近かったので、監視がガチガチになる前に、
各人が夜明けのデジタル世界をぐっちゃぐちゃに遊びまわったのが80年代生まれ。


そんな私たちが。


ペーペーの新卒時代を通り過ぎ
山口百恵やキャンディーズなどを見てきた50年代生まれの秋元康、
秋元康の作ったおニャン子を見て育った60年代生まれのつんく、
そしておニャン子解散後に思春期を迎え、
その分プロレスやドリフなど強大なテレビコンテンツを多大に経由してきた70年代生まれのkwkmマネに
ついに自分たちの育ってきたカルチャー土壌をぶつけて、勝負挑みはじめた、という展開。
その具現化のでんぱ組であり、BiSというグループ。
超面白い。超面白い。私が同じ83年生まれだからでしょうか。
もうそれでもいい、すげー面白い!


* * *


もうなんかしっちゃかめっちゃかになっちゃってるけど
とにかくこの『80年代生まれのアイドルプロデュース』っていうもの、
そして実際に今年でんぱ組が少し頭抜けてきてる状況は
ちょっと注目して見ていく必要があるし、


あとメジャーのアイドルプロデュースに関しては、あと7~8年くらいで
地殻変動が起きるのかもしれません。
っていうのは、この感じで行くと、
あと7~8年でついに完全なるネット世代が参入してくるんですよ。
ネットと共に育ち、小さい頃から融合しまくったカルチャーの海を泳ぎまくっている、90年代生まれの人たち。


そこへ繋ぐ最後の昭和世代、という意味でも、
このジャンルだからこそ割と早めに露出し始めた80年代生まれのプロデュースは、
今から注目して見ておいていいんじゃないかなぁ。
とゆいたかったのが今回です。




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*1:ももクロの名物マネージャー