ここまで書いたら、楽曲自体の事ももう少し掘り下げて残しておきたい。
なんだかんだ楽曲は一番後追いがしやすいコンテンツなので、そこに当時の感触なんかもここで書き足して、初めて楽曲を知る人、または未来の検索結果として表示された時に参考になればいいなーと思います。
んで、(公式YouTubeでの展開もある)シングルA面曲はさすがに一度はチェックしてる人が多いと思うので、あえて今回は「黄金期とプラチナ期のあいだ」に生まれたアルバムとカップリングから、名曲をピックアップ。
<2023.10:追記>
この記事の公開時点(2013年)はパソコンでの閲覧を前提としていましたが、10年が経過してスマホでの閲覧が圧倒的となった現在でも、検索経由でこの記事にたどり着く方がかなりいらっしゃるため、スマホで閲覧しやすいように表示内容の再調整を行いました。
知らないと損する”黄金期とプラチナ期のあいだ”の楽曲
YouTubeで一気に聴く方はこちらから(再生リスト)
知らないと損する”黄金期とプラチナ期のあいだ”の楽曲 - YouTube
【愛の第6感】(2004.12発売)
モーニング娘。ファンの間ではその昔「偶数のオリジナルアルバムは良作」って定説がありまして *1、このアルバムも当時、ファンの間ではかなり評判が良い作品でした。
メンバー構成は前作の「No.5」から安倍・後藤・保田、あと既発シングル曲の『浪漫 〜MY DEAR BOY〜』『女子かしまし物語 』以外は辻・加護もすでに卒業済なので抜けていて、代わりに6期(藤本・亀井・道重・田中)が初参加しています。なのでグループのユニゾン声すら大きく変化しているのもこのアルバムの特徴。
『直感 〜時として恋は〜』
元々はこのアルバムが初出の、当時のライブ人気曲。
「いつが潮時か?年収で決めますか?本当の愛って何ですか?分厚い辞書には載ってますか?」と畳みかける俄然強めな女の子に煽られて「そうだそうだそうだ全くその通り!!」と騒ぐのがファンとしては半端なく楽しかった。
当時のモーニング娘。は平均年齢17歳*2。中高生アイドルがこんな曲やってたら絶対楽しいでしょ!?
(そしていろいろあり、この曲が後に『直感2 ~逃した魚は大きいぞ!~』としてシングルカットされました)
『独占欲』
これもインパクト強かった楽曲。毎日がお祭り騒ぎだった黄金期のトンネルを抜け、まずこういうテイストの曲がアルバムでも出てくるようになってきたこと、あと何といっても途中のラップ。
この曲、実は一番最初の掴みどころであるラップパートの担当が、矢口だったんですよね。
→翌年このツアーを引っさげた春ツアー中、矢口いきなりの脱退。
だけど脱退発表のわずか2日後にはもう春ツアーの八王子公演が予定されていて、一体どうなっちゃうの!?って誰もが心配してたところで、その八王子公演のこの曲が伝説級のパフォーマンスになった。*3
なのでモーニング娘。の歴史を語る上で、実はこの曲、かなり重要な一曲でもあるんです。
※こちらもどうぞ
05春を境に娘。コンの方向性が変わってクオリティがどんどん上がっていった(最近モーニング娘。にハマりだした者だけど まとめページ)
『レモン色とミルクティ』
歌唱メンバーが5~6期、当時の”新メンバー”だけで構成されている初めての楽曲。
後年も9~10期オンリーの『笑って!YOU』(⑬カラフルキャラクター)なんかは出ていたりしますが、『レモン色とミルクティ』は6期枠で経験豊富なミキティが紛れ込んでるのが楽しい。
『声』
後年のライブでも何度か登場することになる楽曲ですが、目玉はなんといっても新垣里沙の大フィーチャー。たった1年前まではデコ出しまゆげの扱いだった彼女が、こうなるなんて誰が予想していたでしょうか。
これ個人的には、バックの音が良心的で優しいのも好きです。
【『THE マンパワー!!!』のカップリング】(2005.1発売)
『ラヴ&ピィ〜ス!HEROがやって来たっ。』
初出の2005年から現在まで歌い継がれている、モーニング娘。ライブの鉄板曲。
今となっては『THE マンパワー!!!』のカップリング曲だったってこと、どれくらいのファンが覚えているのか・・・
【『大阪 恋の歌』のカップリング】(2005.4発売)
『NATURE IS GOOD!』
当時を知るファンにとっては、まさに「黄金期とプラチナ期のあいだ」のライブでよく聴いた楽曲。
実はあんまり前にも後にも出てきてない、モーニング娘。内の「親分感と子分感」を楽しんでください。
【レインボー7】(2006.2発売)
メンバー構成は前作「愛の第6感」から飯田・矢口・石川が(既発シングル曲の『THE マンパワー!!!』『大阪 恋の歌』を除いて)抜けた形となり、1~3期までのメンバーは完全卒業。
黄金期メンバーというくくりでも残るは吉澤1人となり、基本的には著しい成長を見せる5~6期がグループの中心になり始めました。
また新戦力として、7期久住小春の歌声も新たに加わっています。
『HOW DO YOU LIKE JAPAN?〜日本はどんな感じでっか?〜』
この曲はむしろリアルタイム勢の方が、後年の人気を全く予想できてなかった気がする。この曲の価値を歌い継がれるレベルまでに高めたのは、やっぱり後のグループパフォーマンスの大成長あってこそだと思います。
(2006年のモーニング娘。ファンに「この曲12年後にロッキンで歌ってるぞ」って言っても絶対信じないと思う)
だけど、オリジナルもなかなかいいものですよ。ちなみに元々は新垣里沙と小川麻琴が引っ張る曲でした。
『青空がいつまでも続くような未来であれ!』
この「黄金期とプラチナ期のあいだ」には、石川梨華卒業後に在籍した4~7期を指す「青空の10人」という言葉も生まれたことがありました。
約1年2ヶ月の「青空の10人」、その永遠の象徴となったのは10人で最後に回った単独ツアー、 『モーニング娘。コンサートツアー 2006春 〜レインボーセブン〜』のこの曲のステージだったと思います。
この時期が好きなヲタは、この曲を笑顔で歌い踊ってるモーニング娘。が原風景なのだと思う。特に高橋新垣にとっては同期が揃う最後のツアーだったから、これ以前と以後で、見せる表情が大分変わっています。
『INDIGO BLUE LOVE』
後追いだとちょっと印象が薄いかもしれないのですが、実はこれ、5~6期の”選抜メンバー”が初めてモーニング娘。名義で歌えた楽曲なんです。
つまり『好きな先輩』や『レモン色とミルクティ』のように新加入の珍しさありきのセレクトじゃなく、本当に5~6期がモーニング娘。の音楽の中心になってきた。
まだ複数カップリングなんてなかった時代だったからこそ、この楽曲の誕生は、とくに感慨もひとしおでした。
【『SEXY BOY 〜そよ風に寄り添って〜』のカップリング】(2006.3発売)
『チャンス チャンス ブギ』
【『歩いてる』のカップリング】(2006.11発売)
『踊れ!モーニングカレー』
この二曲はとにかく「モーニング娘。コンサートツアー 2006秋 〜踊れ!モーニングカレー〜」の印象が強い。
この通称”カレーコン”、とにかく私は不朽の名作だと思っているので、もし興味があったらいっそツアーDVDを買ってください(メンバー全員とんでもなく可愛い)。
【7.5冬冬モーニング娘。ミニ!】(2006.12発売)
『キラキラ冬のシャイニーG』
『雪/愛×あなた≧好き』
『寒いから冬だもん! 〜どうもこうもないっすよミキティ〜』
当時の記憶では特に上二曲、現場人気が高かったイメージが強いんですけど、いま改めて振り返ってみると、あぁあれは完全に高橋や田中ありきの当て書き曲だったんだなぁ、と気づく。
でも『キラキラ冬のシャイニーG』は最近のバースデーイベントで歌ってもハマりそうだし、BEYOOOOONDSの楽曲が好きな人は、『雪/愛×あなた≧好き』や『寒いから冬だもん! 〜どうもこうもないっすよミキティ〜』もきっと好き。
【SEXY 8 BEAT】(2007.3発売)
前作「レインボー7」から小川・紺野が抜け、高橋新垣は完全に首脳ポジションへ以降。また光井愛佳の加入で、モーニング娘。の歌声にいよいよプラチナ期の香りが漂い始めます。
この「SEXY 8 BEAT」、次作があの歴史的名盤「プラチナ 9 DISC」なのでいまいち影が薄くなっちゃってますが、個人的にはすでに超好き。
『元気+』
吉澤リーダー期最後の代表曲といえば、笑顔YESヌードとこの『元気+』ではないでしょうか。
すでに卒業が決まっていた吉澤を除いても、次世代のトップになる(はずだった)藤本・高橋・新垣の充実がここに繋がってるイメージ。
まぁ藤本は直後になんやかんやで抜けちゃうんですが、そのポジションに田中れいなが入って、プラチナ期が始まると。
ちなみにこの曲を初めて披露した「モーニング娘。コンサートツアー 2007春 〜SEXY 8 ビート〜」は光井愛佳のデビューツアーなんですけど、製品化されてる映像で合格から5か月後。今見ても、普通についてってるのがすごいわ。
『春 ビューティフル エブリデイ』
で、すぐ上で光井を持ち上げといて申し訳ないんですが、やっぱりこれは亀井絵里の印象が強い。
亀井は加入時からずっとリズムが走るクセがあったんですが、この辺からやっとそれを克服して、一気に歌唱メンになってきた記憶。
亀井の成長は後のモー娘。にも大きな影響を与えているので、歴史的な観点でもぜひここは押さえておきたいです。
『シャニムニ パラダイス』
そしてこの曲ですよ。
たった1年前の前作で「5~6期の”選抜メンバー”が初めてモーニング娘。名義で歌えた」状態だったのを振り返ると、この時期の5~6期がどれだけ急激に成長していたのかがわかります。
あと、振り付けな!
くっそ全力のガキさんとどこかでやっぱり一線を維持しようとしてしまうミキティの落差が最高。ちなみに振り付けの先生がわざと美貴様が恥ずかしがるようなダンスにしたそうです。
【『悲しみトワイライト』のカップリング】(2007.4発売)
『Hand made CITY』
そして「黄金期とプラチナ期のあいだ」が最後に生んだ名曲が、この『Hand made CITY』。
2007年の我々ファンはこのシングルリリースを最後に吉澤だけじゃなく藤本までいなくなってしまうことを、そしてさらにはこの曲が3年後の横浜アリーナで感動的な名シーンを生み出すことを、まだ全く知らない・・・
* * *
というわけで今回は、「黄金期とプラチナ期のあいだ」のモーニング娘。による魅力的な楽曲・計18曲をご紹介。
この時期を単独ツアーの映像で振り返るなら、今見ても充実してるのはやはりこのあたりでしょうか。
※ハロプロの映像作品はU-NEXT「アップフロントチャンネル」でも配信中です
当時のモーニング娘。にとって大きかった出来事としてはもうひとつ、ミュージカル「リボンの騎士」の存在も外せないんだけど、あれはまさに生ものであって、後追いだと大した収穫がないように感じるかもしれない。
(※これに関しては「Gatas Brilhantes H.P.とリボンの騎士のこと」もご覧ください)
ただライブにしてもミュージカルにしても、この時期の作品はもうだいぶ安く手に入るので、まだ未視聴という方はぜひチェックしていただきたい所です。
・・・で、ここまで来た方はなんとなくお気づきかもしれませんが
そう!
この時期は!
道重さゆみが空気!!
(歌唱パフォーマンス的に)
しかし後の8代目リーダーも実はこの「黄金期とプラチナ期のあいだ」に、パフォーマンス面で偉大な第一歩を踏み出していました。
今回はその楽曲映像を紹介して、終わりのご挨拶とさせていただきます。
<その他プレイリストはこちら>
「黄金期とプラチナ期のあいだ」シリーズ
・「黄金期とプラチナ期のことはだいたい分かったからその間の時期のことを教えてくれ」 - 小娘のつれづれ
・「モーニング娘。の”黄金期とプラチナ期のあいだ”の転機:ガッタス&リボンの騎士 ザ・ミュージカル」 - 小娘のつれづれ