ちょっと前の話になりますが、日経エンタテイメント!2012年3月号のAKB特集内、
『番記者&編集者座談会 AKB48が向かう先は?』
という記事を読みました。
その中でもとっても興味深かったのがこれ↓
<去年1年を振り返って、どんな変化があったと思いますか?>
(「それまでの男性ファン主体から、女性・子どもへの人気が劇的に浸透した」
「ファンの見方が、擬似恋愛からメンバー間のドラマに面白みを感じる人が増えた」というくだりから
UTB・週刊ヤングジャンプ編集 山下氏
「多くの男性ファンにとって、アイドルは擬似恋愛の対象なので
自分とメンバーの1対1の関係が何よりも大事。
対して女性ヲタの人たちは・・・、
源流は「やおい」だと思いますが、メンバー間の関係性を重視し、
そこから「百合」「レズ」的な妄想を膨らませ、ドラマ性に耽溺する傾向が強い。
そこに、感受性豊かな男性ファンも触発された。」
そうか、私は百合性に耽溺してるヲタだったのか!!!
…まぁ雑誌のスペース上、本人の意図と違う切り取られ方で載っちゃってる可能性もありますし
言いたい事は伝わらないわけでもないんですが、
でもやっぱり、私も含めてネット内外で見かける女ヲタのガチ生態はなんか違うような気がするので、
今日は女ヲタによる女ヲタのための「女ヲタ生態講座(女性アイドル編)」なるものを
ちょっと書いてみたいと思います。
* * *
「女ヲタ生態講座(女性アイドル編)」
1・女ヲタはみんな妄想に耽溺しちゃってるのか?
まず、上でなんで「やおい」や「百合」が例に出されたのかって、
特にモーニング娘。以降の女性アイドルは、「漫画的面白さ」が魅力の一つだからかなと思うんですけど。
そんな上に習って漫画で例えてみると
女ヲタは基本「少年漫画を読む女性」的なポジションの人が多いのではないかな。
・・・ここ、実は男性ほど伝わりにくいのかもしれないけど、
別にみんながみんな少年漫画に「やおい」を求めてるわけではなくて、
むしろ大半の人は男性と同じように、少年漫画ならではのドラマやキャラクターの動きを単純に楽しんでいるんですよね。
てか本来の「やおい」とか「百合」って言葉は、あくまでも香り付けの一種というか、
性や階級とかの手が届かない世界に香り付けして楽しむ所が大きいと感じる。
だから女性アイドルに対して「百合」「レズ」妄想で耽溺してる女ヲタってむしろ少ない方なんじゃないかと
(ガチンコの性的志向で好きになってる人くらいじゃないか)。
確かにメンバー間の関係性を重視するところはありますけど、スラムダンクで言うと
それは桜木と流川に決して(この後掘りあってくれ)と思ってるわけじゃなくて、
純粋に桜木と流川がハイタッチしたコマ見て「うおおおおおおお!!!!!!!!」っていう、
そういうのが大半の女ヲタの感じ方だと思う。
つまり、求めている関係性もドラマ性も、男ヲタとそんなに変わらない。
2・じゃあ男ヲタと女ヲタは何が違うのか?
端的に言うと、「おっぱいすぐ見れる」っていうくらいじゃないですかね。
これはすごく極端な例ですけど、でもかわいいアイドルが水着着た時って、
多少なりともおっぱいみたりおしりみたり、人によっては中身も想像したりするわけじゃないですか。
そういう時、男性はやっぱ想像に寄るところが大きいと思うんですけど、
私らは見たけりゃ自分の見ればいいわけです。
極論触りたかったら自分の触れるわけだ。
…純なところでいえば、握手会行った時に感じる”女の子の手の柔らかさ”も
女ヲタは自前で用意できてしまう。
そのへんが唯一男ヲタと女ヲタの大きな違いかと思います。
だから耽溺かといわれれば、むしろ現実的に女性アイドルを見てる方が多い気がする。
(だからこのへんで「やおい」や「百合」の入れる余地があんまりないと思うんだよな)
3・女ヲタは女性アイドルに何を求めているのか
じゃあ女ヲタは女性アイドルに何を求めているのかというと、ずばり
「男性の理想であろうとするかわいい女の子たちの姿」なんだと思う。
むしろ女ヲタが耽溺してるとしたら、やおいや百合みたいな直接的なところじゃなくて
「女性アイドルと男ヲタの純粋な関係性」にきゃっきゃしてる所が大きいので、
つまり結論としては「そのままであってくれ」
変に「百合とか好きなんでしょ」的なノリで薄い女受け狙われると、その関係性が壊れてつまんなくすら感じる。
(あと浅いイメージしか持ってないおっさんが作る女性受けってのはそもそも大抵陳腐でダサい)
だからね、
ほんとはこういうのよりも
こういうのや
こういう方が大好物ですありがとうございました!
* * *
そういうわけで、女ヲタは女性器がついてるだけであって
大意の女性アイドルの楽しみ方自体は大して男ヲタと変わらんと思うのですよ。
UTBとか好きな雑誌なだけに、
「ヒットがわかる流行情報マガジン」でああいう事を編集さんに言われちゃうと
ちょっともやっとした。
AKBに女性ファンが増えたのは、少年漫画的な面白さとファッション雑誌的な衣装のおしゃれさ、そこじゃないすかね?
(あと女子小中高生は単に「友達になりたいな」っていう純な気持ちじゃないかな。
私も中高生の時はモーニング娘。と友達になりたかったもん)
というわけで色々書いてきましたが、2012年2月発売のこの雑誌、
上記の番記者座談会以外にも秋元康インタビュー、公式ライバル研究、
そして前田敦子×大島優子インタビューなど
前田敦子卒業発表後に読むとなおさら興味深く味わえるとこも多々あるので、
どっかで見かけたら読む価値ある内容だと思いますよー。
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いち女ヲタより
* * *
<最後に補足>
今回は流れ上、「やおい」や「百合」をsageっぽい意味合いで使いましたが
個人的に「やおい」や「百合」そのものは全然否定する気持ちはありません。
個人的にそういう志向は特にないんだけど、
あのへん本当に好きな人ほど、自分からある程度線を引いて
外に押し付けずに自分達のコミュニティ内で慈しみ育ててるじゃないですか。
そこをわざわざ外から批判したり、無理矢理外に引っ張り出す方がむしろ下世話だと思うんだよね。
そう考えると、ああいう話のくだりで簡単に
「やおい」とか「百合」とかって浅い見識で引っ張りだすのは、若干アレじゃないかなぁ。
まぁ私は本職じゃないからなんともいえないけど・・・
* * *