小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「モーニング娘。工藤遥が21年目のアイドルグループに遺したもの」

最近ハロプロのことを書く時間がやっと出来てきた…
というわけでかなりギリギリになりましたが、2017年12月11日をもってモーニング娘。を卒業する、10期メンバーの工藤遥ちゃんについてです。

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現在18歳の工藤遥ちゃんがグループに加入したのは2011年9月29日、北海道の私は引っ越す前の賃貸アパートで一人、その加入発表を携帯を握りしめて今か今かと待っていたのを覚えています。
もともとハロプロエッグ(現研修生)でもそのビジュアルや個性でひと際目立っていた彼女は、オーディションの最終候補に残っていた時点で、「あぁ受かるだろうな」と(エッグの定期公演/生タマゴShow!を観に行けない距離のファンにすら)あっさり思わせてしまうくらいの存在でした。
そしてそのいわゆる”周囲の期待”は、当時まだ11歳だった彼女自身もものすごく、敏感に感じ取っていたと思います。
だからこそのオーディションにおける「1年半もエッグとして活動してたんだからしっかりしなきゃいけない」発言であり、加入直後の本人曰く「かなりイキってた」時期。
今こうして卒業が迫り、その頃のことを思い返すと、彼女の6年はどれだけ濃密だったのか、そして長くて短い青春であったのか、ということを思います。


私が特に近年、工藤遥ちゃんを見ていて良いなと感じていたのは、アイドル界でもトップクラスのエンジェルフェイスが生んだ”黒髪ショートのかわいい子”……というフレーズも好きだし”まーどぅーの尊さ”……ももちろん思うけども、
それ以上に一人の女の子として、メンバーと一緒にいる時に見せるその柔らかな表情がすごく好きで、毎度心にグッときてました。

モーニング娘。の歴代メンバーの成長を表すことばとしてよく「大人の女性になっていく」というものがありますけど、モーニング娘。での工藤遥ちゃんの成長というのは従来の意味とは少し違って「自身の弱さを肯定でき、肯定してもらえる人たちに出会えたことでの輝き」、だったと思うんですね。
彼女はもともと地頭が良い子で、だからこそ11歳の時点でも、オーディション合格という自立の機会を得た時には人に弱さを見せてはいけない、強い自分でいなければダメだと自分を律する気持ちがすでにあったのだと思います。
だけど自立って、本当は強さよりも自分の弱さを知っていく場面の方が相当多いものだったりする。
そして自身の弱さと対峙すればするほど、それを周囲に見せることに怖さを感じていくのも、人間であって。

「勝てるもの、とか、目立つものがなかったから」

その中で、私が工藤遥ちゃんが本当にすごかったと思うのは、彼女はモーニング娘。としての6年間で、大人でもときに恐れてしまうその”弱さ”を自分自身でちゃんと、受け入れていったこと。
しかもモーニング娘。という、大きな看板ゆえにある意味どうしてもガチガチにならざるをえない環境の中で、心をときほぐすというもう一つの「成熟」をわずか18歳でその歴史に遺して、グループを卒業していくこと。

11歳11か月で入って、歴史を支えてかつ自分の成熟をしっかり叶えて次の夢に進むというのは、やはり簡単にできることではないし、それこそあの日あの瞬間モーニング娘。になった彼女にしか表現し得ない、そんなストーリーだったと思います。
そして地頭が良い子だったけど、それ以上に彼女は、本当は素直で人に対しての優しさを沢山もっている女性で、だからこそ芸能界という特殊な環境でも見失うことなく、「自身の弱さを肯定でき、肯定してもらえる人たちに出会えた」のではないかなって。

彼女を含めた今の10代の子たちは、特にSNS時代に思春期を生きているということもあって、選択肢に恵まれている反面、得られる情報の数があまりにも多すぎて、それ以前よりも失敗がしにくい思春期なんじゃないかな、と時々思うことがあります。
さらにいえばアイドル・工藤遥の道のりだって、もちろんすぐに今のような「肯定」を感じられたわけでは決してなかったはずです。
でもグループを卒業しようとしている、しっかり者で泣き虫な18歳の素敵な表情を見ると、彼女の卒業ソング『若いんだし!』につんく♂Pが託したメッセージとその意味が、なんだか今改めてわかる気がします。

「単にポジティブ用語を並べるだけでなく、現実もマイナス面も受け止めた結果、ポジティブであることが、 僕はとても大事だと思っています」
モーニング娘。’17 2017/10/4 Sg ライナーノーツ | つんく♂オフィシャルブログ 「つんブロ♂芸能コース」Powered by Ameba


モーニング娘。の続く道は、進化だけじゃなく、それぞれの故郷としての意味も持ち合わせ続けていると私は思っています。
だから無限だし、興味あるし、やってみなきゃわかんないこともあるだろうし…だけど勇気が必要な時は、いつでもみんなの待ってる場所に帰ってきてください。

続く遠い空の下より、工藤遥さん、ご卒業おめでとうございます!



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