小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「時代の蓋が上がるその瞬間まで。夢みるアドレセンス『ファンタスティックパレード / おしえてシュレディンガー』」

☆2016.4発売
☆2012年結成、夢みるアドレセンスのメジャー4thシングル(両A面)
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今年1月の「舞いジェネ!」に続き、早くも2016年第二弾のシングルリリースとなる夢みるアドレセンス!
メジャー進出後の初となる両A面作品から、今回は「ファンタスティックパレード / おしえてシュレディンガー」を2曲同時にピックアップします。

夢アドといえば自他共に認める”ビジュアル先行型アイドル”*1なわけですが、だからこそ最近面白いなと思うのが、特にメジャー以降の彼女たちの音楽作品は、どんどんバンド方面の文脈と密接になっていってること。
前作「舞いジェネ!」は作詞作曲・オカモトショウ(OKAMOTO’S)×編曲・agehasprings、今作はそれぞれ「ファンタスティックパレード」が作詞作曲・首藤義勝(KEYTALK)×編曲・江口亮*2、「おしえてシュレディンガー」が作詞作曲・志磨遼平(ドレスコーズ)×編曲・CHOKKAKUのラインナップとなっています。

この「アイドル×ロックサウンドの融合」、それ自体はアイドルブームの高まりとともに数多くの音楽作品を生みだし、良く言えば大衆化、悪く言うと飽和状態なところまで大きな爆発を見せたわけですが……ともすれば”次”の選択には上がりにくくなってくるところを、夢アドはあえて選んでいる。
そこに飽きが漂ってこないのはやはり彼女たちがとにかく120%ビジュアル全振りの世界からメジャーアイドル地帯に乗り込んでるという部分で、逆方向からのフルスイングでつっこんでくることによって彼女たちの「アイドル×ロック」は1周回ってまったく新しい魅せ方、聴かせ方になっているんです。
そこがとにかく2016年において、意外なほど斬新で面白い。




この時代の女性5人組アイドルグループって意外にあまり数は多くなくて、メジャーの有名どころでいうと結成年順に℃-ute、9nine、ももいろクローバーZ、ひめキュンフルーツ缶、Doll☆Elements、ベイビーレイズJAPAN、Juice=Juiceといったあたり。
そのうち℃-uteと並んで長らく5人グループの歴史を紡ぎ続けていた9nineが今夏でついに体制変更を迎えること(川島海荷の脱退により4人体制に)を踏まえると、ほぼ固定だったこの女性5人枠も、実は今年すごく大きな転換点に差し掛かろうとしているわけです。

という流れの中で今、夢アドがやってる”斬新さ”のその意味ですよ!

グループの合言葉は「カワイイだけじゃダメなんですか!?」、でもきっとこの子たちは時代の蓋が上がるその瞬間まで、カワイイだけでは終わらない。


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*1:メンバーの5人中4人がティーンファッション誌の専属モデルを経験

*2:いきものがかりを中心にメジャーアーティストの作品を数多く手がけている