小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「グループの声質がぐっとビターに寄ったからこその、アンジュルム『次々続々』」

☆2016.4発売
☆アンジュルムの21stシングル(トリプルA面)
* * *

ハロー!プロジェクト・春のシングルラッシュ、第二弾は新体制で初めての作品発表となるアンジュルム!
まず最初の紹介は、アンジュルム的言語センスがほとばしる「次々続々」。
こちらの作詞は「乙女の逆襲」「出すぎた杭は打たれない」など過去にもアンジュルムのシングル作品を担当している女性作詞家の児玉雨子さん、作曲はハロヲタには大変なじみ深い、つんく♂時代からのハロプロワークスでもおなじみ、作曲家の平田祥一郎さんです。

2016年初シングルで真っ先に注目される点はやはり「長らく歌唱面を牽引していた1期・福田花音の卒業がグループにどう作用しているのか?」というところだと思うのですが、とりあえずそれを一番最初に打ち出す形になったのが、この「次々続々」なのかなと。

強く興味を抱くのは1番Aメロのパート割り。
出だしに新メンバー上國料萌衣の初々しい歌声が曲の柱として配置され、そこからの対比で、大人びた1期・2期の新しい立ち位置があっという間に鮮明になっていきます。
今までグループの年下要素を担っていた3期も、最年少の佐々木莉佳子を筆頭にそれぞれが先輩メンバーとしての余裕を少しずつ見せ始めているのがたまらない。
ここがずーっと低めに抑えられているのも実は特徴的で、前作まで強い存在感を見せていた1期・福田花音の声は、思い返すと基本少し高め甘めなんですよね。
彼女が卒業したことでグループの声質がぐっとビターに寄ったことを、この何気ないパートリレーだけでも「次々続々」はものすごく魅力的に表現している。

そしてもう一つ同じくらい重要なのがその直後のラップ。…ラップ!!!!!ほんとラップ!!!!!!!!!!!

私はアイドルのラップってすごい好きで、それはまず単純にリズム感の好みが一つ、あとアイドルが必ずしもスキルの優劣だけで選ばれた人たちじゃないからこそ、ラップにはもろにその子の持つリアルな体温/人間性が増幅されて出てくるというところで、思わずグッと高まるんです。
ラップって器用さのその奥には、その時のモチベーションや活動への自負が必ず顔を出しています。
結論を先に言ってしまえば「次々続々」のラップパートは完全に勢いに乗ってるときの人間のリズム。だから最高に気持ちいい。
持ってる個性も性格もバラバラなのに、全員がアンジュルムである今に一切迷いがない。

リズム感でいえば、Aメロセリフパートを担当しているはずの上國料萌衣ちゃんが、MVで「いつだって不安だよ」*1のセリフ終わりに何気なく首でカウントとってるところがすごくいいなぁって。
私が間近で本人を見たのは今年2月のライブハウス公演まで記憶さかのぼりますが、その頃もうすでに、この辺の勘の良さは存分に活かされはじめていました。
この子が新メンバーだったから、「次々続々」は生まれたんだろうなぁ。


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*1:ちょうど1:00あたり