小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「変化が映す、本気の競争姿勢。乃木坂46『命は美しい』」

☆2015.3発売
☆乃木坂46の11thシングル
* * *

ちょっと久しぶりな乃木坂46作品の単独紹介!
2015年初シングルとなる今作は、『気づいたら片想い』『夏のFree&Easy』に続き、センターポジションを西野七瀬が担当しています。
ジャケットのプロデューサーイメージは、「若者は何か哲学を欲しているのではないか。」 *1

命は美しい(Type-A)(DVD付)

今まではどちらかというと身体動作よりも空間表現に重きが置かれてきた、そんな乃木坂46の音楽作品ですが、今作はほぼ初めてに近い、スピーディーなパフォーマンスナンバー。
もちろんベースは変わらず上品で魅せ方も演劇表現に近いのですが、MVを見てる限りではデビューから3年、ついにAKB48の公式ライバルとして本気の土俵に立ち始めた手応えが残ります。

乃木坂が現行アイドル界で今一番持ち合わせている強み、それはユニゾン声の絶妙な調和だと私は考えていて、
デビューからのあの一貫性が、結果的に一番パワーをもたらしてて、なおかつ無意識の挑戦者感まで備わってて、ズルい。
AKB本家と違って、乃木坂のフォロワーは当分出てこれないんじゃないかなー。
アイドルブームとほぼ同時期に対岸で勃興した「kawaii」カルチャーとも、またちょっとなんか違うし。

あとどうしてももう一つ、注目しておかなきゃならないのは、乃木坂46にとってこの作品が初めて、初週売上50万枚突破シングルになりそうな所。

…こっからは明確なソースが提示できない話なので、話半分で読んでもらえれば構わないんですけど
首都圏と地方のCD中古店を定点観測していて面白いなと思うのは、女性アイドルジャンルは初週売上が50万枚を越えたあたりで、地方にもついにその盛り上がりが波及してくる、そんな所があるんですね。
AKB48『ポニーテールとシュシュ』(2010)とSKE48『キスだって左利き』(2012)、これは両グループが初めて初動50万枚を越えたシングルになるんですが地方ではまさにこのあたりから、CD中古店にも複数枚在庫が並ぶようになっていった。
例えば北海道の実地調査で書くと、非札幌圏でも今や活発に取引されているのがAKB、ここ1~2年はSKEも結構それに追随してるところがあるんですが、NMBは地方でも都市部の札幌圏あたりでちょっと足踏みが続いてる印象、HKTはまだ札幌圏内でもちょろちょろ。

そういえば乃木坂に関してだとちょうど、1つだけ昨年たまたまメモに残していた参考記録があるんですが、2014年11月末の渋谷ブックオフで見かけた『気づいたら片想い』(初動45万枚)の中古在庫は約70枚、同時期の札幌ブックオフ(中心部)では7~8枚、札幌市外のブックオフ(数店舗)は大体1枚あるかどうか
店頭で感じていたのは、2014年時点の乃木坂はやはり初動50万枚未到達のNMBあたりと似た都市圏中心の人気、という印象で
ただここで売上が変わると、きっと2015年の乃木坂は、一気に非都市圏でもその知名度を高めはじめる。

まぁ、小さな事ですけど…

それでもテレビやネット以外のエンタメ広告がほとんど機能してない地方の若者コミュニティにおいては *2
50万枚の壁を新しく越えるアイドルグループが出てくるかどうかっていうのは、結構情勢を大きく変えてくるんじゃないかなぁと思います。


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  • アーティスト:乃木坂46
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*1:出典:月刊MdN 2015年 4月号 / wikipedia

*2:首都圏の日常生活で目にする街頭広告、交通機関の車内広告や宣伝トラック、店頭イベント、場所によってはCDショップそのものも含め、同時刻地方では機能してない、っていうかほぼ存在してない