小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけ続け、執筆業になりました。2017年に初の著書『SMAPと、とあるファンの物語 -あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど-』(双葉社)がでました。



2017年9月発売の『SMAPと、とあるファンの物語』(双葉社)については【こちら】

「27時間テレビを通して見える『SMAPとテレビ』」

2014年もいよいよ「27時間テレビ」の話題が聞こえてくる季節になりました。
今年はSMAPが初めて同番組の総合司会を務めることが発表されており、
今月の月刊テレビ情報誌にはグループへのインタビューがそれぞれ掲載されています。


* * *


その中の1つを買ってインタビューを読んでいた所、内容はもちろん共通して27時間テレビについてなんですが
その中で同じ「テレビ」を題材にしゃべっているSMAPが
見事にそれぞれはっきり違うことをしゃべっていて、そしてその視点がなんだか面白かったので、
こちらで考察がてらちょっとまとめてみました。


コメントは全て「月刊TVnavi」(2014年8月号)より引用しています。


* * *

完全にテレビのプロ・中居正広



『テレビに出てる人の中には「自分が楽しまないと見てる人には伝わらない」という考え方もあるけど、
 僕はそういうタイプではなくて、
 自分が楽しくなくても見てる人に楽しんでもらえるものを常に探しながらやっていこうというスタンス。』
『今は娯楽の術がいっぱいあるけど、「テレビってやっぱり面白い!」ということを再認識してもらうためにも、
 細かいところまで準備することが成功の近道になるんじゃないかなと思います。』



20年間生放送の「笑っていいとも」に出続け、現在も毎週5番組の司会をこなしている中居にとって
27時間テレビはもはや「日常」の延長。
そもそも27時間テレビの司会自体も彼は今回で7回目になります。


『楽しい人、苦手な人ができてしまうとMCが成立しなくなる』*1という考えの元に
一個人の感情までも全て仕事に投じている中居の言葉には、27時間の生放送に対する浮かれは一切なし。
淡々と、そして最強の”テレビのプロ”であろうとする、その姿勢がコメントから浮かびます。

"アイドル"クリエイター・香取慎吾



『僕らはアイドルですから。
 アイドルが笑顔で元気な王道バラエティーと、
 アイドルがよくわからなくてやっちゃってるふうに見せるブラックなバラエティ、
 その両方を兼ね備えた27時間になると思います。』



そんな中居正広と共に17歳の時から「いいとも」に出続けた香取慎吾は、”僕らはアイドル”と前フリをした上で
「バラエティにおけるアイドルの見られ方」をはっきり意識し、それをコンテンツとして表現しようとしています。


いいとも最終回においてバラエティという存在にフォーカスを当てた中居のスピーチと異なり
香取のスピーチは「アイドルとしての生き方」に言及していた事からもわかるように、*2
国民的アイドルグループにおいて誰よりも人生をアイドルに投じてきた彼は、
まさに現在日本でトップクラスの”アイドル”クリエイター。
中居正広がテレビのプロであるならば、
徹底的に「アイドルのプロ」を追及しているのが現在の香取慎吾という人なのではないでしょうか。*3


生粋の演者・草なぎ剛



『全部任せるのは人としてダメだと思うので(笑)
 僕がどこまで戦力になるかはわからないけど、助けられるところは助けていきたい。
 …まぁでも、最終的には8割くらい中居くんが仕切るでしょうね(笑)』



上記の2人とは異なり、27時間を思いっきり他人事のように語る3人目のいいともレギュラー、草なぎ剛。
このコメントからは性格以上に気質として、中居&香取が制作側の視点も持っている演者であるのに対し
草なぎは「100%演者」としてテレビ、バラエティに取り組んでいる事が垣間見れます。


そして演者に全振りしているからこそ、彼は時たま予想を越える特大ホームランを打てるわけで
ここまで3人のコメントから見えるのは、そのバッターボックスの立ち方が見事に三者三様。
そしてその位置取りこそ、SMAPのバラエティ面を長年支えてきた絶妙なバランスなのだと思います。

ザテレビスター・木村拓哉



『生放送番組はテレビを通じて、顔も声も全部「剥き出しのオンライン」になる。
 それはTwitterやFacebookのような一辺的なつながりではないですよね。
 スポーツ的な要素で日本がひとつになることは多々あるけど、
 番組でなれるかなぁ。なれたらいいなぁと思います。』



そして本来バラエティ路線ではない、SMAPのドラマ班を担当している木村拓哉は
『自分は全部顔に出ちゃうから(苦笑)。生放送はちょっと危険で不安です』と話しながらも、
テレビにおける生放送番組の魅力をしっかり捉え、それを27時間テレビで表現したいと期待を寄せています。


SMAPのリーダーである中居が27時間テレビに「娯楽手段」という立ち位置を見据えているのに対し、
同じ年長組で、言わば2TOPとしてグループを牽引してきた木村が「一体感」を見出しているのは、すごく興味深いところ。


そして芸能界でもトップレベルの一体感を生み出してきたのが、まさに木村拓哉、その人です。


傍観者でありバランサー・稲垣吾郎



『(僕は)傍観者的で、会社でいえば総務部とかそういう感じかなと。』
『(27時間テレビは)スタッフも、見ている方も一緒の旅』



最後に同じく本来SMAPのドラマ班、稲垣吾郎。
彼のコメントは中居や香取とも違う別の俯瞰視点、まさに傍観者のようなポジションです。


ですが彼のコメントを最後に持ってくると、なんだか落ち着きがいい。
それは結成当初から彼がグループの真ん中世代、年上と年下を繋げる「中間管理職」的ポジションを担っており、*4
プロすぎる中居、アイドルすぎる香取、演者すぎる草ナギ、スターすぎる木村というキャラクター、
その”すぎる”芸能集団における重要なバランサーとなっているのが
27時間をひっくるめて『旅』と言いのけてしまう稲垣吾郎の感覚なのだと思います。
(そして中居が『なんだかんだで(27時間)ピンピンしてそう』とコメントしているのもこの稲垣吾郎)


* * * * * *


毎週見慣れているように感じるこのグループの姿ですが、
改めて思い返すとグループのテレビレギュラーとして現在成立しているのは「SMAP×SMAP」のみで、
私たちの見ているSMAPのほとんどはソロだったり、歌番組の一時的なゲストとしての姿です。


その中で改めてグループで新しい一つの番組を作ろうとしている今は、
もしかしたらとても貴重で、新鮮な瞬間なのかもしれません。
それこそ18年前にスマスマがスタートした時の感じを、ちょっと思い出しました。
中居の『ついにこの時がきたね』という発言は
27年前の初レギュラーから始まり、6人でスタートさせたスマスマを通って辿り着いた「テレビの未来」である今、
もう一度SMAPが始まる、その密かな号砲なのかもしれません。


…とか言ってても一応、冷静に考えると27時間テレビは本当に難しい番組で
当たる年もあれば当たらない年だってあるし、
今年のSMAPがどっちに転ぶかは実際当日になってみないとわからないというのが正直なところなんですが


でも最後に、中居正広さんがこう言い切っていた事も、こちらに載せてみます。



『間違いなく楽しい27時間になると思うから、楽しみにしててほしい。
 なんとなくだけど自信があります』



* * *


<後日追記>


7月17日、SMAP×FNS 27時間テレビの正式タイトル発表!


 SMAP×FNS 27時間テレビ



<STORE>


後日追加
「SMAP×27時間テレビは紛れもなく「あの頃の未来」だった」

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*1:2013年6月12日 ニッポン放送「ダイノジ 大谷ノブ彦のオールナイトニッポン」出演時の発言(要旨)

*2:「もう1つの20年 ~笑っていいともとSMAP香取慎吾~」http://drifter-2181.hateblo.jp/entry/2014/04/01/192545

*3:香取は近年中居に代わり、SMAPのライブツアーにおける構成・演出も担当している。

*4:ちなみにこの稲垣と同い年だったのが森且行。森も現役当時から上2人や下2人との思い出エピソードが多く、稲垣とは違うアプローチでの”中間管理職”的ポジションだった。