小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「いいとものない日常と『タモリ学』」

2014年3月に出版された、『タモリ学 タモリにとって「タモリ」とは何か?』
この本は近年各方面で活躍されている”てれびのスキマ”こと戸部田誠さんが「タモリさんのエピソードや発言をまとめた本を作ってみたい」という考えの元、いいとも終了が発表される2年以上前から、ずっと製作を進めていたものです。


「笑っていいとも」とタモリさんは、いつも私たちの風景にありました。
学校を休んだ日、職場の休憩室、何かがあった時も、なかった時も、他人行儀をすり抜けて32年間、タモリさんの姿とその笑いは、いつもいつも私たちのすぐそばに、あり続けました。

「すぐそばにある笑い」、それはてれびのスキマさんがつづる文章もそうで、会社勤めと並行しながら文筆業に携わっていったてれびのスキマさんの言葉、それは私たちと、全く同じ距離から放たれているものです。

日々の笑いを映しつづけたタモリさん、そんな一人の男性の姿を丁寧にまとめていったスキマさん、そして、その一つ一つを、普通の生活の中で受け取っていく私たち。

この本を起点に、タモリさん、スキマさん、そして私たちの日常が線で結ばれます。
そこにあるものは共犯関係にも似たシガラミからの解放、
まさに日常の「おかしみ」――


終了から2か月が過ぎ、まさに今、「いいとものない日常」を歩み始めている私たち。
一テレビっ子の視点から浮かび上がった「タモリ学」はそんな私たちの日常に、32年間、カメラの前でタモリさんが問いかけつづけたあの言葉を今でもふと、映し出してくれているような気がします。


「明日も、見てくれるかな?」


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