小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「リゾナントブルーはなぜ売れなかったのか」

『リゾナントブルー』はなぜ売れなかったのだろうと思います。

リゾナント ブルー

いや、実際には、それなりには売れていました。
9年ぶりにトップ5入りを逃した前作『みかん』(累計38667)と比べると、約17000枚の売上アップを達成しています。(累計55949)*1
ただ、リゾナントブルーの2ヶ月前に約28000枚の売上だったAKB48が、リゾナントブルーから6ヶ月後の『大声ダイヤモンド』で96000枚を叩き出した事を考えると、やっぱりリゾブルは「売れなかった」部類に入ると思います。

何より、当時のモーニング娘。自身が見合った称賛を受けていなかった。
プラチナ期の再評価を見るに、代表曲として名前の上がる事が多いリゾナントブルーだって、楽曲自体相当の魅力があったはずなのに、それでもリアルタイムではコアなファン以外の評価をほとんど受けることができませんでした。

直接の原因は、まぁ、いくつでも思いつきます。
歌番組への出演が急激に減っていたし、一般層に知名度の高い4期までのメンバーはすでに全員卒業していた。
youtubeやニコニコ動画などの動画コンテンツはまだ、リゾブルリリース年の2008年は発展途上の段階だったし(リゾナントブルーの公式PV自体も2010年までは「Dohhh UP!」というアップフロントグループの動画サイト内で配信)、何より、プラチナ再評価の原動力となったSNSもこの頃はまだ「時代以前」。

当時のメンバー、スタッフ、ファン全てがこの曲の良さをファン以外に伝えきることができなかった。
それは今後も変わることのない、ひとつの事実だと思う。
その上で。


昨日から盛り上がっている「久住小春『踏み台』発言」の動向を眺めていて、
『ステップアップという言葉を『踏み台』に変換して盛り上がっている中の、どれくらいの人たちが、久住小春がいた頃のモーニング娘。を「まだいたんだ」という言葉で表現していたんだろう』
とも一人思っていました。
リゾナントブルーが売れなかったことに関するもう一つの大きな事実、それは圧倒的な<無関心>の存在。
それにずっと苦しめられ、必死にもがき続けて、それでも結局最後まで正当な評価は受けられなかった、それが久住小春のモーニング娘。時代であり、同時に彼女の12歳から17歳までの青春でもあったんです。

* * *

このブログを読んでくださっている方の中には、もちろんプラチナ期以降にモーニング娘。のファンになった方も沢山いると思います。
そしてもしかしたら、中にはまさに『リゾナントブルー』の頃、世の<無関心>の一部をなんとなく形成していた人もいるのかもしれない。
ただそれ自体は流れの中のことだから、それを今さら、どうだったと言いたいのではなくて

もしどの時代でも、あなたがモーニング娘。をいいなと感じたなら、自分の中で素晴らしいと感じた瞬間が少しでもあったならば、その時は世の流れに関係なく、ぜひあなたが表現できる<関心>を真っ当に、グループへ返してあげてほしい。


プラチナ期の苦労の全てが最後の最後に報われたかのようなあの横浜アリーナのステージ*2に、プラチナ期のメンバーで唯一立っていなかったのが、久住小春。

そんな彼女も含めた「リゾナントブルーのモーニング娘。」の悔しさを、古参だろうと新規だろうと、せめて私たちだけはきちんと共有して受け止めておくことが、結果として彼女たちのより良い今、そしてモーニング娘。のより良い未来に繋がるような気がします。



www.youtube.com


<STORE>

*1:ソース:https://nendai-ryuukou.com/artist/038.html

*2:「モーニング娘。コンサートツアー2010秋 〜ライバル サバイバル〜 亀井絵里・ジュンジュン・リンリン卒業スペシャル」