小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけ続け、執筆業になりました。2017年に初の単著がでました(乗田綾子名義)。



2017年9月発売の『SMAPと、とあるファンの物語』(双葉社)については【こちら】

「なぜAKBの卒業は止まらないのか」

ここ最近、AKBグループの卒業発表が相次いでいます。


SKE48から小木曽、桑原、平松、矢神ら9名が今春卒業(ナタリー) 
板野友美 AKB48からの卒業を発表(まんたんウェブ)
AKB仲谷明香が卒業 声優の道へ(ニッカンスポーツ)
SKE48秦佐和子、今月末で卒業 声優の夢追う(ORICON STYLE)


この流れをなんとなくのイメージで話してしまうと、
「落ち目」「泥船からの脱出」みたいな表現で切り取られてしまいがちなんですが

AKBがどんどん卒業していく事象は、
もっと根本的なところで考えた方がいいんじゃないかと思います。


* * *


以前、こんな事を書きました。


96年~00年代生まれあたりが物心ついた頃からは、ブログとSNSが普及=原風景となり
情報は取りに行くだけではなく、「自ら発信するもの」という意味合いにもなった。


ここが若者の価値観に新たな「決定的変化」のしおりをはさみ、
AKBを筆頭に、次世代のアイドルを量産させたのではないか。


「現在のアイドル、これからの世代」


それまであくまでも大人に追随するポジションだった少年少女たちは、
ブログやSNSの発展によって「自ら立ちあがる自由」を得ました。


そして前世代とは一線を画す手法のAKB48が国民的人気を博したのは、
”会いにいける”という偶像イメージからの脱却、
彼女たちが同世代の若者と同じ「自立するアイドル」だったからです。


そして言わば”自立世代”の若者は、あるアイドル観も共有しています。



「アイドルはゴールではない」



それまでの若者がアイドルをどことなく「永遠に続く夢」のようにとらえていたのに対し、
小さい頃からモーニング娘。の卒業を幾度となく見聞きしてきた現在の10代の中では
アイドルは「いつか卒業するもの」とはっきり刻まれています。


アイドルから卒業するのが、本当の自立である



AKBのコンセプトというより、世代の共通見解にアイドルからの脱却が刷り込まれている以上
AKBはこれからもどんどん卒業します。
それがこの時代の若者を牽引している、AKB48という存在です。


* * *


AKB48という、自立の象徴。


…ただ、その一方で、AKBの場合は”皆で1から育てたグループ”という自負もかなり強いため
いざ卒業に対峙した時、卒業を決めたメンバーの意志と、グループを支持していたファンの気持ちは
通常の偶像アイドルより距離が大きいのではないか。そんな事も感じます。



少女たちの自立によって組み上げられたグループの存在、
そして若者たちの自立により支えられているグループの存在。



ブームが落ち着きつつある今、
この数年で一気に加速したこの2つの「自立」をいかに導いていくか。
それが今一番、AKB48グループに試されている事なのではないでしょうか。



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