小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけ続け、執筆業になりました。2017年に初の単著がでました(乗田綾子名義)。



2017年9月発売の『SMAPと、とあるファンの物語』(双葉社)については【こちら】

「”アイドル冬の時代”に関する交換書簡(資料用)」

ここ数日
「アイドル三世代の疑問」
「”アイドル戦国時代”以前が何もなかったことにされる風潮」
という記事で自分の中の「アイドル冬の時代」に関する疑問を書きだしているんですが、
それに関してリアルタイム世代の方から、
実際体験した感覚に基づくコメントを、いくつかいただく事ができました。

それを読んでなんとなくもやもやの霧が晴れてきたので、
記事を書いてみようかなと思っているんですが、
結構場所が飛んだりしてて、後で使いたい時にとっちらかっちゃうのもあれなので、
まず資料の方を1つにまとめておきたいと思います。


* * *


「”アイドル戦国時代”以前が何もなかったことにされる風潮」

(概略)

”アイドル戦国時代”以前のアイドルやドルヲタって、そんなにネガティブにディスられるものだったの?

私はおニャン子以後の世代なんですよね。
だから冬の時代?におけるアイドル文化の迫害?や、
その頃ちょうど重なる(宮崎勤関連も含めた)ヲタへのネガキャンを、運良くすり抜けて育った世代かとは思う。
あと小学生の時にちょうどエヴァブームなんかもあったりして、
私も含めた今の2〜30代はちょうど、ヲタへの風向き転換期にうまく乗ってた感があるんですよね。
だから、風当たりの強かった先輩方に比べると
幸運にもネガティブという前提が存在せずにこれたのかもしれない、ってのはあるけど。

だからまずSPEED〜世代の私の感覚としては、
アイドル戦国時代がアイドルのあり方を大きく変えた、
っていうのはなんかちょっと違うように感じる。

さらに言えば、SPEED以前にだって
CoCoがいて、ribbonがいて、桜っ子クラブがいて、制服向上委員会がいて、TPDやOPDがいて・・・
となるんだけど、
戦国時代を決定的事象と推す人たちにとって、
そのあたりは存在しなかった事になってるの?

いつの時代も好きな人にとって、アイドルはずっと変わらず熱を帯びて存在し続けてきたと思うけど・・・

先輩方はこのへんどう捉えてらっしゃるのでしょう?


「”アイドル戦国時代”以前が何もなかったことにされる風潮」にいただいたコメント

70'sさん

僕はこの記事の筆者と同年代なんですが、(※元記事の筆者さんは1970年生まれ)

まず、冬の時代以前のアイドルですがあの頃の「アイドル」は昭和の「スター」に近い存在だった気がする。
松田聖子や中森明菜とか、、。
一部の濃いファンはいたかもしれないけど国民的というか、とにかくみんなの憧れの的だったんだよね。
聖子ちゃんカットが流行ったりしていたし(笑)
だから筆者のいうPerfume/AKB以前というはおそらく
女性アイドル氷河期と言われる90年代前半からハロプロの出現くらいまでかなと思います。
この時期、僕はTPDのCD買っていましたが、誰にも言えなかった、、。
まあ篠原涼子が好きだったのでそれは途中から言えるようになったけどね。


私の返信

冬の時代以前て、それこそ聖子ちゃんや明菜、もっといえばキャンディーズやピンクレディーがあって、
そのへんのアイドルは私の世代と同じように、学校で話題にしていた対象だったと思うんです。
(今でも輝かしいみんなの思い出としてメディアで取り上げられるくらい)

だから変な話、すっごく強引な分け方すると
5〜60年代生まれ世代と、80年代〜生まれ世代はアイドルに抵抗なく育っててで、
70年代生まれ世代だけ、ぽっかり空いてるような・・・

ぽっかり空いた理由は時代背景など色々あるので
決して誰がどうなって悪いっていうのはないんですが、
それでも時たま、なんで今もその10年の猛烈なトラウマやネガティブイメージに
アイドルを引きずりこもうとするのかな、って思う時があるんです。

その70年代生まれ世代に猛烈なトラウマやネガティブイメージを植えつけたのは、
他ならぬ5〜60年代生まれ世代の秋元康だったんですが(1956年生まれ)

なぜ秋元康はおニャン子をそこにぶっこみ、70年代生まれはそこに熱狂したのか。

考えすぎとも思うけど、そのへんがなんかもやもやとします。


↑のもやもやを具体的に書きだしてみたのが「アイドル三世代の疑問」

(概略)

やっぱ50〜64年生まれの方がリアルタイムで熱をあげたアイドル、
天地真理、花の中3トリオ(山口百恵、桜田淳子、森昌子)、
キャンディーズ、ピンクレディー〜松田聖子までのあたりって、
国民にアイドルに対するネガティブイメージがそこまであったように見えないんですよね。

ちょっとアイドルの意味合いが変わってきたように見えるのは、
82年デビュー組あたりから。
65年生まれの中森明菜、66年生まれの小泉今日子あたりから
それまでのアイドルイメージをいい意味で逸れたり、
またはそのまんま否定しぶち壊したり、っていう人がでてきたように思います。

そしてその流れの中で、アイドルの概念を決定的に変えた出来事が
1985年のおニャン子クラブデビュー。
おニャン子クラブのメンバーはそれこそ、65〜70年代生まれ世代で
「友達より早くエッチをしたいけど」と口ずさみながら
同じ世代の男の子を中心に、アイドルのあり方を一気に変えました。

そしてやってくる「アイドル冬の時代」。
その出口は、アイドルのあり方を一気に変えた65〜70年代生まれ世代の方が
社会に出て家庭を持ち出す=アイドルから一線を退く機会が始まりだす
1995年あたりまでずっとやってこなかった。


一般的にアイドルというジャンルが一般化したのは70年代と言われているようなので、
それで考えると、
50〜64年生まれの方がアイドルファンの「親」で、
65〜70年代生まれ世代の方はアイドルファンの「子供」。

もやもやしてるところを書き出してみると


・なんでアイドルファンの「親」世代である秋元康たちは、
 あそこでアイドルの概念をぶち壊すグループをぶっこんだのか。
・なぜそれをアイドルファンの「子」世代は支持したのか。
・そしてなぜみんなその後アイドルを一旦”なかった事”にしちゃったのか。


これらに対するリアルタイム世代の方からのコメント

akiさん

80年代に小学生だった人間の目線で
ピンクレディ〜松田聖子〜マドンナ〜おニャン子という流れで書いて行きます。

ピンクレディ松田聖子までは国民的アイドル=スターていう認識はあった。
しかし漫才ブームもあり、「ぶりっ子、嘘泣き」を叩いて笑いをとるということもあった。
つまりこの時点で手の届かないスターという位置が大分下がってきた。
それ以降大量に毎年のようにアイドルがデビューして行く。
しかしそれを受け入れる番組、歌番組やお笑い番組が数多くあった。
次に洋楽ブームがありアイドルを中心とする歌謡曲が陳腐化した。

夕方の帯で毎日アイドルが見られる夕焼けニャンニャンという番組が始まった。
この辺から、正確に言えばもうちょっと前からですが
アイドル=国民的=誰でも知ってるという認識じゃなくなっていったと思います。
ポイントはアイドル乱発→質の低下、洋楽ブーム→価値観の細分化、
情報の一極集中→アイドルのマニアック化っていう感じでしょうか。

なにぶん小学生の限られた情報に基づく記憶なので間違ってたら済みません。しかし当時のナマの記憶です。

70'sさん

小娘さんの視点は「ハロプロの以降のドルヲタ」としての視点だと思います。
(悪い意味ではないですよ、時期的に見ての話です)

たぶん「アイドル」の概念自体が微妙に違うのかなと。
響きは同じでも感覚が違うのかなと。
70年代後半の世代としてアイドルと、当時小学生だったことを感じていたままに書かせてもらいました。

1.70年世代が持つネガティブイメージ、秋元康はおニャン子をアイドル業界にブッ込み、
若者はなぜおニャン子にハマったのか?

小娘さんが指摘していた秋元康の件ですが、たしかにおニャン子は黒歴史かもしれません。
ちなみに僕も秋元康が嫌いでした。
でも今はよくわからない、というのが正直なところです。
そしてすべてが秋元康とおニャン子のせいではないかと思います。

当時テレビは今から考えるとかなり過激な内容だったこと、
ドラマでいえば「毎度お騒がせします」とか「たけしの元気が出るテレビ」とか。
単純にエロということよりも、
バブル絶頂期でTV自体の過激さに、あの当時の若者ははまっていたんですよ。
テレビ局にクレーム入れてもそんなの関係ねえ状態でしたから。
秋元康もアイドルというよりも、面白いことがしたいということだったんじゃないのかなと。
(僕は親の目が気になり、はずかしくて夕焼けニャンニャンは見れませんでしたが、、)

そういった過激さの他に、
当時放送されていた「ハイスクール!奇面組」や「あんみつ姫」という人気アニメの主題歌が
おニャン子だったので、そこではまった若者は多かったと思います。


2.いわゆる「アイドル」の衰退による音楽シーンの変遷

松田聖子を含め結婚して一時休業するアイドルが多かったこと、
当時はブログなんてなかったし、休業したらしばらく表に出てこないので
ファンはつながりが今ほどには保てなかったんじゃないかと、、。

そして岡田有希子の自殺。あれは非常に大きかったと思う。衝撃でした。
後追い自殺するファンまで出るほどだったから、、。
今では考えられませんが、遺体にシートを被せてる映像が流れるなどかなりショッキングな出来事でした。
ライムスターの宇多丸が以前どこかで
「俺達ファンが追い込んでしまったのかもしれない。そう考えたらもうアイドルを応援できないと思った。」
ということを話していました。
当時小学生とはいえ、リアルタイムで見ていた僕としてはその気持ちはわかるような気がします。
そしておニャン子の解散、明菜の自殺未遂などを経て女性アイドルは徐々に衰退していったような。

小娘さんもご存知のように、おニャン子の卒業から少し遅れて、テ
レビではいかすバンド天国(通称イカ天)という番組が流行り、空前のバンドブームがやってました。
ジュンスカ、FLYING KIDS、BOOWYなどそれまで音楽番組の主流であった
、アイドルからバンドやカッコイイ系(あくまで相対的にってことですが)の音楽や
ドラマの主題歌のような少しおしゃれな感じのする音楽が主流になっていたんです。
そこからはCDもダブルミリオン当たり前という時代になっていきます。
B'z、ドリカム、米米CLUB、小室哲哉、洋楽etc、、、。
そして女性もかわいいと言うよりは少しかっこいい感じ(ボーイッシュ?)が人気あったんです。
例えばLINDBERGのボーカルの渡瀬マキとか。
僕の友達にはCOCOが好きな女子がいましたが、
基本的にアイドル好き(オタクではなく普通のファン)はマイノリティになっていました。

3.そもそもアイドルとはなにか?

70年世代にとって多感な時期に、
主要なアイドルがあまり良くない形で表舞台から姿を消してしまっているんですよね。
そして当時はネットやブログがあるわけでもなく、TV主流の時代なので情報が全く入ってこない。
おニャン子にいたっては突然はしごを外されてしまった感。
(そもそも「アイドル」ではないかも、近所のーねーちゃん。)
そんな時、音楽シーンがバンド系などにとって代わったんです。

50年代、60年代にとってのアイドル、ピンク・レディーやキャンディーズですが
彼女たちはいわゆる「昭和の”スター”であり、”憧れの的”だと思う」と前に書いたんですが、

その年代ごとのスター=アイドル

なのかなって思います。

だから僕達70年代後半のアイドルってある意味(うーん強引?)、
B'z、ドリカム、米米CLUB、XJAPANあとはBLUE HEARTSとか、あと洋楽ですね。
キリがないですが、そういった人達がアイドルのポジションなのかなって思うんです。
同級生と盛り上がるのもここらへんの話題が多いですし。
そういう意味では「孫」世代にアイドルらしくないと言われる中森明菜もアイドルですよね。
少なくとも「スター」であったから。

そしてそれは「学校などで普通に話題にして盛り上がれること」だったんです。
そういう話題もしつつ、アイドルの曲を聞いて普通に好きという人はいました。
(僕はそうでしたし、アイドルにネガティブなイメージはもっていません。今で言うDD的な感じなのかな。)
でも「ヲタ」と公言したところで共有できることも少なかった。
(あとは宅八郎のイメージが強烈すぎて、、、あくまでイメージなんだけど)

同じ「アイドル」という言葉でも「ファン」から「ドルヲタ」になったように
世代ごとにニュアンス、概念が微妙に違うと思います。
そして今言われている「ドルヲタ」の概念も「アイドル」の概念にしても、
ハロプロAKBなども含めて、新しくできた括りなのかなと思うんですよ。

良くも悪くも、僕らの世代の多くの人にとって、ハロプロ以降の「ドルヲタ」と「アイドル」は、
テレビやネットで騒がれてはいるけど、「一部の熱狂的な人達」と「その人達が応援している人」なんですよね。
悪い意味ではなく、冬の時代を経て変わったのかもしれませんが「
僕らの世代でみんなが共有できる対象」ではないです。

なぜなら僕らの世代には、それは「アイドル」ではなく別のものに取って代わられていたから。

でも「孫」世代にとっては「学校などで普通に話題にして盛り上がれること」であり、それは今も続いている。

僕の弟は年が離れていて、ちょうどハロプロ世代なんですが、
「中森明菜はアイドルじゃないでしょ?だって少女Aとかどう見てもアイドルソングじゃないし」
と言われて、なるほどなぁと思いました。

でも少なくとも僕と姉にとっては中森明菜はアイドルでした。
松田聖子や岡田有希子も。

そして今の戦国時代が羨ましく思います。
いろいろ問題もあるけれど、なにより活気があるし、
ドリムスのように結婚してもステージに帰ってこれるアイドルがいるということが。

先日いいとも!に出演していたドリムスを見た時、素直に「よかったなぁ」と思いました。