小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけ続け、執筆業になりました。2017年に初の単著がでました(乗田綾子名義)。



2017年9月発売の『SMAPと、とあるファンの物語』(双葉社)については【こちら】

「”アイドル戦国時代”以前が何もなかったことにされる風潮」

以前「解題・アイドル戦国時代」というトークイベントにて出た言葉ですが

”「アイドル戦国時代」というバズワード”

「”アイドル戦国時代”以前が何もなかったことにされる風潮」

によって、アイドル文化の門戸は世間一般に開かれ、
色んな人が「アイドルとは何ぞや」とそれぞれの中で考えるようになりました。


あり方を考えるのは楽しいし、私もそういうの好きだし
それを問う事で文化が成熟していくならほんといい事なんですけど、
そのあり方議論に関して、ちと気になるワードを目にしました。


「アイドルの在り方はハロプロ以前とPerfume/AKB以後とで決定的に変わってしまった。
 かつてはドルヲターアイドルおたくであるということは、その人自身の生き方、ライフスタイルと不可分だった。
 ところが、いまは見た目も小奇麗でコミュ力も高い、パッと見ではリア充と区別がつかないアイドルファンが増え、
 アイドル好きであることと生き方やライフスタイルが直接的に繋がるものではなくなった。」

AKBからももクロまで グループアイドル・ムーヴメント Vol.2


<リア充>ってワードが特になんか引っかかったんですけど、
”アイドル戦国時代”以前のアイドルやドルヲタって、そんなにネガティブにディスられるものだったの?


あの書かれ方だと、なんか戦国時代以前のドルヲタは
「見た目も小奇麗じゃなくコミュ力も低い、パッと見で非リア充とわかる人たちでした・・・」
って言われてるように読めるのですが*1


まず、私の中ではこの14年間ハロプロを追っかけてて
「アイドルやヲタはネガティブ」という前提が一度も存在しなかったんだよね。
それは開き直りとかじゃなく、すごく普通の人生の時間の中で
アイドルを好きになって、本当に好きだから自然とリアル周囲皆にドルヲタ公言して、
それで90年代後半からの中高大社会人全て充実した毎日送ってきたんだよな一応・・・*2


だからPerfume/AKB以後〜のドルヲタを<リア充と区別がつかない>と区分けされてしまうと
ん?んんんん?ってなる。
だってPerfume/AKB以前の私の人性が違うよっつっちゃってんだもん。
そんなに卑屈にやらなくても普通に充実していたよ一応。


しいていえば、私はおニャン子以後の世代なんですよね。
だから冬の時代?におけるアイドル文化の迫害?や、
その頃ちょうど重なる(宮崎勤関連も含めた)ヲタへのネガキャンを、運良くすり抜けて育った世代かとは思う。
あと小学生の時にちょうどエヴァブームなんかもあったりして、
私も含めた今の2〜30代はちょうど、ヲタへの風向き転換期にうまく乗ってた感があるんですよね。
だから、風当たりの強かった先輩方に比べると
幸運にもネガティブという前提が存在せずにこれたのかもしれない、ってのはあるけど。


それを踏まえると
もし、同じ所の言葉を借りて

いまは新しい層のヲタクが生まれ、パイが広がった。
いわゆるヲタクのカジュアル化、趣味や嗜みのひとつとしてふつうに受容している層が増えてきた。

という分岐点があったとすれば、それはアイドル戦国時代よりももっと前、
それはヲタにネガティブな意識を持たなくなった80年代生まれが文化に加わり始めた、
SPEED&ハロプロあたりだったんじゃないかなとは思うんですよね。(96〜97年、エヴァブームもこの頃)
そんで単にそこでならした畑に植えた種を、10年後くらいにとても大きく実らせたのがPerfumeとAKBであり、
その実の種から出てきた、さらなる新しい芽が
ももクロだったり最近でてきた沢山のアイドルグループだっただけのような。


だからまずSPEED〜世代の私の感覚としては、
アイドル戦国時代がアイドルのあり方を大きく変えた、
っていうのはなんかちょっと違うように感じる。


さらに言えば、SPEED以前にだって
CoCoがいて、ribbonがいて、桜っ子クラブがいて、制服向上委員会がいて、TPDやOPDがいて・・・
となるんだけど、
戦国時代を決定的事象と推す人たちにとって、
そのあたりは存在しなかった事になってるの?

確かにハロプロ以前のアイドルは女性の旬という寿命もあって、
解散などでバツンとコンテンツを切られて、次世代に空気流入することはあまりなかったけど
(と私は「アイドル戦国時代のその先 〜新興国と総括〜」で書いた)

それは単に文化内での新陳代謝に特化した話であって、
いつの時代も好きな人にとって、アイドルはずっと変わらず熱を帯びて存在し続けてきたと思うけど・・・

でもこのへんはさすがに想像の域になってしまうので
これ以上は私はなんともいえない!
先輩方はこのへんどう捉えてらっしゃるのでしょう?*3





上記トークイベでも、
「「戦国時代」以前に何も無かったように語られるのは疑問」ていうのは出てたみたいですね。



アイドルはいつの時代だって素晴らしいよ。
んでアイドルファンはいつだってアイドルを恥じたりしてないよ。



結局、戦国時代以前にネガティブイメージで何も無かったようにしてたのは誰なんだい。
そしてAKBが打ち出した巨大アイドルビジネスのしっぽを、
「アイドル戦国時代」というワードで必死に掴もうとしているのは誰なんだい。
*4


4/14追記
この話もうちっとだけつづくんじゃ
「アイドル三世代の疑問」


元記事さん
「AKBからももクロまで グループアイドル・ムーヴメント」(STUDIO VOICEさん)
STUDIO VOICE(wiki)
「アイドルという言葉が「平時、常にあるもの」という以上に、いま何か熱気を帯びたジャンルとして語られるようになってきていることはまちがいない。」
という書き出しで始まる、連載記事です。
上記の内容はちょっと引っかかるところは確かにあったけど、
でも基本的にはちゃんと現場で見て書いてることが伝わる記事なので、すごく参考になります。
第三回、Pop'nアイドルの企画意図についてのくだりで書かれている
タワレコの企画&広報担当さんインタビューとかは特に一読オススメ。


関連記事
「アイドル戦国時代のその先 〜新興国と総括〜」
「私が最近とあるアイドル界隈を苦手な理由」
「女ヲタ生態講座(女性アイドル編)」

*1:以前という言葉を使っているので、筆者の意図としてはハロプロは前時代に入れてないのかもしれない。ただハロプロ全盛期まではココリコミラクルタイプという人気番組で”モーヲタがやって来た!”っていう一種の揶揄はあったので、それを考えると世間一般的に”ドルヲタ=非リア充”っていう図式があったのは、Perfume/AKB=戦国時代以前のような気がする。ちなみにAKBが生まれた後も、まだ独占禁止法違反騒動とかやってる頃は、コンバットという深夜コント番組の”ヲバ芸”というコントでmixが思いっきりネタになってましたけどね。あんま関係ないけど&コンバットは好きだったけどー

*2:この”公言”てワードは人にとってものさしが違うと思いますが、とりあえず私の場合はこんなブログ書くくらい好きな事はみんな知ってるかな。女ヲタだからキモがられない・・・というのは確かにあると思う。しかしBUBKAやフライデーのグラビアページをコンビニで熟読する女子高生にまで女性特有の清涼感の残り香があったのかと言われれば、どうなんだろう。昨日もラーメン屋でFLASHの”小向美奈子絶叫SEX”読みながらラーメン食べたよ。おいしかった

*3:ちなみに私は小1の時Mi-Keが大好きでした。やまだかつてないWinkもアイドルに入る?

*4:私もよく「アイドル戦国時代」という言葉は使いますが、個人的には「AKBとかのおかげもあってアイドルがいっぱい生まれて楽しいな」っていうニュアンスですね。ドルヲタ特有のお祭り熱が高まってる空気の中でわっしょいわっしょいやってるだけで、モチベは特に変わらず。ただ選択肢が増えて楽しみが増えただけで