小娘のつれづれ

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「アイドル戦国時代のその先 〜新興国と総括〜」

さて数日に渡って書いてきた「アイドル戦国時代のその先」、
最後は列強AKB、中立国ハロプロ以外の、
いわば「新興国」であるその他アイドルグループについて書いていこうかと思います。


このへんはさすがに新興国な分、熱源の本体は現場にあるので、
どうしても在宅では見切れない部分が多々あると思います。
なんで今回に関しては在宅としての「予想」の比重も多いことをご了承の上、
読んでいただけると幸い。


このアイドル戦国時代で、一定の知名度を得たグループに絞ります。



「ももいろクローバーZ」

なんだかんだ言って、AKBとハロプロの次につけてるのは
やっぱりももクロだと思います。
ライブパフォーマンスはピカ一だし、新規ファンへの訴求もしっかりしている。
勢力図を塗り替えられるか・・・となるとちょっとわかんないですが、
でもこの戦国時代で、一番爪あとを残すのは間違いなくももクロでしょう。

外部から見て心配なのは、前も散々書きましたが
AKB憎しの力が「アイドルっぽくない!」という本末転倒な「応援」になって
ももクロを支えつつあること。
ももクロがプロレスをできなくなった時、どんな形であれ
やはり最後に彼女たちが戻るのは原点の「アイドル」だと思うので、
そうなった時、彼女たちの戻りたい場所にファンがいてあげられるか、そこだけですね。

それさえ見失う事がなければ、メンバー間はちゃんと意思疎通もはかれているだろうし
最後まで突き抜けられるアイドルグループになると思います。
今年あたり、紅白出れたらいいんだけどねぇ。色んなタイミング的にも今年!


「SUPER☆GiRLS」

アイドル戦国時代において、実は一番の伏兵はスパガ。
なんたって、「あのavexが王道アイドル路線で勝負してきた」ってとこ。
avexといえばEARTHとかFolder5とかSweetSだったわけで、
まさかスパガみたいな正統派グループをぶっこんでくるとは思わなかったよね!
しかもすぐ飽きるかなと思ったら、意外に今までちゃんと維持してる。
しかも高水準で。

スパガがいまだ売上を保っている理由は、もちろん接触もあるんだけど
意外か意図的か、「楽曲の質」をしっかり保ってる点が結構大きいと思うんですよね。
デビューシングルの「がんばって青春」こそ、構成的にどこにでもある普通の楽曲でしたが
その地ならしからの2作めを、「MAX乙女心」という超良曲に振ったんです。
楽曲という玄関に普遍性があったおかげで、DDというお客さんが非常に入りやすくなった。
それは3作目の「女子力←パラダイス」でも徹底されている。

今になって振り返れば、シングルデビュー前の「超絶少女」というアルバムで、
すでに「楽曲の質」というスパガのコアは、ある程度完成されていたんですよね。
そこでの手ごたえを、シングルに生かしていったことは
戦国時代においてすごく訴求力を持った武器を手にできたと思います。

SKEがavexに移籍した時はちょっとざわつきましたけど、
自社の生え抜きであるスパガも今のところちゃんと手をかけてるようなので、
戦国時代が終わっても、スパガはある程度生き残れそう。
これからも楽曲の質は保っていてほしいです。


「東京女子流」

上で散々「avexぽくない意外性」を訴えてきましたが、
逆に「avexだからできるアイドル路線」で勝負してきたのが東京女子流。

アイドル楽曲の良さで、一番訴求力があるのは
やっぱ「楽曲自体の質」というメインディッシュなんですが、
女性アイドルならではの面白さとして
「少女にしか出せない声質」というソースも存在するわけです。

それは今まで、前世代でいえばそれこそEARTHやSweetSが堪能させてくれたものなんですが
彼女たちは当時の音楽業界の環境ゆえに、
ごく一部への訴求にとどまって解散という形になっていました。
そこでavexが信念を曲げずに、戦国時代という環境になって
環境を整備してもう一度投入してきたコンテンツが、女子流ちゃん。

女子流ちゃんのやってる根幹は、
それこそEARTHやSweetSとかと同じところだと思うんですが
女子流ちゃんが恵まれたのは、戦国時代というお店に並んだおかげで
ごく一部のグルメ家以外にも、味わってもらえるようになったこと。
実際女子流ちゃんの楽曲ってすごく評価が高いんですよね。
avexもそれに甘んじることなく、「眩暈」とかぶっこんでくる攻めの姿勢。
そこにかかる「女子」ならではのソース。
この繊細で今にも壊れそうなバランスを、甘美といわずしてなんというのか。

ってちょっと話がそれてしまいましたけど、女子流ちゃんのこの先の展開に話を戻せば
彼女たちの質の高い楽曲は、現時点はもちろん、
後々でもずっと戦える可能性を含んだ武器である、ということ。
確かに今の女子流ちゃんは、今しか聴けない歌声なんだけど、
楽曲はそれに固執してなくて、今後の成長も見据えた水準を保ってるわけです。
結実するかはわからないまでも、今後の”戦国時代以後”において
年齢、経験、楽曲の武器を手に入れてる東京女子流の戦力は、すごく高い。
そういう意味で、ここはまだ今後も存分に楽しめるグループだと思う。

しいていえばこの年代は若さゆえに、
怪我などをやってしまうとそれが結構なリスクになって
後々の活動に支障をきたしてしまうパターンがあります。
あぁちゃんの骨折とかが記憶に新しいとこですが、
女子流はこの5人で女子流というところがでかいので、
そのへんの管理をマネージメント側がしっかりしてあげてほしいなぁと思います。


「アイドリング」

フジテレビ発、いわばおニャン子の正当後継者みたいなこのグループ。
最近は菊地亜美の活躍が目覚しいですけども。

これは去年twitterにも書いたことなんですけど、アイドリングは
「アイドリング」って番組が最大の強みであり、足かせだとも思うんですよね。
楽曲は大体無難だし、番組見ないと良さが伝わりにくいアイドルグループ。
実際私番組見てないから、楽曲やPVが薄くて印象残らないんです。
「職業:アイドル」とか「プールサイド大作戦」とか好きな曲はもちろんあるんだけど。

現時点で5万枚CDが売れるグループなのに、
その魅力を存分に味わえるホームの主力がCSって、アンバランスすぎるでしょ。
もちろん地上波でもやってますけど、それはあくまでも総集編であって、
さらにいえば、私の住んでる北海道はやってない\(^o^)/

地上波とCS、最近は大分垣根がとっぱらわれてきてますけど
受動的に楽しめる地上波と、能動的に楽しみに行くCSの違いは
やっぱこういう時に、響いてくるような気がする。

かといってアイドリングはやっぱり、もうフジとは完全に切り離せない関係なので
フジテレビの意向に沿うしかないよね。
長い目で見れば、ここでアイドル戦国時代が大きな転換期に入る以上、
グループでの浮上よりも、個人の生き残りを模索した方が懸命かも。
そういう意味で菊地亜美のやってる事はやっぱり貴重。


「ぱすぽ☆」

これは去年から言ってたことなんですけど、
はっきりいって、ぱすぽが一番今瀬戸際にいると思います。

本当なら、ここも生き残れる力を持っているグループなんです。
ガールズロック寄りな楽曲も、メンバーの声質もいいし、
衣装もすごいかわいい。
現場からも熱さを感じるし、実際ヲタの熱さは今も落ちていない。

ただ、「女性グループのデビューシングル初登場1位記録」
を獲得するために行ったあの時の茶番劇が、
完全にDDの新規参入を止めたよなぁ。
ぱすぽはほんとこの一点。

色んな要素はあるけど、
11年10月の時点で初動40283だしたアイドルが
たった5ヵ月後に初動30000減らすってもろそのへんの実害なんじゃないでしょうか。
これは他のアイドルにもいえる事だけど、
接触やイベ売上を重視するあまり、新規への訴求を見失ってしまうと
いざそれに頼らなくなった時、気づけば立っていられるだけの基礎体力も失ってしまっているんです。
接触はAKBが生み出した麻薬ですが、
あれは基礎体力を備え付けたグループだからこそ成り立つシステムであって
基礎をつくらないうちにドーピングに依存してしまうと、
まじでコンテンツを殺しかねない。
っていう当初からの危惧が、たった1年でぱすぽにはでちゃった感じです。

ここ、ほんとどうするんだろうなぁ。
飛行ルート変更しないとこの先まずいと思うんだけど・・・


* * *


とりあえず個別に書くのはこれくらいで、
あとはちょっと補足的に羅列で。

アイドル(グループ)ブームの後って、
よくソロやアーティストの復権とか台頭とか謡われたりしますが
そういう意味でまず気になるのは、HappinessやFLOWERなどの「LDH系列」の動向。
なんだかんだいってLDHの戦略ってすごくうまかったりするし、
K-POPに憧れAKBに辟易した層を取り込むには、充分の受け皿。

2011年のレコ大最優秀新人賞を獲った「Fairies」もありますけど
あれはどっちかっていうとSPEED系列のグループですよね。(事務所的にも)
だからHEROみたいな路線を売る一方で、Sweer Jewelみたいなアイドル曲も残してたりするし、
ここはどっちに転ばせるのかは今後次第。
逆にいえば、うまく転がせば今後伸びる可能性はあるのかな?と気にとめとく感じ。

あと意外に戦国時代末期に食い込んできたのが、川島海荷を擁する「9nine」。
実は9nineはシングルデビューが2006年なので、ある意味戦国時代”以前”のアイドルなんですが
2010年に現在のスタイルへテコ入れして、戦国時代の追い風にうまく乗っかってきたんですよね。
あとそれに応じて、楽曲の完成度もあげてきて
今年1月の「少女トラベラー」はシングル売上で過去最高の9位にまで上げてきた。
こうした地力の積み上げと川島海荷というコンテンツは、とてもいい相互作用を生み出しているので、
Z-1や美少女クラブ31とは違った未来になるかもしれないな、というちょっとした興味。
(この辺桜庭ななみを擁するbump.yはちょっと迷走ぎみ)


あとは、どうなんすかねぇ。
どうしてもアイドルというカテゴリが一旦食べつくされてしまうと、
後続の似たような器は、確かめもしないで淘汰されやすくなるところがあるので。

楽曲的に萌芽を感じるのは「Tomato n' Pine」と「バニラビーンズ」。
バニビはもはやある意味、一歩抜け出してる感もあって。
「tengal6」は今後こっからどう振るかが気になる。
「Bis」は破壊力があって個人的には好きだけど、好き嫌いすごいだろうしなぁ。

ロコドルはどうなるのか。
「Negicco」や「DOROTHY LITTLE HAPPY」がある意味どこまで伸ばせるのか。
あと「LinQ」も意外に楽曲がすごくよくて。
ある意味「Perfume」はロコドルの最終形態のような気がするんですが
とことん目指すならあのへんだろうし、
地域を大事にするなら、世間での売上より徹底した裾野戦略なんだろうし。
ていうか北海道在住なのに「Jewel Kiss」や「フルーティー」を見れてないのがなぁ。
今年は1回くらい現場いってみようかなぁ。

今のところ思いつく限りで、このくらいです。
もっともっとコアなヲタさんから見たら甘い箇所が沢山あると思いますが、
それは所詮地方在宅の遠吠えという所でお許しください!


* * *


さてここ数日書いてきた「アイドル戦国時代のその先」、
最後に総括みたいなものでシメたいと思います。
書きたいことは2つ。


「アイドル戦国時代とはアイドルファン総DD化のことである」


これは、Rooftopの短期連載「アイドル戦国時代って?」で出ていた言葉です。
この言葉完全同意!


それまで一部の楽しみであった「アイドル」をAKBが裾野を広げ、
そこに接触やらサブカルやら地方色やら色んな要素が乗っかってきて
アイドルファンが色んな味を楽しめる土壌ができた、
それがアイドル戦国時代のキモだったと思うんです。

だからこそ、その後の生存競争にも
「いかにDDへの訴求力を失わないか」っていうのはとても関わってくるはず。
DDを取り込めたスパガとDDをつかめなかったぱすぽに差がでてきたのは、その一例。
こういうのは今後もっと、はっきり出てくると思います。

DDのその先にある「今後の新規アイドルファン」もしくは「世間」も見据えたコンテンツの維持ができるかどうかが、
これからのアイドルグループにとても大きい影響を及ぼしてくるんではないかな。


あともう一つ。


「アイドルの定義、ファンの価値観」


上記Rooftopの連載、「さやわか」さんのアンケートにおいて、
こんな一節があります。


いまのアイドルシーンで良いと思うこと、良くないと思うことはなんですか。


いいと思うのは、ファンの流動性が高まり、多様性が増しているから
どんどん新しいファン層が開拓されているところ。
悪いと思うのは、アイドルがどうあるべきか、ファンがどうあるべきかという、
本来存在しない定義があるとしつつ、
いがみ合いの種にするようなことがなくなっていないこと。
それは多様化と逆行するため最終的に受け入れられる考え方ではないが、
特に下の世代に対して一定の価値観を強要することが可能だと信じている人が散見される。


これ私だー。もろ私。
確かに、アイドルがどうあるべきか、ファンがどうあるべきかなんて、
定義は存在しないもんなんです\(^o^)/


それは自分でもとても認識して、でもその上でこういったブログを続けているわけですが、
せっかくなのでそのへんもちょっと触れておきたいと思います。


* * *


今の時代、アイドルやファンのあり方が討論される時代にもなってきているのは
やっぱ「ハロプロ」の存在がすげーでかいと思うんです。
それまでのメジャー女性アイドルって
表向きにはやっぱ解散などでコンテンツをバツン!と切られるのがほとんどで、
変な話、女性の旬という寿命が、強制的にアイドルとファンの新陳代謝を促していたと思います。
実際それまでのCoCoとかribbonとかTPD・OPDとかの空気は、
SPEEDには入らなかったじゃないですか。
(※ここは正直、私の年齢的に前世代はリアルタイムじゃないので説得力には欠けると思いますが、
 それでもSPEED世代の私から見れば、そういう空気はなかったと思う)

そして一般人が残せる手段も限られていて。
だからある意味、花火のようにわーって盛り上がってわーって消えて、
その場に残るものは限りなく少なかった。
今までの女性アイドル文化は、そういうものであったと思う。


でも、前世代のハロプロはネット隆盛期に誕生したことで、一般人の発信を味方にし、
卒業加入システムで寿命を乗り越えて、
次の「AKB時代」まで足を伸ばしてしまった。
しかも売上げ的にも、AKBを除けばいまだ現役で奮闘している事実。

こういう文化の大きな変化を考えると。


女性アイドルという文化において前世代のコンテンツがいまだ第一線で存在するようになった、
いわば「文化が一つ成熟を迎えた」以上、
どうあるべきかという価値観の発生は、必然だと思います。


その価値観をもちろん、強要することは
昔からアイドルがそなえもつ多様性や流動性に反しているので
あるべきではないし、淘汰されていくもんだと思いますけど…


でも上に書いたように、女性アイドル文化が一つ成熟を迎えた以上、
そこで発生する価値観自体の否定も、なんか違う気がする。


* * *


私は前世代のハロプロをじっと見守り続けてきて、
その途中で思った色んな事があって。
その中には良い事だけじゃなく、悲しい事、辛い事も沢山ありました。

それでもハロプロが延命してくれて、日に至る以上、
文化が成熟した「総DD化時代」に生み出された多くのアイドルファンが
もしこれから過去の私のように、疑問に思ったり、悲しい事があった時、
こんな例もあるよ、こんな考え方もあるよ、
という他人の1例を提示できればいいな、と思ってはじめたのがこういうブログです。


所詮私は「時代遅れのおせっかいハロカスババア」なんだけど、
実際、ハローが落ち目とみんなに叩かれだした時、
ハロプロが大好きだった高校生、大学生の私はこういう場所がほしかった。


その一念ですね、それこそ私のやってることって。


* * *


やっと終わりますが、結局はね、
この数年のブームで生み出された多数のアイドルがね、
自分たちらしく歩んでいければいいとほんと願うばかり。
そしてアイドル戦国時代というコンテンツをもてはやし、楽しませてもらった私らこそ、
そのへん自分の意志でしっかりケツをふける人でありたいと思いますが、さて。


思わずすごい長文になってしまいましたが、お付き合いありがとうございました!


関連記事
「アイドル戦国時代のその先 〜AKB〜」
「アイドル戦国時代のその先 〜ハロプロ〜」
「ブログ論が書けないからドルヲタブログ論について考えてみた」


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2012年4月1日(WASTE OF POPS 80s-90sさん) 
※ロフトプラスワンにて行われた「解題・アイドル戦国時代」のゲスト、O.D.A.さんの記事