小娘のつれづれ

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「アイドル戦国時代のその先 〜AKB〜」

さて、前田敦子卒業発表から一夜明け。


一晩、色々読みながら考えたのですが、
この出来事はやっぱり乱世を生み出した大本営のエース自身による

「2012.3.25・アイドル戦国時代終了宣言」

の位置づけだと後に、考えられていくと思うんです。


という事でこの機会に、
「戦国時代のその先」を自分なりに考えてみたいと思います。
まずは昨日の卒業発表で一番変化を強いられる、本丸AKBから。


AKBグループに関しては、この卒業発表より前に
すでにいくつか今後の指針をわかりやすく打ち出しているので、
それを元に話を進めていきます。


* * *


<48グループ存続への模索>

SKE松井珠理奈、NMB渡辺美優紀がAKB48に期間限定加入


色々もめてたこのへんの移籍発表ですが、
結局運営的には多分、余力がまだ残ってる今の状態で
一つでもさらなるビジネスモデルを確立できれば、
っていう仕掛けがこの「化学反応」の種まきなのかなぁ。


本店が伸びれば、本店に完全移籍させてシステム構築する事もできるし、
支店が伸びるようなら、支店に主軸を転換する事もできる。


まぁそれがうまくいくかどうかは、さすがに私にはわかんないけど
少なくとも、ファンは内ゲバしてる場合じゃないよね。
世間から見ればSKEもNMBもみんな「AKB」なわけで、
いくらヲタがグループの絆を訴えようが、今はAKBが倒れれば間違いなく共倒れする関係なんだし。
ふたを開けてみれば、本店の大エース離脱による
48グループ自体の存続もかけた配置転換だったわけで、
これは今後のAKB存続の重要なポイントだし、
ヲタは一番ここを重視した方がいいはず。



<”その他大勢”の進退>

AKB48 STREAM ぐぐたす選抜プロジェクト
SSAコンサートのタイトルは「業務連絡。頼むぞ、片山部長!in さいたまスーパーアリーナ」に決定!


昨年末から一気にAKBの勢力図をどんどん書き換えつつある「ぐぐたす」ですけども。


これは前田敦子の卒業がなくてもある程度推測できた事だけど、
埋没メンの救済策だよなぁと。
秋元康の言葉を借りれば「チャンスの入り口」ってやつですね。
まぁそのぐぐたす選抜という「チャンスの出口」が
大エースの卒業発表で一気にかき消されたのはなんか皮肉なもんですが。


こういうのには向き不向きがあるから、もちろんステージで頑張った方がいい子もいるけど
そこで魅力を出し切れない、でもステージで生き残りたいメンバーは、
今めちゃくちゃ頑張ってほしい。


冷徹な話ですが、48グループの弱体化がそのうち避けられない以上、
真っ先にダメージを受けるのは、ぐぐたすあたりにいる「その他大勢のAKB」の子たちなんですよね。
その子たちはまじでもうその先を考えた方がよくて、
本当の意味で「AKBはゴールじゃない」事をよく認識した方がいい。
そうならざるをえない以上、ヲタもそれなりの心構えはしといた方がいいかな。
本当にアイドルを好きと思うなら。



<原点という帰り道>

AKB48全国ツアーのタイトルは 「野中美郷、動く。〜47都道府県で会いましょう〜」に決定


日本で一番CD売ってるグループの割にはコンパクトすぎる、全国ツアーの会場たち。


「売れなくなったら劇場にまた戻ればいい」


っていう秋元康の言葉がありますけど。


前田敦子に卒業の相談を受けた時点で、その事を秋元康が考えるのは当たり前。
それを受けての支店強化であり、ぐぐたすであり、この全国ツアーだったのだろうか。


AKBをここまで大きくした以上グループを放り投げるわけにはいかなくなったし、
大多数の無名の少女たちを見捨てるわけにはいかなくなったし、
日本全国でCDを買ってくれたファンたちを裏切るわけにはいかなくなった。
だから色々種はまくけど、
多分そう遠くないうちに、48グループは原点の方向に帰りはじめるんじゃないだろか。
それは原点回帰でもあり、逃げ道でもある。
それがAKBのうまいとこで。


TVからライブ主体になっていったハロープロジェクトを、
世間や一部のAKBファンがなんという言葉で嘲笑していたかは、推して知るべしですね。
そしてここが多分、メンバーとヲタがぶつかる大きくて長い壁。



ここまでは割と周囲の動きを書いてきましたが、
ここからは今回の卒業の「中心」にいる人たちのことを。



<神の悲哀>

AKB結成7年 悲願の東京ドーム公演決定


これねぇ。AKBに多少なりとも首つっこんだ人なら誰でもこう思ったよね。


「切り札」


っていう。



フタを明けてみれば大エース前田敦子の卒業というキーワードがあったわけで、
その使い方はある意味当然だな、と納得させる出来事だったんですが
単純に、「初期メンとそのヲタたちはどうするか」ってとこだよなぁ。
その心情はもう私なんかでは想像できないものがあると思うけど。


言ってしまえば、スタッフもヲタも気安く使い続けた「神」って言葉が、
一番彼女たちを苦しめたように思う。
彼女たちは普通の人間で、女の子なのにさ。
「少女であれ」「神であれ」という無自覚の言葉が、どれだけ重荷を背負わせていたことか。



東京ドームのステージに立つために、
それを皆で黙って背負ってきた初期メンバーたちは、
大事な仲間と目標を失う時に、何を思うんだろうか。



色んな人に対して思うことが沢山あるけど
やっぱ一番きついのは、大島優子なんじゃないかなぁ。
AKBの寿命の一番淵にあって、自分の夢があって、周りの夢があって、
唯一前田敦子の持つ孤独に一番近かった人。


そして、今まで前田敦子が背負っていた相当な重責を、
今後はさらに重くなるものを、次に背負わされるのはこの人。


そしてそんな彼女たちの生き方を


「10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」
「少女たちは傷つきながら、夢を見る」


という切り方でビジネスにしたAKBシステムは、
ほんとすごいな、と思ってしまう。


まぁでも多分、もうこうなった以上
AKBでも卒業っていう流れは緩くても止められないと思う。
ヲタはその事も受け止めて応援していかないとダメですね。



<前田敦子の人生>

前田敦子がAKB48卒業発表「旅立たなければならない」



最後に、今回の主役である前田敦子の、今後について。

私がそもそも、昨日のベースになった「不安」を一回書いてたのは
前田敦子の手ブラ写真を見た時期なんですけど。

あの写真集の前田敦子、なんかものすごいものがあったんだよね。
体つきがどうとか手ブラがどうとか悲痛とか悲哀なんてもんじゃなくて



前田敦子がAKBの前田敦子を否定しているような苦悶と、
でもAKBの前田敦子が、前田敦子にそれを許さない絶望。



それを私は「少女と背徳感のひずみ」と表現したわけですが
前田敦子が脱がされる時のその空気って、別に最近始まったわけじゃなくて、
今までもずっとあったと思うんだよね。
きわどい水着着せられた時、下着にならされた時、スカートを翻して踊らされた時。


前田敦子は、それに6年半ずっと耐えてきたと思うんだよね。
「誰かのために。」


ここまで有名になってしまった以上、簡単に正常には戻れるわけないし
元々人気どうこう差し置いて、演技の素質はある人だから
ソロで女優としてやっていきます、ってのが一番いい落としどころだとは思うんですが、
この人に関してはなんか芸能界やめちゃうんじゃないかなぁ、ってのもいまだ思ってる。


この人くらいおっきくなっちゃったアイドルが、自分の人生に帰っていくとしたら
ある意味結婚とかしかないんだけどね。
比較対象にはこれまたならないとは思うけど、
山口百恵が自分の人生に帰れたのは、三浦友和との結婚しかなくて
ある意味高井麻巳子が自分の人生に帰れたのも、秋元康との結婚だったわけで。


そういう意味で、アイドルヲタ的にふざけんなっていう感情をすげー抑えていえば、
秋元康は究極の禁じ手を使って
一人のアイドルを一人の女性に帰してあげたともいえるんですけど。
内輪がとっても大好きな秋元康にとってもそうだったし、
おニャン子の他のメンバーも、その後数人がスタッフと結婚してるのを見ると、
秋元康プロデュースのアイドルって、そういう気質少なからず持ってると思うんですけどね。*1
(こういうとこが合わないので個人的には秋元康プロデュースのアイドルにあまりは熱中できない)


でもそんな秋元康が今一番助けてあげたいお気に入りの内輪功労者が
自分の人生に帰れるかどうかっていう瀬戸際に自ら立った時、
秋元康がどう動くのかなっていうのはちょっと興味深くもある。


話それたけど、私は前田敦子に関しては
途中からそういう苦悩みたいなものをずっと感じていたから、
卒業ってなって、よかったねーとちょっとホッとした感です。
歌もダンスも演技もできる、すごくアイドルとして優等生な人だったけど
どういう道であれ、自分らしい人生をこれから歩めるようになってほしい。
まだまだ若いもん、これからが本番だよ。


ヲタの心情は察するに余りあるけど、
最終的には前向きに卒業と向き合ってあげてほしい。
前田敦子がGIVE ME FIVEの歌詞を見て泣いた気持ちを、
嘘にしてはいけないと思う。


* * *


とりあえずAKBに関して書きたかったのはこんなとこですー。

「アイドル戦国時代のその先 〜ハロプロ〜」につづく


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*1:秋元がつんくにモーニング娘。と結婚しろっていったのは、そういうとこなのかね