小娘のつれづれ

一人で自分の”好き”を追いかけています。

「国民的アイドル・香取慎吾のカムバックが意味するもの:ベストヒット歌謡祭2023」

 この数年、日本では芸能人の事務所独立が急増している。以前は”干される”といったネガティブワードがつきものだった芸能人の独立も、近頃はメディアの多様化に世論の後押しもあり、前向きな選択として受け止められるようになってきた。

 ただ、それでもアイドルの独立が少し特殊なのは、昔も今も変わらない。なぜなら過去の実績を比較的引き継ぎやすい俳優やミュージシャンと違い、アイドルの独立はその多くが、活動の根幹だった「持ち歌」を失うことから始まるからである。
 
 しかし独立から6年、そんな大損失を乗り越えて、ついにアイドル・香取慎吾は民放の大型音楽特番にカムバックする。
 彼がテレビ越しの大観衆の前に帰還するのは、奇跡と言うよりも、独立後の歩みを追えばむしろ必然の結果であった。

https://www.ytv.co.jp/besthits/

2017年(9月):事務所独立による「持ち歌の喪失」

 独立したアイドルが、持ち歌を歌えなくなること。
 それは様々な事情――例えば独立以前に交わされていた契約内容や前所属事務所が負担していたプロモーション費用、グループアイドルであれば「持ち歌」がグループ単位で発表された作品であること、さらにグループ単位のファン心理への配慮――などを考えると、仕方がないことかもしれない。

 ただ一方で、義務教育中でも仕事として成立してしまうアイドル当人の視点に立てば、それは犠牲にした青春の代わりに、10代からこつこつと育ててきた財産でもあった。
 11歳から39歳までの28年間、国民的アイドルグループ・SMAPのメンバーとして活動し続けた香取慎吾が2017年の事務所独立時に失った「持ち歌」は、実に400曲以上*1に及ぶ。

2017(9月)~2019年:テレビで歌えなかった3年間

 2017年12月24日、香取は同じく新事務所に移籍した草彅剛、稲垣吾郎とともに新しい地図名義で配信シングル『72』を発表し、音楽活動を再開。
 翌2018年4月には草彅とのユニット・SingTuyo名義でも配信シングル『KISS is my life.』を発表、また2019年2月~4月には独立以来、初のライブイベントとなる「NAKAMA to MEETING_vol.1」も開催した。

 しかし独立してからの3年間、彼らの歌唱シーンが見られるのはYouTubeの公式ミュージックビデオかABEMAのレギュラー番組「7.2 新しい別の窓」のみで、テレビの音楽番組出演は一切なかった。


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 少し風向きが変わるのは2019年7月、前所属事務所に独占禁止法違反の恐れがあるとして、公正取引委員会が行った「注意」以降である。

2020~2022年:コロナ禍の苦しみと奮闘

 2020年1月1日、香取は初のソロアルバムとなる「20200101」をリリース。その直後、2020年4月にはNHKの音楽番組「SONGS」に出演する。これは香取にとって独立以来、約3年半ぶりとなる地上波の音楽番組出演であった。
 しかし個人の音楽活動がいよいよ本格化というタイミングで、コロナ禍がエンタメ界を直撃。
 新しい地図のライブイベント「NAKAMA to MEETING_vol.2」はもちろん、香取にとって初のソロ名義ライブとなるはずだった「20200429 PARTY!」(さいたまスーパーアリーナ)も全て開催中止となってしまう。
 
 ただ、それでも香取は、アイドルとして生きる選択肢=音楽活動を決して手放さなかった。
 俳優や画家としての個展開催など多分野での活躍も見せつつ、2021年4月には「さくら咲く 歴史ある明治座で 20200101 にわにわわいわい 香取慎吾四月特別公演」でライブ活動を再開、2022年4月には2作目のソロアルバム「東京SNG」をリリース。
 さらに2023年1月からはソロ名義で初の全国ライブツアー「BlackRabbit」を開始し、東京では初のアリーナクラスとなる有明アリーナでの2公演も成功させた。

 するとその直後、香取の音楽活動にもうひとつの契機が訪れる。支援の手を差し伸べたのは他ならぬ、長年の”仲間”であった。

2023年:民放音楽番組、そして大型音楽特番への復活

 中居正広とダウンタウン・松本人志が司会を務める2023年4月30日放送のフジテレビ系「まつもtoなかい」にて、香取は最新曲の『BETTING』を披露。
 香取が民放テレビ局で歌ったのはフジテレビ系「SMAP×SMAP」最終回以来、約6年半ぶりとなった。

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 また2023年8月には日本テレビ系の音楽番組「バズリズム02」にも出演。香取が日本テレビ系の番組で歌を披露したのも2015年放送の「さんま&SMAP!美女と野獣のクリスマススペシャル」以来、約8年ぶりの出来事である。
 そして2023年11月16日、香取の音楽活動はついに、日本テレビ系「ベストヒット歌謡祭」への出演まで到達するのだ。

国民的アイドル・香取慎吾のカムバックが意味するもの

 2023年11月16日の夜、無数の観客の前に香取慎吾が立つ光景は、SMAPが「FNS歌謡祭」(フジテレビ系)や「MUSIC STATION スーパーライブ」(テレビ朝日系)の常連だった時代を知る世代には、ある意味見慣れたものかもしれない。
 だが香取自身にとっては民放の大型音楽特番もまた、SMAPのメンバーとして出演した「CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ2015⇒2016」以来、やはり約8年ぶりのステージなのである。
 しかも今回は関ジャニ∞、Kis-My-Ft2、なにわ男子といった前所属事務所の後輩たちとの共演という歴史的トピックまで創出している。
 28年分の持ち曲を全て失ったあの時、テレビの歌番組に出られなかったあの時、ライブの開催中止が相次いだコロナ禍のあの時……
 もしも独立後の香取慎吾が音楽活動の継続を一瞬でも諦めていたら、2023年の日本アイドル界は「圧力」や「忖度」や「共演NG」といった言葉に一層埋もれて、さらに陰鬱な印象を後世に残していたのかもしれない。

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 改めて、2023年の香取慎吾の凄さは過去の実績をそのまま引き継ぎやすい俳優活動ではなく、「持ち歌が0になる」ところから始まる独立アイドルの音楽活動で、この現実を創り上げたことにあるのだ。
 だからこそ、「ベストヒット歌謡祭2023」のステージはなるべく見逃してほしくない。
 それは今なら誰もが、日本アイドルに訪れる新しい時代、その最初の目撃者になれるからである。



<TVer>
※香取慎吾出演:Vol.1、Vol.4
ベストヒット歌謡祭2023 Vol.1
ベストヒット歌謡祭2023 Vol.2
ベストヒット歌謡祭2023 Vol.3
ベストヒット歌謡祭2023 Vol.4

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東京SNG (通常BANG!)

東京SNG (通常BANG!)

  • アーティスト:香取慎吾
  • ワーナーミュージック・ジャパン
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*1:JASRACデータベースのアーティスト名「SMAP」完全一致件数:403件、また他にもSMAP時代に「香取慎吾」名義で発表された作品が存在

「6人時代のSMAP事件簿」

※これは2021年1月1日にABEMAで放送されたバラエティ番組『7.2 新しい別の窓』で、SMAPメンバー4人(稲垣吾郎・森且行・草彅剛・香取慎吾)がめちゃくちゃ普通に昔話してたことにテンション爆上がりしたヲタクの連続ツイートをまとめたものです



①「行きつけ寿司屋事件」

②「稲垣ジェットコースター事件」

③「草彅剛”時間ですよ”大遅刻事件」

④「森くんのハイキック事件」

⑤「SMAP六本木乱闘事件」

⑥「赤坂お弁当事件」

⑦「TBS局内で花火してめちゃくちゃ怒られた事件」

⑧「TBS局内でラクガキしてやっぱりめちゃくちゃ怒られた事件」

⑨「聖闘士星矢爆睡事件」

⑩「中居正広病院脱出事件」

⑪「稲垣吾郎、ハワイで溺れる」

⑫「稲垣吾郎、ハワイでクラゲに刺される」

⑬「草彅剛、忍者遠藤くんの私服にスライムをつける」

⑭「木村拓哉、スケボーで光GENJI大沢樹生の足をひく」

番外編



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「アイドルヲタク、CDとDVDを片づける」

1・片付けてみようと思ったきっかけ

ヲタクは基本、愛するものに対して捨てるという選択肢が存在しない生き物です。
私の場合も本格的にドルヲタ道に足を踏み入れて20年以上、大好きなSMAPとハロー!プロジェクトの作品に関しては新品だろうが中古だろうが、なんでもかんでも全収納・全保存をモットーとして生きてきました。

しかし、大好きだからこそ、ヲタクにはここ数年気になっていたことがあったのです。
それは「捨てはしないんだけど」×「何年も見ていない」×「何年も聴いていない」CD・DVDをとりあえずしまっておいたダンボールが、もう2箱、クローゼットの中で積みあがったまんまになっていたこと。

ヲタクのCD・DVDにとって、特に仕分けもされないままダンボールに突っ込まれてしまうことは、もう文字通りの『死蔵』を意味します。
かといってじゃあ収納棚をいっぱい買ってそこに全部並べよう!とするのも、家のスペースや非ヲタクである同居家族との兼ね合いを考えると、あんまり現実的な話ではありません。
(あと収納を棚メインにしてしまうと、結局後ろの段に置いたまま手に取らなくなってしまうゾーンが出てくるのが、それはそれで嫌)

これからも命ある限り燃え続けるであろう自身のヲタク心と、詰みあがったダンボール、そして4分の1を本来の用途ではない形で持っていかれているうちのクローゼット。
それらひとつひとつと真摯に向き合った末に、出た結論が「全体をサイズダウンさせてからもう一度収めてみようか」というものでした。

2・アイドルヲタク、まずは家じゅうのCD・DVDをかき集めてみる

この辺は有名ないわゆる”こんまりメソッド”ともちょっと通ずるところがあるのですが、CD・DVDを少しでも片付けようという気が沸いたなら、再生頻度やその時置いてある場所に関わらず、家の中にあるCD・DVDは一度全部一ヵ所に集めてしまった方が良いです。
めんどくさそうに思えますが、集めてしまった方が後の仕分け時になって、物理的にも精神的にも結局楽なんです。
ちなみに私の場合はハロプロのCDだけでもこんな感じでした。

これにハロプロのDVD、そしてSMAPのCD・DVDと、ヲタコレクションは続きます

3・大量のCD・DVDが集まったら、次に考えるのは「ケースをとっとくか」「とっとかないか」

家じゅうのCD・DVDがおおかた集まったなと思ったら、それらをまずは新たな保管方法別に、ざっくりと仕分けしていきます。
私の場合は大きく2パターン、「そのまま完全保存」「不織布ケース保存」に分けました。

■そのまま完全保存

その言葉の通り、今後もそのまま完全保存しておきたいもの。
ちなみに私の場合、SMAPに関しては、ハナっから全作品がここに該当しています。
というのはグループが現状解散してしまっていることに加えて、デジタル音源販売・サブスク解禁・Youtubeでの公式MV公開等も当分は見込めないであろうこと。
こういう、一度手放してしまうと再入手が難しそう(あるいは今後難しくなっていきそう)なものの場合は、変に手を加えずに、そのまま取って置いた方がヲタクの精神衛生上良いと思われます。
あと、ハロプロに関して私がここに入れたのは以下のようなものです。

・特別仕様のもの(プラケースではなく紙製BOXとかに入っているアレ)
・デビューグループのアルバム(これはその後にコンプリートベストが出ているか、それを自分が持っているかにもよるかも)
・ジャケットを含めて好きなDVD(具体例はパッケージの雰囲気含めてひとつの作品感がある「モーニング娘。コンサートツアー 2006春~レインボーセブン~」や多幸感キャンプでおなじみ「モーニング娘。'15 DVD MAGAZINE vol.74」など)
・Blu-ray全作品(BDはあまり不織布保存に向かない/※こちらについてはすぐ下の「不織布ケース保存」も併せてお読みください)

■不織布ケース保存

そして、ある意味ではこっちが本題でもあるのですが、家に現存するヲタCD・DVDの中でプラケースは外してもいいかな、「不織布ケース保存」でいいかな、と思えるものの選別。

ただ実際の選別作業に取り掛かる前に、まず絶対に頭に入れておきたいのは、「CD・DVD・BDを不織布ケースで保存すると劣化が早くなる可能性もある」ということです。
記録面(ディスクの裏側)が直接接触しにくいプラケースに比べると、記録面が常に布地部分と接触している不織布ケースは、繊細な記録面に布の凹凸跡がついてしまうなどした場合、最悪再生できなくなる恐れがあります。(参考:ブルーレイディスクの正しい保管方法|サンワサプライ株式会社

もちろん、不織布保存に向かないといわれる(記録面をカバーする層が薄い)BDの普及に伴い、現在ではなるべく凸凹がつかないように改良されたBD対応型の不織布ケースも多数発売されてはいるのですが、比較的耐久性が高いCD・DVDでさえ不織布ケースによる再生トラブルが現在もたまーに出てきていることも含め、素人の保管環境に絶対はありません。
なのでここでいう不織布ケース保存とはすなわち、「もし万一そういうトラブルが起きて再生できなくなっちゃうことがあったとしても、自分の中でまぁいいかと諦められるもの」のセレクトを意味しています。

その上で私の場合、もうそろそろ不織布ケース保存でもいいかなと思ったものはこんな内容でした。

・デジタル音源販売済の楽曲しか入っていないCD(+パソコンにも音源データ保存済)
・たぶん収納棚には並べず再度ダンボール収納になりそう&まぁディスク現物だけあればいいかなって思うDVD

そして1枚1枚吟味した結果、ここで「不織布ケース保存」に該当したものはCDが191枚、DVDが40枚になりました。

4・それではさっそく不織布ケースにいれてみよう

それでは熟考の末に仕分けされたヲタクCD・DVDたちを最適化するために、ここで「不織布ケース保存」に選ばれた品を、実際にひとつひとつプラケースから取り外し、収めていきます。
今回の片づけにあたり、実際に私がまとめ買いしたのはエレコムの「Blu-ray・CD・DVD対応不織布ケース/CCD-NBWB240WH」(2穴タイプ)でした。

一応事前にいろいろと商品を見比べたのですが、私の場合はとにかく収納予定枚数が多かったので、最終的には1枚あたりのコスパが良い&一応BDにも対応しているタイプの不織布ケースを選んでいます。

※もし収納予定枚数が少ない場合は、コスパに関しては100均のものでも充分良いと思います(ただ現状100均ではCD・DVD専用、BDまでは対応していない不織布ケースがメインぽいのでその辺は目的によって要確認)
※またDVDの紙ジャケットに関しては、私個人は今後もコレクションが無限増殖していきそうなので、あえて紙ジャケットは処分してディスクのみを残すという形をとっていますが、不織布ケースには紙ジャケット込みでセット収納できるものもあります

あと、ネット通販で不織布ケースを購入する場合、一体型のブックタイプじゃなければ、一緒に収納ケースも探しておきましょう。
私は中身の入れ替えを自由にしたいタイプなので、今回は2穴タイプの不織布ケースにあわせてリングつきの「DVD・CD不織布ケース専用ファイル」を用意しています。

―――

ということで前置きがだいぶ長くなりましたが、ここからは地道に、プラケースの中のCD・DVD+紙ジャケットを不織布ケースへと移し替えていきましょう。

発売からもう20年が経ったことに気づいてしまったモーニング娘。「恋のダンスサイト」

ちなみに不織布ケースの10枚と、プラケースの10枚にはこれくらいのサイズ差があります。

そして用事の合間をみながらこつこつと入れ続けること3日、計231枚のビフォーアフターはこんな感じになりました。
まずはCD191枚。

そしてDVD40枚。

そして「不織布ケース保存」と「そのまま完全保存」のCD・DVDをもう一度収め直した結果は

■片づけ前の総量

・カラーボックスの棚3段(限界までフル使用)
・ダンボール140サイズ1個(限界までフル使用)
・ダンボール100サイズ1個(限界までフル使用)

■片づけ後の総量

・カラーボックスの棚2・5段(かなり余裕あり)
・ダンボール100サイズ1個(余裕あり)
・100均のコミック本用収納ボックス2個(余裕あり)

片づけ前に比べると全体的なサイズダウンに成功しただけでなく、すぐに取り出さないものもファイリングされていることで視認性が格段に良くなりました。
またダンボールは動かすのに苦労しない重さになったことから、天棚におけるようにもなり、これがまた見やすいわ場所取らないわでめっちゃ助かるわけです。

5・CD・DVDを片付けていてヲタクが気づいたこと/感じたこと
CD編

今回、プラケースからCDをひとつひとつ取り出していく作業の中で、いざ手に取ってみると特にプラケースに謎のひび割れ傷があったり、中の留め具が一部破損しているものがぽろぽろと出現してきたんですよ。
もともと物持ちが良いタイプの人間なので、なんでかなぁってちょっと不思議に思っていたんですけど、よく考えたらそもそも大量のCD・DVDをダンボールへ突っ込んでいた理由は「2018年の胆振東部地震でCD収納が一度崩壊してしまったから」でした(←すっかり忘れていた)。

思えば胆振東部地震のときも、古くは十勝沖地震(2003)のときも、最大震度5の揺れで真っ先に、そして唯一被害があったのがカラーボックスに収めていた大量のCDコレクションの一斉落下だったんです。
だから不織布ケースにもリスクがあるけど、プラケースにも決してリスクがないってことではなくて、特にコレクション品として大事にしておきたい人ほど、一度災害対策としての整理はした方がいいのかもしれません。

DVD編

ヲタクの主戦場がVHSからDVDに変わってもう20年近く経とうとしていますが、VHSケースに比べるとDVDケースはなんだか汚れる速度が早いような気がしているのは、私だけでしょうか。

なんだろうな、VHSは厚みがあったからまだ気になりにくかったんですけど、DVDは薄い分、年数を追うごとに擦り傷の手触りと原因不明のぺとぺと(皮脂汚れ?)が余計悪目立ちしていく感じ。
いま思うとクローゼットに積まれていたダンボールの開けにくさというのは、知らず知らずに耐え切れなくなってきていた古いDVDケースの手触りの劣化が、ものすごく関係していたんじゃないかって思っています。

ただ今回、その問題の古いDVDケースを外し、ディスクを改めて真新しい不織布ケースに入れ直してみると、古さゆえに今まで全然見返そうと思わなかったものが、総じて中身見たくなってくるからまた不思議。
そしてCDに比べるとDVDの収録映像は今でも実用性が高い(見ていて楽しい)ものが多いので、自分のDVDコレクションが綺麗な形で総数把握できるようになると、「あぁ持ってないのまた探してみようかな」という気持ちにもなってくるからほんと不思議(ヲタク七不思議のひとつ「捨ててるのに増える」)

6・最後に、ヲタクの片づけにもっとも大事なこととは

今回のCD・DVDの他にも、最近は個人的に、90年代からのヲタ活による新聞・雑誌の切り抜きも再度整理し直していまして。
そんな感じで膨大なヲタクコレクションをこうして一から整え直すにあたり、私は今回から可能なものには「万一のことがあったらこれは処分していいよ」という一言メモを、なんかしらの形でつけておくようにしました。

というのは昨年家族が亡くなったときに、生前からゆっくり整理&区分けが進んでいたこともあって、遺品整理にまったく困らなかったというのがあったんです。
なんかそういうのを見ていると、突然万一が起きたときのことを考えて、特に趣味のものに関しては、買い集めた自分自身が普段からある程度の区分けをしておくことはとても大事だなと感じました。

でもこれは決して暗い話じゃなく、そうやって迷惑をかけないであろう道筋をつけておくことで、私たちヲタクは堂々と、新たなコレクションを遠慮なく増やすことができるということなのです。
そう!!!!
結局ヲタクにとっての片づけとは!!!!
断捨離でも生前整理でもなく!!!!!
あくまでも永遠に趣味を楽しむためのもの!!!!!!!!

というわけでこの記事が今後、時と距離を越えてどこかしらのヲタク宅でお役に立てれば幸いです。

勝手にボーイズグループ楽曲大賞2019(参考記録)

今年の秋頃から思うところありまして、男性アイドル/ボーイズグループの音楽活動を集中的に、手広く追っかけるようになりました。

(注目し始めてからの期間的に、あんまりえらそうな内容は書けないと思いつつ)せっかくの年末なので、今回は2019年にリリースされた男性アイドル/ボーイズグループの各楽曲の中から、個人的に「抑えたい」「もっと聴いてほしい」「もっと売れろ!!」と思っていた作品、そして個人的なボーイズグループ楽曲大賞2019を、それぞれピックアップしてご紹介したいと思います。

1・異業種グループ部門

吉本坂46『今夜はええやん』(2019.5.8)


吉本坂46 『今夜はええやん』Music Video / YOSHIMOTOZAKA46-Konyaha eeyan

B Pressure『Freeze』(2019.11.1)


【B Pressure 御披露目ムービー】1st Single『Freeze』2019.11.1 Release

まず、男性アイドル/ボーイズグループといえば、意外に忘れちゃいけないのが異業種からの挑戦組。
ルーツはどこから、とか話しだすと収集つかなくなるので割愛しますが、平成だけでもポケビ・ブラビとか野猿とか、異業種集団は”アイドルグループ”としての大成功を収めることが、ときたまあったりするわけです。
そしてその流れの中で、今面白いなぁと思って注目しているのは吉本坂46とB Pressure。
まず吉本坂46は名前そのまんま、吉本興業の所属タレントで構成されているアイドルグループになります(正式な坂道シリーズ第三弾ってんだから公式にもやっぱりアイドル)。
この『今夜はええやん』に行き着いたきっかけは吉本がいろいろ揉めていたあの時期、深夜に無性に極楽とんぼが見聞きしたくなったタイミングでのYoutube検索だったんですが、まさか山本圭壱探してて、こんな120億点のアイドル曲見つかると思わないじゃないですか。

ランキングを見ている感じだと、パッケージの売上は何かとアイドル的スコアが高い、選抜ユニット・REDの方が完全に核になっています。
しかし次曲の『STRAY SHEEP』も含めて、もっとも異業種からのヒットアイドルセオリーに乗っかってるのは、やっぱり『今夜はええやん』を歌ってる選抜の方だと思うんですよね。

あととんねるずの石橋さん&野猿の平山さん(テルリン)&野猿の神波さん(カンちゃん)で今年9月に結成発表されたB Pressureには、超個人的な思い出がありまして。
実は今月、札幌でのリリースイベントを観にいってたんですよ。とんねるずと野猿好きだったもんだから。

幼少期から「とんねるずのみなさんのおかげです」を見て育った私には本当に衝撃だったんですが、B Pressureって令和のグループだから、普通にリリイベでハイタッチ会をやるんです。
しかもまだ活動が始まったばかりでまだしっかりしたレギュレーションが定まってないというか、実質剥がしなしの超低速。
なのに相手とんねるず。列が進むごとになんかもうよくわからない、超ふわふわした感じ。
そしていざ自分の番になり、カンちゃん→テルリンと流れて(本物の野猿と会えただけでもう感動してるのに)、ハイタッチの締めがタカさん。
なんとか声を絞り出して「幼稚園から好きでした」っていったら、タカさん、瞬時にテレビで見たことのない、本物のお父さんのようなすんごい優しい顔*1*2をしました。
「あっテレビを通じて私この人に本当に育てられてたんだ」と実感しました。その後嬉しくてちょっと泣きました。
つまり結論としては、B Pressureのリリイベはヘタすると人生観変わるレベルのすごい威力があるぞ、という話です。気になる方は行って見てください。石橋貴明と1対1でコミュニケーションとれてしまうの、あの手の音楽グループで活動しているうちだぞ!!!*3

Freeze

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2・EBiDAN系グループ部門

DISH//『NOT FLUNKY』(2019.7.27)


DISH// 『NOT FLUNKY』MUSIC VIDEO

超特急『Revival Love』(2019.11.20)


超特急「Revival Love」MUSIC VIDEO

ファイヤードラゴン from SUPER★DRAGON『On My Way』(2019.12.4)


[MV] On My Way / ファイヤードラゴン from SUPER★DRAGON

本格的にボーイズグループの動向を追っかけるようになってから、とても印象的だったのが、「EBiDAN所属グループがここ数年で急激に外部訴求力を獲得してきている」ことでした。
やっぱり2012~2013年くらいの超特急やDISH//を思い出してみると、あまりにも幼すぎる彼らが演じる”新機軸”は、同世代以外には唐突でなかなか簡単に飲み込むのが難しかったと思うんですよ。
でもそういう時期も含めて、かつて中高生アイドルだった男の子たちが20代の青年になり、明確な意志をもってやってる集団活動っていうのは単純にブレがない。
エンターテインメントとしても、非常に脂がのってる。

ジャニーズとは似て非なる「非アイドル」が公式コンセプトとはいえ、立派な好敵手ですよ、もはや。
ちなみにファイヤードラゴン from SUPER★DRAGON『On My Way』はまじでちょっとおかしいくらいの良曲。もっとYoutube再生が多くてもいいのではないでしょうか。

NOT FLUNKY

NOT FLUNKY

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3・K-POPグループ部門

TOMORROW X TOGETHER『New Rules』(2019.10.21)


[최초공개] TXT(투모로우바이투게더) - New Rules @TOMORROW X TOGETHER Welcome Back Show

TOMORROW X TOGETHERは2019年3月デビューのK-POPアイドルグループ。
CDランキングでも配信ランキングでも、この日本においてK-POPアイドルの登場を毎週見かけるのがすっかり普通になった中、それでもTOMORROW X TOGETHERがなんか気になり続けているのは、明らかにヒュニンカイくんの存在です。
アメリカ人と韓国人のハーフである彼、見たらまんま韓国のマリウスじゃねーか!!!

……ここからちょっと余談なんですが、本来あんまりK-POPアイドルには目覚めない気質である自分が、K-POPもしっかり勉強しようと思ったのは、実際に仕事で一緒になった日本の若手ボーイズグループの男の子が、K-POPの男性アイドルばかり見聞きしまくっていたというのがきっかけです。
2010年代前半の時点でも、この手の男の子はまだあまり見かけなかったと思うんですが、そこから5年くらいで、今はもう男性アイドル当人の憧れがジャニーズを飛び越えてK-POPに直接向かってる時代。
男性アイドル論をひとつ語るにしてもジャニーズ勢と非ジャニーズ勢、そして毎週のように新星が出現するK-POPの領域まで抑えてやっと、最低限の説得力が生まれる状況なんだと日に日に思います。
[asin:B07YMV9NZ7:detail]

4・LDH系グループ部門

三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE『Rat-tat-tat』(2019.9.19)


Rat-tat-tat

RYUJI IMAICHI『RILY』(2019.10.30)


RYUJI IMAICHI / RILY (Music Video)

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE 『So Good』(2019.10.30)


THE RAMPAGE from EXILE TRIBE / 2nd Album「THE RIOT」-Teaser-

お笑い芸人、EBiDAN、K-POPアイドルときて、ここで忘れちゃいけないのがさらにもう一枠、EXILEをトップとするLDH系グループの存在。
それこそEXILEが出てきた直後なんかは、まだまだジャニーズ勢とのすみ分けはハッキリなされていましたが、三代目、GENERATIONSと代を重ねるごとにその血がどんどんアイドル寄りになっていき、決定打になったのはあの有名な「HiGH&LOW」の制作だったと思います。
(Twitterの既存アイドルファンが「HiGH&LOW」とつぶやきながら見事に転がっていった様はいまだ、昨日のことのように忘れられません)

今年のLDH系で個人的に好きなのはTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE『So Good』(2ndアルバム「THE RIOT」に収録)やRYUJI IMAICHI『RILY』あたりなんですが、記録的に、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE『Rat-tat-tat』の売れっぷりもここでは添えときたい。
『Rat-tat-tat』は今年下半期のデジタル売上ランキングにほんとずーーーーーっとランクインしてた。
これはTikTokで楽曲を使用したダンスが流行ったのが大きかったみたいです。

5・非アイドル事務所&ローカルグループ部門

First place『SNOW LIGHT』(2019.11.13)


First place「SNOW LIGHT」MV(フルver.)

Cool-X『この街でキミと ~NAGOYA LOVER~』(2019.11.20)


【MV】Cool-X 『この街でキミと ~NAGOYA LOVER~』

NORD『なまらLOVEキュン』(2019.12.24)


NORD / なまらLOVEキュン

少し前に「ボーイズグループ戦国時代」という記事も書いたことがあるんですが、男性アイドルシーンにあの時代を思わせる香りがぷんぷん漂ってきているのは、ブームに不可欠な「良質なローカルグループ」「非アイドル事務所の新規参入」の要素が、着実に揃ってきているからだと思うんです。
例えば名古屋のCool-Xが歌っている『この街でキミと ~NAGOYA LOVER~』とか、北海道のNORDが歌っている『なまらLOVEキュン』とか、それこそ2012~2013年くらいにロコドルからRYUTistとかDorothy Little HappyとかGALETTeとかすんごいのがごろごろ出てきた、あの高揚感を思い出させる出来ではありませんか。
そしてこの混沌に、ビーイングがド直系のFirst place『SNOW LIGHT』をぶっこんでくるというその様。*4
決して現時点で有名な王道グループではない存在が、わんさか良質な楽曲を発表しだすのを見ていると、なんだか「あぁいよいよだな~」って感じがするのは私だけでしょうか。

6・ジャニーズグループ部門

嵐『Turning Up』(2019.11.3)


ARASHI - Turning Up [Official Choreography Video]

長年にわたって日本の男性アイドル界の頂点に君臨し、強固なブランドパワーを支えにとにかく我が道を独走してきたジャニーズ事務所ですが、2019年は創業者のジャニー喜多川氏が亡くなるという大きな出来事もあり、内外で変革の萌芽がかなり見えてきた1年でもありました。
その中でやはり一番インパクトがあったのは嵐のデジタル全面解禁ですが、初デジタル作品となった『Turning Up』の聴きやすさって、内容はもちろん、「楽曲がタイアップに縛られ過ぎていない」ことに由来する痛快感もだいぶ大きかったと思うんですよ。

そしてそういう”非タイアップ曲”を自由に展開できる土壌が整ってくると、もともと音楽面に注ぐリソースがだいぶ芳醇なジャニーズは、やっぱり強くて面白くなるはずで。
まだ他グループの解禁の兆しが見えてこないところはちょっと不安材料ですが、期待を込めて推したいと思います。『A-RA-SHI : Reborn』も好きです。
(だから頼むから一日も早くSMAPのストリーミング解禁を……)

Turning Up

Turning Up

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そして、初めての試みとなる、今回の「勝手にボーイズグループ楽曲大賞2019」。
数々の名曲たちを抑え、見事1位に選ばれたのは……

【勝手にボーイズグループ楽曲大賞2019】

Da-iCE『FAKE ME FAKE ME OUT』(2019.4.24)


Da-iCE - 「FAKE ME FAKE ME OUT」Music Video

本格的にシーンの流れこそ追うようになったのは秋頃からですが、それこそボーイズグループへのイメージが一気に刷新されて、強い興味を持ったのは、このDa-iCE『FAKE ME FAKE ME OUT』を耳にしたのがきっかけだったんです。
出会いの場はなんとラーメン屋の有線(実話)。

その頃はぶっちゃけちょっと疲れていて、積極的に楽曲開拓をすることが久しく無くなっていた時期でもあったんですが、この曲はさすがに聴いてその場で検索しました。
そしたら歌っていたのがDa-iCE*5
しかも提供したのはOfficial髭男dismの藤原聡という。

当時のOfficial髭男dismはまだ『Pretender』がリリースされていなかったため、テレビでDa-iCEが『FAKE ME FAKE ME OUT』を披露する際にはOfficial髭男dismの紹介時に”アイコとスガシカオが絶賛!”という注釈がつけられていたのですが、そういうタイミングで、Da-iCEはこの曲を出しました。ここがほんと重要。
歌、パフォーマンス、そして何気に芸能界で大事であろう運において、今年のボーイズグループシーンは、この作品がまさに大賞に相応しい出来だったと思います。

FAKE ME FAKE ME OUT(通常盤)

FAKE ME FAKE ME OUT(通常盤)

  • アーティスト:Da-iCE
  • Universal Music =music=
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*1:具体的には「うたばん」でなっちやゴマキを可愛がるときの顔に近いんですが、そこに今までテレビでは見たことのなかった”お父さん”が変化球でのっかった表情

*2:後で考えたら実父とほぼ年齢が一緒なので、そりゃそうかって感じもする

*3:ちなみにMCで「ライバルは純烈」って言ってました

*4:個人的にはLa PomPonの転生だと思ってる

*5:曲を始めて聴いた時点では「石川慎吾(現読売ジャイアンツ)の登場曲の人たち」という知識どまりでした。 あと大野雄大(中日ドラゴンズ)のイメージ。 しかしそっちの大野雄大も結局、今年ノーノーやっちゃってるんだからやっぱスゴいとしか

「ボーイズアイドル戦国時代」




「なんかもう誰も口にしてないだけで、とっくにボーイズアイドル戦国時代だよねこれ」

仕事でちょうど2012年のガールズアイドル戦国時代*1を振り返っていたタイミングでもあり、直後に2019年のボーイズアイドルのMVをしこたまチェックしていたところで、ふとこんなツイートをしたら、思いのほか反応があった。

それこそガールズアイドルの話題が日本中で飛び交っていた2012年頃、ボーイズアイドルというのはまだジャニーズの独占ジャンルでしたけど、
それでも(ももクロやエビ中が売れ始めたあたりのスタダによる)EBiDANや、(HiGH&LOWが当たったあたりからの)LDHが少しずつボーイズアイドルの芽を伸ばしてきて、そこに2017年頃からはさらにいろんな芸能事務所やローカル勢や自主立ち上げ勢が乗り込んできて、今でしょう。
(あとK-POPグループという追い風も確実にあるのかな)
(思えば「歌ってみた」ジャンルやYoutuberも広義でアイドルのくくりか)

実際”ジャニーズじゃない方”の先行チームであるEBiDANやLDHがだいぶベテランの域に入ってきて、”ジャニーズじゃない方”アイドルの幅がかなり広がったことで、
今ミュージックビデオとか見ててもどのボーイズアイドルもほんとに面白い。
それこそ今の勢いって、あのガールズアイドル戦国時代ととっくに重なってるレベルだと思うんですよ。
だけどそれをいざ話題にしたくても、あんまり専門で書かせてくれそうなメディアって現状全然思いつかなくて。それが今一番難しいところ。
ほんとは嵐もyoutubeデビューする時代、ジャニーズからメンズ地下アイドルまでバーッと話題並べて、みんなで盛り上がりたいじゃないですか。
(最後はただの個人の感想)


<メモ:Google検索結果>
男性アイドル 約 307,000,000 件
メンズアイドル 約 54,200,000 件
ジャニーズ 約 52,000,000 件
ボーイズアイドル 約 15,500,000 件
ボーイズユニット 約 8,650,000 件

*1:便宜上、今回はこういう書き方で

「北海道のボーイズグループ・NORDのライブに3ヶ月通ってみたので感想を書きます」(※仕事抜き)

いきなりですが最近、北海道のボーイズグループ・NORDにハマっています。

<経緯>
drifter-2181.hateblo.jp

そしてNORDの存在を知って以降、私は執筆業も営んでいるので、外部媒体であれやこれやと発信することでずっと応援の気持ちを形にしてきたのですが
一方で、私はただ純粋なるドルヲタでもあり、NORDのことを仕事の観点抜いて一度ガチのヲタ考察をやってみたい、という思いがずっとありました。

そんなドルヲタの前に今年突然降ってきたのが、NORDの「シュウイチ☆ライブ」。
6月のワンマンライブ(札幌市教育文化会館)を成功させるために、2019年1月から毎週メンバーが持ち回りでプロデュースを担当し、ほぼ固定のハコで自ら衣装演出セットリストを決めて、無料ミニライブを行っていくという試みです。

「毎週メンバーが持ち回りでプロデュースを担当」
「ほぼ固定のハコで」
「自ら衣装演出セットリストを決める」

……何それ絶対面白いに決まってるじゃん

というわけで1月24日の初日から雪の日も、雪の日も、雪の日も(北海道だから)、ドルヲタ1人で、NORDライブに毎週せっせと通いました。
平日夕方だから私と同年代のお姉さま方は大体仕事か家事。客層若い。制服姿のギャルいっぱい。しかし通い続けた。
まだ知名度は低いかもしれないけど、だからこそ通い続けたら、ステージに一体何が浮かび上がってくるのか。そこにこそ、私ドルヲタは純粋に興味があったのです。
そして行けるぶんだけ行きまくって、昨日で一区切りの8週目が終了。

前置きが長くなりましたが今回はまだあまり知名度がない、だけどドルヲタの私がものすごく面白いと思っているNORDのことを、仕事抜きでただただ語らせてほしいと思います。

―――

NORDについて仕事抜きで語らせてほしい(年齢順です)


Login • Instagramより

■舟木健(ふなき たける)
■生年月日:2001年8月10日

<はじめての人のために>
2001年生まれの17歳。歌、ダンス、演技とオールマイティにこなすNORDの最年少エース。唯一の高校生。メンバーカラーはレッド。

<ドルヲタの注目ポイント>
最年少ゆえのかわいさと伸びしろ

インスタを見てもらえば一目瞭然、お分かりいただけるだろうか、この完成度。
17歳にしてすでに180cmの高身長、俳優系の整った顔立ち、しかも子供の頃からミュージカルなどに出演していたおかげで、歌、ダンス、演技、何をやっても高得点を叩き出せてしまう舟木くん。これでおまけに楽器が弾けて曲作りもしている。なんかもうほんとすごいんですよ、21セイキウマレ…

しかし彼が本当に注目されるべきは、そんな高得点男なのに、NORDの中ではどこまでも「かわいい弟扱いである」ということなんです。
めちゃくちゃかっこいいダンスや煽りをこなした直後、ライブのMCでど下ネタが出てしまったときに、4歳上の卓城くんに「お前にはまだ早い」と言われて本当に早いから何も言えなくなってしまう舟木くん。
自分のプロデュースライブで念願のギター弾き語りが実現し、やはり4歳上の島くんに「よかったねぇ、ほんとうによかったねぇ」と誉めそやされ、本当に嬉しいからそれに何も返さずただただ聞いてしまう舟木くん。
……舟木くんはね!!本当にね!!かわいいんだよ!!
言われたことを抵抗や謙遜なくスッと受け入れられる、それは育ちの良さかなとも思うし、何より周りに愛されて育ってきた証拠だろうなと思うし、だからこそ安心できる「かわいい最年少」。

でも同時に、健くんはまだまだ成長中で、歌、ダンス、演技とすべてにおいて、さらにこれから熟成の余地が残りまくっている存在でもあるんですよ。
彼の芸能人としての本番はきっと19~20歳くらいからだろうなぁと思っていて、内面が完全に成熟したとき、すごい見ごたえのある表現者になるんだろうなと思うし。だけどそうなるともしかしたら、今の「かわいさ」はもう少しビジネス的な形で引っ込んでしまうのかもしれない。
だからこそ舟木くんを愛でるなら今のうちから。そしてそのうちステージで「あっ大人になってる」という表情を見つけられたら、その時に初めてこっちの勝ちだと思います(何が)。



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■枝元雷亜(えだもと らいあ)
■生年月日:1999年6月5日

<はじめての人のために>
1999年生まれの19歳。180cmの高身長と恵まれたその顔立ちで、雑誌Smartの専属モデルも務めている。メンバーカラーはオレンジ。ポテト愛好家。

<ドルヲタの注目ポイント>
実は歌・ダンスにおけるNORDのキーマン

雷亜くんといえば、やはり最初に目を引くのはそのスタイル。ただでさえ手足がスラっと長いのに、顔もめちゃくちゃ小さく、まさにモデルになるために生まれてきたような男。
そしてステージで次に注目されるのがツッコミ。実はほぼ全員が肝心なところでボケキャラというNORDにおいて、素早くかつ的確なツッコミをいれられる雷亜くんの存在はかなり貴重。だからトークスキルも本来なら絶賛したい。
しかし違うんだ、違うんだ、ビジュアルとツッコミセンスに長けた雷亜くんが本当に面白いのは……実は歌とダンスにおけるパフォーマンスなんです……!!

通常、NORDの歌唱メインは後述する島くん、花岡くんが張ることが多いです。その他に舟木くん、光くんも歌える人なので、卓城くん、そして雷亜くんは曲中でユニゾンや飛び道具的なパートを担うことが自然と多くなっていたりします。
しかし、本当は雷亜くんの歌声ってすんごく貴重な魅力を湛えてるんですよ。こちらの曲の1番Aメロを聴いてほしい。


NORD / 忙しい僕らの聖夜(よる)

ステージで映える歌声の持ち主が揃いまくってるNORDにおいて、雷亜くんの(独特のブレスの入れ方も含めた)少し細く、儚く、でも最後きっちりあわせてくる声って、実は楽曲の領域をものすごく広げてくれる存在なんです。
あと走ってそうなギリギリのラインで行き来する、そのリズム感も聞いててすごくドキドキするし面白い。
こういうのは狙ってできる芸当ではない、からこそ。

次曲の『Starlit Sky』でサビ前の結構おいしいところにソロパートが来てるのも、実はその辺深く関係してるんじゃないかなぁと想像しています。
そして舟木くん、光くんが注目されがちなダンスの部分で、時にデメリットにもなりうる長い手足で実はすごく器用にキレのあるリズムとってるのも雷亜くん。
モデルを目指すご本人が果たしてその魅力的なスキルをどれぐらい自覚しているかは不明ですが、とりあえず「歌とダンスめちゃくちゃ期待込みで見られてるしこれからもいろんな人に期待込みで見られてると思うよ」と、ここに一文書き残しておきたいと思います。



https://twitter.com/shimazaki0129より

■島太星(しま たいせい)
■生年月日:1998年1月29日

<はじめての人のために>
1998年生まれの21歳。圧倒的な歌唱力でいまや北海道外でもその名を知られつつある、NORDのメインボーカリスト。おしるこが大好き。メンバーカラーはグリーン。

<ドルヲタの注目ポイント>
ダンスや芝居の場数を踏むことである日突然に広がる「歌唱表現の幅」

オーディション時からその歌唱力で注目を集め、NORD結成後はひとりNYでアポロシアターのステージにも立っている島くん。彼は所属レーベルであるソニーミュージックの選抜ユニット「Love Harmony’s, Inc.」にも選ばれ、『浪漫飛行』のカバーは現在Youtubeで再生数約237万回と驚異の数字を残しています。

実は超テレビ向きなド天然キャラであるというギャップも含め、実力もあるし実績もすでにちゃんと残しているので、今さら歌がどうのとか天然がどうのとか、っていうところは今回私が語らずとも良いかなと思います。
ただその上で、この半年ぐらいで島くんに関してすんごく印象に残ったのが2点あって、それは「ダンスが明らかに上手くなった」、そして「MVでの表情が格段に良くなった」

まずダンス。島くんはオーディション時からすでにダンスが苦手ということが明かされていました。それはもうストレッチの段階から四苦八苦するほど。そしてNORDのメンバーになってもその苦手っぷりは変わらず、正直1年前のステージを思い出すと、その苦手意識を歌パートに比重を置く(ように見せる)ことでごまかしていたことも、時にはあったように、思います。
ただね、ここに来ていま島くんのダンスが、めちゃめちゃしっかりしてきている。それは体を鍛えた結果なのか練習の成果かはわからないけど、一番はおそらく、歌うことと踊ることの意味が彼の中でついに自然と繋がり始めた、ということだと思います。
踊ることへの恐れを島くん自身が払拭できつつあるから、お客さんは上手い下手じゃなくて「観賞に耐えうる自信を演者がちゃんと持ってるな」と解釈でき、自然にステージの世界に入っていってくれる。
あと島くんは今年放送のドラマ『チャンネルはそのまま!』にもメインキャストのひとりとして出演しているのですが、そこでガチンコのお芝居を経験してから、明らかに歌うときの表情も良くなってる。
すごくわかりやすいのがドラマ撮影後に公開された「Starlit Sky」の映像。それまでのMVにおける表情の引き出しが5だったとしたら、「Starlit Sky」の引き出しは500倍くらい増えてる。


NORD / Starlit Sky

もちろん歌唱力はもう言うまでもなく良いわけで、リズムも絶対外さないし、これにダンスとお芝居での成長が重なった場合……島くんは後にミュージカル方面でもガチで花開ける存在なんじゃないかなって思うんですよ。
だからこそ島くんは今のうちに、場数を踏めるだけ踏んどいた方が良い!
何か失敗しても\かわいい/のが若さの特権でもあるのだから、今のうちにいっぱい失敗して、そう遠くない未来でいっぱい成功してほしいです。



Login • Instagramより

■瀧原光(たきはら ひかる)
■生年月日:1997年6月12日

<はじめての人のために>
1997年生まれの21歳。運動神経が良く、ダンスの腕はピカイチ。NORDのアクロバット担当でもある。結構脱ぎたがりの筋肉マン。メンバーカラーはイエロー。

<ドルヲタの注目ポイント>
満場一致で「イケメン」と叫ばせてくれる存在感

光くんもインスタを見てもらえば一目瞭然なんですが、単刀直入にいってイケメン。かつてオーディション番組で一緒だったグランジ遠山さんも迷いなく推してたくらいのイケメン。
「(グループものでよくある)誰が一番かっこいいと思う?せーの」で指さしたら、間違いなく光くんはトップ取る顔立ち。ファンの皆様のTwitterとか見ていても、光くんに関しては他メンバーへの反応とちょっと違い、とにかくメロメロになっている女子が多い印象です。
それは彼の立派な個性であるという前置きで。

今回の本題はいざ光くんが、己の外見の整い具合を果たしてどれだけ自認しているのか。そしてそれをどれくらいパフォーマンスで生かそうと考えているのだろう、という話です。
現状彼はダンスで目を引き、大きいステージではアクロバットで喝采を浴びます。そして彼は甘く聴かせる歌声の持ち主でもある。
それでもね、いまのNORDのライブに早急にプラスできるコンテンツがあるとしたら、それは「瀧原光の2枚目っぷり」ではないのかと思うんですよ。
端的に説明すれば国民的アイドルでいうところの「オリジナルスマイルにおける木村拓哉」成分!!
ライブverだとかのSMAPの名曲・オリジナルスマイルは木村拓哉の独唱から始まっていくのですが、あの独唱の本当の肝は独特の木村拓哉歌唱ではなく、歌い終わった瞬間に木村拓哉が(意識的に放つ)イケメンぷりが誘発するところの「キャーーーーー!!!!」なんです
(もしくは歌い終わった瞬間に木村拓哉がマイクなしでさらっとキメる「ありがとう」からの「キャーーーーー!!!!」)

それこそ、あのオリジナルスマイルの出だし独唱を他のNORDメンバーで想像してみると、島くん花岡くんだと納得で終わってしまうし、舟木くんはまだ若い、長崎くん卓城くん雷亜くんは方向性がちょっと違う感じがする。
そう考えていくとボーイズグループ・NORDのパフォーマンス面において、「女子を一瞬にして虜にできる」特殊能力を授かっているのは光くんだけなんだよ!と兼SMAPファンは強く訴えたい。

そしてもう少し続ければ、SMAPにおいては木村拓哉が授かっていたその特殊能力を、若いうちからライブプロデュースを担当していたメンバーの中居正広は客観的にわかっていて、だから1994年のツアー「SEXY SIX SHOW」で、21歳の木村拓哉はピンスポットでひとりオリジナルスマイルを歌っているんです。
そしてそれから19年後の2013年、スマスマ「シングルノンストップメドレー」でも構成を担当したメンバーの中居正広と香取慎吾は、やはりオリジナルスマイルのところで木村拓哉の独唱を入れる。外せない要素として、です。
2枚目で売るっていうのは、このSMAP木村拓哉のように全身全霊をかけて担い続けるっていうやり方もあるし、はたまたステージの一瞬にだけ最強の飛び道具として持ってくる、というやり方も実はあって、意外と幅が広いんです。
そして通年にせよ、一瞬にせよ、光くんが己の顔立ちをどう生かすかは、周り回って彼の表現力を抜群に育てることになると思います。そしてそれをメンバーが客観的に引き立てられる視点があったら、なおグループとして心強いと思います。



https://twitter.com/takuwithyouより

■安保卓城(あんぼ たくしろ)
■生年月日:1997年4月8日

<はじめての人のために>
1997年生まれの21歳。一発で見分けられる金髪と、熱いハートの持ち主。NORDの煽り担当。実は料理男子でもある。メンバーカラーはブルー。

<ドルヲタの注目ポイント>
”最強の飛び道具”としてのさらなる発展

NORDのライブを観にいくとわかるのが、NORDのトークパートをかなりの部分で支えているのが卓城くんだという事実。進行役を務めるのが年長の花岡くんとして、実は後ろに隠れる形で卓城くんは観客の温度や残り時間にめちゃめちゃ気を配っている。たまにはその気配りが空回りしてしまうこともある、けれど!
卓城くんの姿勢はきっと年上になればなるほど、胸を打たれていく類のものだと思います。(=学生よりも社会人向けの男、安保卓城)

そして”NORDイチ熱い男”という一面も持ち合わせている彼の見せ場は、やっぱり飛び道具。……あのね、飛び道具って言葉だけ見るとすごく簡単に見えるけど、グループものでこの役割を任せられる存在は本当に大事だよ!!!
それがやっとひとつ楽曲でも形になったのが2018年の「ヤーレンソーラン」。
この曲は歌割にはない合間の煽りも含めて、今のところNORD安保卓城を代表する一曲だと私は密かに思っています。


NORD / ヤーレンソーラン

そんで……「飛び道具がピッタリです!」って言いきってしまったところ、同時にふと頭に浮かぶのは「じゃあ卓城くんはこれからもずっとメイン張れないんですか」という声になるんですけど、女性アイドルの例で申し訳ないのですが石川梨華がピックアップされたモーニング娘。の名曲「ザ☆ピ~ス」なんかはまさに、”飛び道具”がセンター勝ち取った好例そのものであって。

思えば石川梨華も、後ろに隠れがちな真面目な気遣い屋という共通点があったんですよ。だからデビュー当時は本当にステージで目立てない存在、でもそんな彼女が”自分のやるべきことがちょっと見えてきた”きっかけが、師匠のつんく♂曰くデビュー3作目の『恋愛レボリューション21』における「ホイ!」のセリフだったそう。
「歌はヘタかもしれないけど、やる気でカバーできるタイプ」(つんく♂)。
そう、グループものの作品ってやっぱり上手い下手以外にも「聞き手のイメージ通りの歌が歌える」とか「自分なりの解釈をもって歌える」とか、正解が沢山あるんです。そうして石川梨華はやがて努力とともにシングル曲のセンターを取っていった。
だから卓城くんも、まさに「ヤーレンソーラン」のような見せ場をスタートラインとして、あとは自分がどう伸びていけるか、その分析と解釈だと思うんです。
それこそ「忙しい僕らの聖夜」の2番のAメロソロパートが本人の人柄にマッチしていて、歌声と共鳴して、とても聴き心地良かったように。

ちなみに卓城くんはゆずがすごく好きみたいなのですが、NORDの『ガッツ一直線!』なんかは、ゆずの『少年』『シシカバブー』『いちご』っぽいテイストの楽曲にも聴こえます。そしてまさにそういうポップソングは、卓城くんとも相性良さそうな気がします!



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■花岡領太(はなおか りょうた)
■生年月日:1995年8月22日

<はじめての人のために>
1995年生まれの23歳。NORDのメインボーカルであり、同時にライブに欠かせないMC担当。”あざとかわいい”担当でもある。メンバーカラーはピンク。

<ドルヲタの注目ポイント>
はっちゃけた時こそが花岡領太の真髄

NORD内ではこれまで紹介したメンバーより少し年上で、ステージでは進行役を担当することが多い花岡くん。特に大事な告知は必ず彼。その言葉の端々からも、彼が礼儀作法をきちんと重んじて生きてきたタイプの人であるということがなんとなくわかります。
NORDに入る前のオーディション時、用事があって母校に電話をかけた際の当時20歳の彼が、すでに敬語をバリバリ使いこなしていたのも今だに印象的。芸能人もまた社会人なわけで、そういうことが身についている人がイケメングループにおいて一人は絶対いなくちゃダメだろうし、花岡くんはそういう役割も期待されての、NORDメンバーであるのだろうと思います。

……しかしね、花岡くんの一番面白いところは、実はしっかりとは真逆の「はっちゃけた時」であると、私は主張したい!

実は今回通ったシュウイチライブでも、今までのところこの8週で一番ステージングが変わったの、私は花岡くんだと思ってるんです。
思い出すとそれまでのライブ、そしてシュウイチライブの初回、花岡くんはいつもどこか「おさまりが良い」パフォーマーだったんですよ。
平均点より少し上回ったところで自らを留めちゃう感じ。
それは個人なりの美学もあるのかなと思うけど、もしかしたら、この若いグループの中で最年長のリーダーがお休みしたことによって、彼の中ではいつしか自然と脱線できない責任感が勝っていたのかもしれない、とも思う。
ただその重かった”責任”の部分が、持ち回りのプロデューサー制にした今回のシュウイチライブでは、少し下ろせたんじゃないかなって。
週を追うごとに、花岡くんはどんどん表情が本当に豊かになったし、MCの足し引きもどんどん柔軟になっていきました。

NORDの年長組で、若い頃からバリバリ敬語つかえるくらいにしっかりしている花岡くんですが、本当は彼もまた年下のメンバーと同じく、本来「弟」気質の強い人だと個人的には思っています。
だからこそそのエネルギーがちゃんと発散できる環境が最重要で、場が整った途端、彼の前のめりな歌やダンスは急に個人の強みとして活きてくる。
そしてトークの脂乗りもやたらよくなる。
総合すると、頑張れちっちゃい好青年!
(そして「弟」気質を考えると、tiktokにいったのはとても正しい選択のような気がします)



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■長崎佑亮(ながさき ゆうすけ)
■生年月日:1994年5月9日

<はじめての人のために>
1994年生まれの24歳。NORDの最年長リーダー。現在は足の怪我によりお休み中。メンバーカラーはパープル。

<ドルヲタの注目ポイント>
弟だらけなボーイズグループNORDの「長兄」

そしてNORDを考察する上で、やっぱり外せないのはリーダーである長崎くんの存在。
といっても私が本格的にNORDのライブを見始めたのは長崎くんがお休みに入った後のことで、ステージに立っているリーダーはまだ見れたことがありません。
現時点の素材はオーディションの過去映像や、冠番組として放送されていたレバレバ!ノール、長崎くんがフル出演しているZeppSapporoでのワンマンライブのDVD、あと以前少しお話させてもらったことがある、くらいで。

ストレートに書くと、長崎くんは「ガチですでに大人だな」と思います。
花岡くんもしっかりしてるんだけど、1歳上の長崎くんはさらなるしっかり者。会話の出し引きが大人としてすでに完成されている印象。だからこそ、事務所の先輩であるTEAM NACS・森崎リーダーのラジオ番組「森崎博之のジャンジャンジャンプ」でもパーソナリティを任されたのだと思うし。

でも何があれって、これは長崎くんに本当に伝わってほしい部分ですが、NORDはずっと本心で長崎くんの帰りを待っている。
お休みの期間、「弟」6人はどのステージでも毎回必ず長崎くんの紹介もしています。それは自分たちの単独ライブだけじゃなく、満員の観客で埋め尽くされた北海きたえーるの「CUE DREAM JAM-BOREE 2018」でも、同じでした。
その積み重なった紹介の回数だけ、メンバーは「長崎くんの帰る場所」を守り続けている。
そしてその6人からの紹介に\ゆうすけー/で答えるファンの皆さんもまた、長崎くんにおかえりと言える場所を守り続けている。

私もまた、長崎くんがステージに帰ってくるその瞬間を、ひとりのファンとして楽しみに待っていたいと思っています。

あとついでにバンドが大好きな長崎くんへ、時代は違うけど同じくバンド界隈を見聞きしてきた人間として、今はバンドマンもマルチであることを求められる時代なので、ボーイズグループのステージ経験はそのまま後にものすごく活きてくると思います。
というかボーイズグループ兼バンドマンが一人くらいいたっていいと思います。それが許される時代なのだから。
いつかNORDのライブで長崎くんがギター弾いているところが見たい。
その日も、楽しみに待っています。

――

ここまで読んでくれた方へのお知らせ

【この記事を読んでNORDをもっと知りたくなった方へのおすすめ】

<動画で見たい方>
NORD Official YouTube Channel
www.youtube.com

<Twitterで追いかけたい方>
twitter.com

<今すぐライブに行きたい方>
NORD シュウイチ☆ライブ(毎週札幌市内で無料開催・チケット予約なくても当日鑑賞可能)
nord-official.jp

<大きなホール会場で観たい方>
NORD 3rd Anniversary LIVE 2019〜集まれ1,000人☆ゴー!ゴー!教文〜(2019年6月1日)

詳細は→https://nord-official.jp/


というわけで、今夜のお相手はただのヲタでした。文字数カウントしたところこの投稿11610文字になってました。笑った。まぁいいや、スッキリしたのでまたどこかの記事でお会いしましょう。

それでは皆さん、サリュー!*1

「SMAPと嵐:平成アイドルが描いた“旧来的な社会感覚”への抵抗」

国民的アイドルグループ・嵐が2020年末に活動を休止するというニュースは、衝撃こそ大きかったが、本人たちがすぐに記者会見を開いて経緯を説明したということもあり、概ね前向きに受け入れられた。
しかしその中でほぼ唯一“炎上”していたのが、先の記者会見で飛び出た、一人の記者の言葉である。

「(活動休止の決断は)無責任じゃないかという指摘もあると思うんです」

この「無責任」という言葉に対し、「自由な生活がしてみたい」と直前に活動休止の理由を明かしていた大野智の心情を慮ってか、櫻井翔は明らかに怒りを隠しながら返答。
そしてそのやりとりがテレビで流れ始めると、ネットでもすぐに「あの質問は何だ」「それはさすがに違う」と、怒りに同調する投稿が相次いでいったのだった。

電撃発表と記者会見から数日立った今、あれは一種の“必要悪”な質問だったのではないか、という意見もある。
ひとつは、活動休止の言葉から連想されるネガティブイメージの代弁という見方。
それを最初に、しかも本人たちに投げかけることで、結果としてはメンバーの強い否定が引き出されたため、そこに意味があったと考える人もいる。
また彼らが30代の成熟した社会人であるということを踏まえ、活動休止発表を文字通りの無責任と受け取った人も、決していなかったわけではない。
それは今まで彼らの活動を支えるために数えきれないほどの人が働き、それに連動して経済も大きく回っていたという事実に基づいてのものだ。

しかし、それでも今回の「無責任」に対する反発の規模は、記者の発言時の想像よりもはるかに大きかったのではないかと思う。
その源にあったのは「無責任」を包む旧来的な社会感覚と平成アイドルが体現してきた現代の価値観の、決定的なズレだった。


振り返れば確かに、光GENJIまでのアイドルは、多くの国民にとって一過性の華やかな消費物であった。
トイレにいかない、セックスもしない、永遠に若くて未熟で無知なままの偶像。
言い換えればそれは昭和ベースの社会感覚が求める「あり方」、その究極の理想像でもあった。

しかしその直後に続いたSMAPはというと、光GENJIという昭和的プロフェッショナルチームの影に長年苦しんだ末に、前時代の理想像を、同じアイドルの立場から打ち破ることを選んだ。
「アイドルのくせに」「未熟なくせに」「無知なくせに」。
SMAPは旧来的な社会感覚の深淵から生じるそんな隠れた蔑みとも闘いながら、それでも枠に囚われない活動を続けることで、光GENJIとはまた違う支持を生み出していく。
そうした苦労の末、SMAPがアイドルグループとして提示した答えとはオンリーワン、すなわち「自分たちは芸能人・アイドルである以前に人間である」という、ごく当たり前で、それでも前時代では決して聞き入れられなかった価値観だった。
そして生身の人間として、ありのままを尊重して生きていこうとするアイドルのメッセージとゆっくり連動するように、平成後期にはいつしかさまざまな分野で、一方的に他者から押し付けられた「あり方」の壁を打ち破ろうとする人々の声も、確実に増えていく。

しかしある意味、時代の流れを先取りし、自ら体現していたはずのSMAPも、結局は2015~2016年にかけて大きな壁にぶつかる。
自分たちの近しいスタッフに対するあからさまなパワハラ、グループの信頼関係やブランドイメージが瓦解するような”公開処刑”。
「アイドルのくせに」「未熟なくせに」「無知なくせに」。
これらのいわゆる分裂騒動で、事務所内部の権力者がSMAPにぶつけたのはまさに旧来的な社会感覚以外の何物でもなかった。
そして逡巡の末、SMAPはグループの解散を発表する。

2016年12月26日。
最後のテレビ出演となった冠番組『SMAP×SMAP』で、彼らは悪意を含んだ憶測や中傷に何も反論することのないまま、無言で数分に渡って頭を下げ続けることで、“社会的責任”をとってカメラの前から去っていった。
あの日のSMAPを、アイドルを、旧来的な社会感覚のままで一過性の華やかな消費物として見続けていた人は、その姿に納得して溜飲を下げたのかもしれない。
しかしあの日を生きた者の一人として証言できるのは、当日のSNSに漂っていたのはむしろ圧倒的に、現代のひとつの象徴がついに旧来的な社会感覚に押し潰された瞬間、その無数の目撃者たちのやりきれなさであった。
そして「一度何事にも縛られず、自由な生活がしてみたい」と打ち明けたアイドルに旧来的な「無責任」の言葉がコツンと当たったのは、あのやりきれなさから、まだわずか2年後の話だったのである。


嵐の記者会見の翌日。
“未熟で無知”なはずのアイドルは突然投げかけられた「無責任」に対し、やはり自分の言葉で区切りをつけていた。
やりきれなくても、無責任と言われても、こうしてまた時代は少しずつ、未来の方へと進んでいく。

「自分の中での温度が少し上がったというのはあるかもしれないです。ただ、あのご質問をいただいたおかげで、結果としてきちんと我々の思いの丈が温度を乗せて伝えることができた」
「先ほどの質問も含めて、ほかにもいろんな角度からの質問をしていただけて、お伝えすることができて、それは本当によかったです」
(櫻井翔/「news zero」日本テレビ系/2019年1月28日放送分)

やはり昭和から平成へ、そのアップデートの道筋を描いた立役者の中には、間違いなく国民的アイドルがいた。
それは隠れた蔑みと闘いながら「人間としての自分」を長年専門領域としてきたSMAPであったし、嵐だったのである。


(2023.12 タイトル変更&加筆修正しました)


<STORE>

「ドルヲタ23年目にして初めてローカルボーイズグループにハマった話」 #NORD #北海道

私はいままで、11歳のときに開眼した某国民的男性アイドルグループ*1に始まり、14歳のときには某国民的女性アイドルグループ*2と、30代の今日にいたるまでの23年間、とにかく国民的と呼ばれる大箱に惹かれ、ずっと応援を続けてきました。

これまでのドルヲタ人生の中では何度か社会的アイドルブームが起き、そのたびに様々な新興アイドルグループが人々の心を掴んでいきましたが、それでもやっぱり私は、国民的アイドルグループが好きでした。
それは私が基本接触を望まない在宅系であること、そして何より北海道在住の地方民という環境が大きく、
知名度が高い、メディア露出が多いというフックにこそ、アイドルファンとして大きな安らぎを得ていたのだと思います。

しかし。
この2018年、私は突然に、「まだ知名度が低く」「そんなにまだメディアにも出ていない」ボーイズグループにどハマりし、このようなテキストを衝動的に書くにいたりました。

私が出会ったのは7人組ボーイズグループ・NORD。
彼らはよりによって北海道のボーイズグループという、国民的とは全く正反対の全然目立たぬ存在でした。



https://nord-official.jp/より)

1・その衝撃は一本の動画から始まった

私がNORDというグループ名を一番最初に認識したのは2018年の3月、北海道の超有名ローカル番組である『どさんこワイド179』(STV)に、たまたまメンバーの一人が宣伝で出ているのを見かけたときです。
しかしその時は北海道にもこういう、つやつやしたボーイズグループがまた現れたのだなあ*3というくらいにしか、思っていなかったのが正直なところでした。

ですがそのうっすい認識が一瞬にして変わったのが、ドルヲタの知人にたまたま誘われて参加した2018年6月の「NORD 2nd Anniversary Party」というミニイベントでした。
私がこのイベントで一番衝撃を受けたのは、結成イベントならではのファンサービスの良さ…でもなく、なんなら歌やダンス…でもなく(本当にごめんなさい)、
実は、この日が初公開だった「NORD・ユーチューバーデビュー動画」だったんです。


http://www.cue-products.com/?p=goodsDetail_2530より)

NORDは北海道在住の男子限定オーディション番組『アオタガイ学園』(STV)を経て、2016年に誕生したばかりのボーイズグループです。
東京というメジャーなルートは通っていない、地方のごくありふれた風景で育ちそこに今も住む青年たち。
しかも皆まだ10代後半~20代前半、一般的にもわが身を振り返っても、ここらへんは社会的覚悟より”モテたい売れたいキャーキャー言われたい”がどうしても本能で先行しがちなお年頃です。
そんな若さとマイナー性とアイドル属性を備え持った彼らがイベント中、めちゃくちゃ軽いトーンで発した「NORD、ユーチューバーデビューします!」の言葉。

地方、ユーチューバー、オトシゴロノアイドルグループ…
正直「笑い」を取りに行っても「モテ」を取りに行っても壮絶にすっ転びそうなヤバさしかない条件の中、イベントで”世界最速公開”されていたのが、こちらの動画でした。









…あっ(察し)


確かに、NORDは北海道在住の男子限定オーディション番組「アオタガイ学園」(STV)を経て、2016年に誕生したばかりのボーイズグループです。
そしてここが超大事なのですが、彼らはアイドルであると同時に、あのTEAM NACSを生み出した北海道の芸能事務所「OFFICE CUE」の所属タレントでもあるのです。

北海道以外にお住まいの皆さんも、安田顕という俳優さんの名前は聞いたことがあるかと思います。
人気演劇ユニットのTEAM NACSに所属し、『下町ロケット』や『嘘の戦争』など数々の人気ドラマに出演、近年は『愛しのアイリーン』などで映画主演も務めている、あの有名な安田顕さん。
しかし全国各地の俳優・安田顕に対する熱視線とはまた違うところで、彼は北海道の一部視聴者から特別な思いで、その大きな飛躍を祈られています。
理由は「皮オペ完全ドキュメント ひと皮剥けた男への道」の記憶。
まだTEAM NACSが北海道ローカルを中心に活動していた00年代前半、バラエティ番組「鈴井の巣」(HTB)にて現事務所会長の鈴井貴之さんが見守る中、安田さんは視聴者からの募金を元に包茎手術を受けました。


そうだこの人たち、スタッフひっくるめて、「OFFICE CUE」なんだったわ(当時「鈴井の巣」で当該企画を見ていた人間の感想)。


聞くところによると鈴井会長率いるOFFICE CUEの社訓は「マルチであれ」だそうです。
テレビにラジオに歌にお芝居にと多くの先輩たちが必死に結果を残し続けている中、本当の意味で厳しい芸能界を生き抜いていくためには、モテたい売れたいキャーキャー言われたいでは当然話にならないでしょう。
そしてテレビやCD離れも叫ばれてすでに久しい中、OFFICE CUEがYoutubeに送り込んだのは


ボーイズグループだっつってんのに「ち○こ」をタブーとしないどころか嬉しそうな笑顔で元気に発声してしまうメンバーと、それにOKを出すスタッフの根性


正直まったく想像してなかったレベルで、むちゃくちゃ笑いました。
そしてステージでおなじ映像を見ていた当のメンバーも、自分たちを見て、めちゃくちゃ笑っていました。



「正直すっっっっげぇ面白かった」

一見の客にそう呟かせるNGの無さと本人たちのためらいのなさが、NORDには最初からすでにあったのがすごく印象的で、その強烈な記憶は寝ても覚めても、なかなか忘れることができませんでした。

2・そして意外に楽曲センスが良すぎるNORD

出会いがしらに見た映像があまりにも目から鱗的な内容だっただけに、ここまで一貫して「なんか面白いんだよこの人たち」という側面ばかり語り通していますが、もう一つどうしてもお伝えしたいのはこのNORD、「意外に楽曲センスも良すぎる」
この点に関しては言葉で説明するよりまず、Youtubeの楽曲映像を見ていただきたい。

僕=君・ハート♡キャッチ(2018.3)

実はグループ誕生時からOFFICE CUEとともにNORDと深く関係しているのがソニーミュージック
もともとオーディション自体もOFFICE CUEとソニーミュージックの合同開催だったという経緯があり、それゆえでしょうか、地方拠点のボーイズグループという図式からはちょっと想像できないほど、アイドルジャンルとして非常に楽曲の質が良いんです。

ちなみにNORDの楽曲はまだメジャーデビュー前ながら、CDはライブ会場や事務所の通販サイトで、そして音源はiTunes Storeで購入することができるようになっています。
そしてこれは本当に今どきだなぁと思うのですが、定額制の音楽配信サービス・Apple Musicを有料で利用している人は、なんと今までに発表されたNORDのすべての音源がサービス内で再生可能です↓

NORD

  • J-Pop

いわゆる「楽曲派」を自認するドルヲタの方ほど、一度試聴してみてほしい感じ。

3・もちろん、実際に観るとまだまだ成長が必要だなぁと思うところもある

ここまでだいぶ絶賛系の感想を書いてきたわけですが、もちろん、特にライブなどを観に行ってみると、まだまだこれからなんだろうなぁという部分が結構あります。
歌とダンスが基軸になるライブステージの上で、グループとしてこれからどういうアプローチで魅せていきたいのか。
歌・ダンス・ラップ・煽り・トークとそれぞれ得意なことが違っている中で、それを個人単位でどうウリにして、どうグループに還元していくのか。

ここらへんの文化的成長力、自己プロデュース力は、もしかしたら北海道という限られた場所にいる分、大きいハンデがあるかもしれません。
それはOFFICE CUEの先輩方、特に20代の若きTEAM NACSがそうであったように、進学就職タイミングで上京する地方民も多い中で”あえて東京から遠い地元に残ることを選択した若者たち”が、ずっと逃れることのできない、そんな宿命のハンデでもあります。

だけど。
地方の若者に大きなハンデがあることをすでに知ってしまった大人側の人間の一人として、NORDの動画なりライブなりの表情には、どこか希望の存在も、強く感じられるんです。
故郷を愛し、そこに育まれた人生を肯定し、楽しく、明るく、目の前のことにひとつずつ全力で取り組んでいるローカルボーイズグループ=地方で生きる若者たちの姿。
またそれを見て、同じ地方で目を輝かせて楽しそうに今を生きてる、客席の沢山の若者たちもいる。

”あえて東京から遠い地元に残ることを選択した若者たち”だって、それなりに悩みとか苦しみとかあるけど、遠くたってハンデがあったって、若者として文化的に肯定される瞬間があってもいい。
そしてもしかしたら、その「地方社会の文化的解放」が今叶えられる存在の一つが、こういうアイドルなのかなって。

見慣れた北海道の景色の中に当たり前に生きる、NORDの姿を見ていると、なんかそんなことをふと、感じる瞬間があります。

* * *

ちなみについ昨日開催されたオータムライブで発表になったのですが、NORDはこれから12月に札幌でのX’masワンマンライブ「NORD X’mas LIVE 2018~かじかむ冬にHot☆Standing~」、そして2019年3月には初の東京ワンマンライブも開催が決定しました。


この超大事なタイミングでの新曲MVがまさかのロケ型トンチキであることは今すぐ全世界のドルヲタに知られてほしい。

ヤーレンソーラン(2018.10)


また何かありましたら、こちら北海道よりお伝えします!


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僕=君・♡ハート キャッチ

僕=君・♡ハート キャッチ

  • NORD
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We are 革命児☆

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*1:SMAP

*2:モーニング娘。

*3:北海道の人にしか伝わらないと思いますがB☆Luckあたりからはそれなりに記憶があります

「別冊宝島「LOVE!ジャニーズ新世代」に寄稿しています」


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「舞祭組のライブツアーに中居正広が白い衣装を着て登場した理由」

今年放送のめちゃイケSPで中居くんのジャニーズカウントダウン出演映像が流れたとき、思いのほか気分が上がらなかったのは、衣装が黒かったからなんだなと、この映像を見たときはじめて気づきました。

やっぱり中居正広の戦闘服は「白」なんだ。

昔さ、ライブやる時も…(プロデュースを)慎吾がやってた時かなー。なんか、俺だけ白いスニーカーを許された時があったのね。
衣装だからさ、みんな黒なんだけども、「中居くん絶対黒履かないから、中居くんだけ白でいいよ」つって、
でもそれね、すっげぇ助かってんのよ!
っていうのも、黒だったら、やっぱノらないのよ、気持ちが
(ニッポン放送『中居正広 ON&ON AIR』2017年6月10日)

*1


そして今でもSMAPファンを自認している私が、ステージ後方から出てくる中居正広の姿を見て思わず涙腺が緩んだのは、
これがアイドル中居正広にとって久しぶりのステージであるとか踊る中居くんが見れたとか、そういうことよりも、
このステージがホールクラスの会場にあってくれたという、その事実の一点にあったと思います。

(30年後のステージについて聞かれ)
武道館ではライブやりたいですね。SMAPが最初にやったのが武道館だったので、武道館ではやりたいですね。(中略)
たぶん、武道館だとすごく疲れると思います。ドームはお客さんが遠いから、ちょっと緊張感が違うと思う
(ニッポン放送『中居正広のSome girl' SMAP』2014年5月31日)

武道館とか一番遠くの席でも顔が見えますから
(ニッポン放送『中居正広のSome girl' SMAP』2014年5月31日)

(舞祭組のツアー構想を聞かれ)もう、おっきくてもアリーナだね。あーでもアリーナも無いな。やっぱホールだね。2000人、3000人くらいのところが、いいと思う。絶対楽しいもん、観てる人
(ニッポン放送『中居正広のSome girl' SMAP』2015年2月28日)


SMAPが最後にホールクラスの会場を多く組み込んだツアーを行ったのは1995~1996年春、ちょうど森且行が脱退する直前の時期でした。
その後、5人になって以降のSMAPはほぼドーム公演が当たり前で、そしてグループもその期待に見事に応え続けていたけど、
その先で、中居正広の記憶には大事な後輩たちにどうしても伝えたいステージからの風景がありました。
それが今回の舞祭組ホールツアーであり、そしてDVDに収録されている汗や歓声であったのだと思います。

厳しくて強くて優しくて、そして何より最高のアイドル、白い衣装の中居正広の姿を、
もう一度見せてくれた舞祭組とそのファンの皆さんに心から感謝します。


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「「SMAPと、とあるファンの物語」の特別版・フリーペーパーが発行されます」

自著「SMAPと、とあるファンの物語 -あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど-」に関するお知らせです!
昨年秋に発売されたこの作品ですが、年が明け2018年となったこの度、書籍の特別版としてフリーペーパーを発行することになりました。
その名も「SMAP6人時代のライブ最高峰『SEXY SIX SHOW』完全レビュー」!!


(書籍の公式Twitterより)

ブログやTwitterを以前から見てくださってる方はもしかしたら記憶にあるかもしれません、そうですこの特別版のテーマ「『SEXY SIX SHOW』完全レビュー」は、実は昔から、私が「書きたい」「発信してみたい」とずーっと思い続けていたものです。
それがまさかのここで実現!!なので無料配布ながら文字数は9000字強!!
だいぶガチめのスタイルですが、せっかくの機会でもあるので、SMAPファンにもSMAPファンじゃない人にも一人でも多く楽しんでもらえるよう、いろんなことを考えながら細かく細かく制作していきました。
でもやっぱり一番はとにかくヲタとして念願叶って楽しかった…

そしてこのフリーペーパーですが、配布場所も、まさかまさかのタワーレコード全店
音楽を愛する皆さまのもとに、国内最北端の北海道からこのヲタヲタしい読み物がど直球で届きます。



(タワレコ大高店の公式Twitterより)


24年前のライブレビューという通常ではあまり実現しないような変な読み物をおいてくださるタワレコさんに感謝すると同時に…
なんやかんやいろいろありますが2018年も、私はSMAPをSMAPとして、変わらず楽しく応援していきたい!


というわけで配布期間は1月29日~2月末日、お出かけの際はぜひお近くのタワレコで、お買い物と一緒にフリーペーパーのチェックもどうぞよろしくお願いします。
きっと、このブログ読んでる人は楽しめる内容だと思います。

※その他最新情報は、タワレコ各店の公式Twitterでも随時ご確認ください

☆書籍情報:【まとめ】書籍「SMAPと、とあるファンの物語 -あの頃の未来に私たちは立ってはいないけど-」 - 小娘のつれづれ


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「テレビマンの覚悟が光るフジテレビ『おじゃMAP!!』」

2017年12月20日の放送で、あの2人があの話題に触れていて驚いた。
”あの2人”とは今年事務所を移籍した稲垣吾郎・香取慎吾のことで、”あの話題”とはもちろん、SMAPである。


*1

フジテレビ系「おじゃMAP!!」は2012年から毎週水曜に放送されているゴールデン帯の番組だ。
メインは香取慎吾とアンタッチャブルの山崎弘也、もちろん放送開始時の香取は”SMAPの香取慎吾”だった。
それが周知の通り、様々な事情が重なり2016年にグループは解散を発表、香取は2017年からソロタレントとしての出演になっている。

番組開始から数年、「あなたの街におじゃMAP!!」という番組コンセプトをなぞるように街歩きロケや挑戦企画で構成されていた同番組に変化が表れ始めたのは、香取が前事務所を離れることが正式に発表された、2017年の6月頃である。
視聴者のリクエストに応えるという形で香取たち一行が訪れたのは、青森のとある駅だった。
青森県にある津軽鉄道・嘉瀬駅、ここはやはりフジテレビで放送されていた「SMAP×SMAP」のロケで、かつて香取が訪れた場所だ。
1997年、当時20歳の香取が地元の子供たちとともに色を塗ったご当地鉄道の車両は、時間の経過とともに塗装がはがれ、地元の人はその姿に胸を痛めていたという。
そして20年後の夏、おじゃMAPは番組を通じて、SMAPではなくなった40歳の香取と電車を再会させた。

「これだけボロボロになるぐらいの20年、俺頑張ってきたんだな」
(フジテレビ『おじゃMAP』2017年6月7日)


そして香取が30年在籍した前事務所を自ら離れ、新事務所に移籍した後の2017年10月、「おじゃMAP」はある新企画をスタートさせる。その名も『ザキDが撮る ゲストが香取慎吾とやりたいこと』シリーズ。
解散騒動から事務所移籍までの約1年半、その複雑な事情ゆえに自ら口を閉ざし、波風を避けて後ろに下がることがベストになりかけていたタレント・香取慎吾を、おじゃMAPはこのタイミングで、再び一番目立つ位置に押し出したのだ。
香取が事務所を移籍した後の「おじゃMAP」は、それまでに比べて相当攻めていた。


・2017年10月4日(移籍後、初の放送回)
「香取慎吾が草彅剛と二人旅」
→SMAPとしてCDデビューした頃、草彅と香取が実際に行っていたストリートダンスに再挑戦
→「SMAP×SMAP」終了後、9か月ぶりにテレビで歌を披露

・2017年10月18日
「太田光と香取慎吾二人旅」
→解散騒動時、SMAPと旧知の仲だった爆笑問題の元にたくさん届いたファンの手紙の想いを伝えるため、太田が香取に手紙を送っていたことが明かされる
「萩本欽一と香取慎吾二人旅」
→2002年からの「仮装大賞」のダブル司会について、萩本自身が番組の後継者と見込んで香取を推薦していたことが明かされる

・2017年10月25日
「みやぞんと香取慎吾二人旅」
公式Twitterでの香取曰く「TV観てて、面白くて、僕に笑顔くれた、みやぞんに会えた」
(※ANZEN漫才・みやぞんのブレイクは2016年~、SMAP解散騒動とほぼ同時期から)

・2017年11月1日
「香取慎吾が草彅剛と二人旅」続編
→本編では未公開だった「イージュー★ライダー」(奥田民生カバー)の歌唱シーンを放送

・2017年11月15日
「橋田壽賀子の自宅におじゃまロケ
→「笑っていいとも!」での共演後、香取と長年交流の続いている脚本家の橋田壽賀子に再会

・2017年11月29日
「加藤浩次が香取慎吾とやりたいこと」
→2002年のドラマ「人にやさしく」で共演した加藤浩次、松岡充、須賀健太と再会
→加藤浩次はかつて極楽とんぼとしての活動が危機を迎えていた時期、香取の「僕は加藤さんのこと応援してますから」という一言が強い支えになっていたと番組内で打ち明けた


そして2017年最後の放送となった12月20日にゲストとして登場したのは、やはり同じく2017年に事務所を移籍した、盟友の稲垣吾郎だった。

パブリックイメージからして完全にタイプが真逆の2人は、「今までまったく思い出がない」とSMAP時代からの定番ネタで視聴者を笑わせるが、実は同時参加だった前事務所のオーディションから30年、長い芸能人生をともに歩み続けている間柄でもある。
この回では、香取のこんな発言が放送された。

香取「(稲垣がゲストで番組に来ると決まって)つよぽんだけじゃなくて他の人も、”みんな”のことを考えたの、今回。草彅以外のみんなのことを考えた時に、色んな思い出話ってある」
(フジテレビ『おじゃMAP』2017年12月20日)


香取と同時に前事務所を離れ、「新しい地図」を立ち上げたのは稲垣、草彅、香取の3人。
そのうち草彅を除いた”みんな”という複数形の意味の先にあることばは、視聴者にしてみればほぼ間違いなく”SMAPのメンバー”である。

そしてこのことばの放送が「踏み込んだな」と感じる理由も、現在のお茶の間には少なからず存在している。
それは11月にインターネット放送局のAbemaTVで放送された3人の出演番組「72時間ホンネテレビ」に関する話題が、同局の歴代最高視聴数を残しながら、在京キー局ではほとんど取り上げられなかったこと。
また先日3人が受賞した「GQ Men of the Year 2017」についても、事務所移籍組の3人のコメントシーンを、完全カットして放送する番組が複数あったこと。
さらにいえば「72時間ホンネテレビ」という自分たちの番組ですら、3人はSMAPの曲も、SMAPという単語さえも一言も発せなかった事実。
その姿に視聴者はテレビの向こう側で動いている無言の力関係を、悲しくも明快に知ったのである。

しかし、「おじゃMAP」は”SMAPのメンバー”としての香取たちの言葉を、カットすることなく放送した。
さらにいえば香取が前事務所を離れると決めた時から、彼を青森の電車に再会させた時から、
視聴者に届けるべき笑いと相反するがんじがらめの現実の間で、バラエティ番組「おじゃMAP」はすでにしっかり腹をくくっていたのである。
何気ない笑いの中に覚悟があり、覚悟があるからこそ、視聴者は自然と見入ってしまう。
視聴者を夢中にさせるテレビマンのそんな”覚悟”が、今の「おじゃMAP」には惜しみなく注がれているのだ。

そしてもう一つ伝えたいのは、この番組の”覚悟”を誰よりも体現しているのはもう一人のメイン出演者、2017年10月以降の放送で「ザキD」として番組を回している、アンタッチャブル・山崎弘也なのである。
本来芸人としては笑いのために前へ前へと目立っていく、もちろん他番組では今も彼にとって当たり前のことを、この番組では山崎はあえて封印し、一貫して香取のサポート役に徹している。

山崎扮する「ザキD」はロケに先立って別撮りで共演ゲストの希望をユーモアたっぷりに聞き、ここぞという要点で賑やかに撮影を回し、そして時にはあえて裏に下がって香取とゲストのやりとりを見守りながら、お茶の間と同じ視点のツッコミを入れる。
彼の存在があるからこそ香取は安心して本音をつぶやけるし、視聴者は、同じ世界の中で笑えて時に泣けるのだ。
思えば香取が前事務所の退社を発表してまだ間もない頃、誰一人聞けなかった香取の本音を、笑いの中についに引き出していたのもこの人だった。

山崎「今後は留学、するんですよね?」
香取「そうね、20代とかは”留学行きたいな”とかあるじゃん、そういうの…俺40歳!留学して勉強しない!」
山崎「じゃあしないのね?留学」
香取「マジでしない!」
山崎「ただあの問題もあるでしょ、俺何て呼んだらいいんだろ、今後。画伯でいいんですかね?」

香取「こんな時だから言うけど…俺引退しないから!」
(フジテレビ『おじゃMAP』2017年7月19日)


エンターテインメントの振り向く先は、パワーゲームの勝ち負けではなく、やはり本当は視聴者の心であってほしいのだ。
2018年は不可思議な忖度ではなく、「おじゃMAP!!」のように共感と覚悟で釘付けにする、そんなテレビ番組を私はもっと見たい。

参考文献
テレビ各局(在京キー局)は「新しい地図」をどう報じたか(てれびのスキマ) - エキスパート - Yahoo!ニュース
関連リンク
おじゃMAP!!【公式】 (@oja_map) / X


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*1:フジテレビ公式ホームページ「おじゃMAP!!」:https://www.fujitv.co.jp/ojamap/